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2004年に製作された『いぬのえいが』柴犬やテリア

『いぬのえいが』キービジュアル

2004年に製作された『いぬのえいが』は犬と飼い主の物語を中心に、色々な話を詰め込んだ映画です。リレー形式で紡がれるストーリーは笑いあり、涙ありとバリエーションが豊か。柴犬やテリアなど、多くの犬種が登場するのも見どころです。前半と後半で流れが大きく変わるのにも注目ですよ。それでは『いぬのえいが』のあらすじと感想を紹介します。

主なストーリーのあらすじ

愛犬家である男女は互いの飼っている犬の自慢をし、自分の犬が一番かわいいと思いつつも公園を後にします。その一方で山田という男性はドッグフードのコマーシャルを作るための企画をしていました。彼は上司に言われるがまま企画を練り直すと派手な衣装を着た女性にバックダンサーが付き、ドッグフードの原材料をデカデカと表示するという良く分からないCMが完成。犬すら移っていないコンセプトが謎のCMを作った彼は仕事に嫌気がさしてきます。

そんな中、子供の頃にパン屋の近くで野良犬と出会った頃を思い出しました。柴犬にパンをあげてポチと名付け、ボール遊びをしていたのですが…ある日、山田はいつも通りボールを投げると追っていったポチの姿が見えなくなって慌てます。喘息だった山田は必死に名前を呼んだせいで咳をこじらせてしまい、救急車で運ばれてしまいました。ポチは彼を必死に追いかけましたが会うことは叶わなかったのです。
その後、ポチは事故にあって病院に運ばれてからは病院の前に座り続けて山田が来るのではないかと思って待ちます。看護師がエサを与えたり、多くの患者と接していくポチ…彼は夢で山田との再会を果たしつつ天寿を全うしたのでした。

山田は喘息を治すために東京に移り今に至ります。大人になってから再びパン屋を訪ねて、「ばかばかしいCMを作るのが嫌になった」と話しつつ、今でも店の前でポチが元気に走る姿を見るようだと言ってその夜はポチと再会する夢を見るのでした。

山田とポチの感想

山田が子犬を抱えている画像

Yahoo!映画

山田はデスクに様々な犬の正面の写真を用意していて作業するスペースすらないほどでしたね。そんな彼が子供の頃にポチと遊んでいたのが楽しそうなシーンから、別れとなるシーンまでを描くストーリーが感動的でした。パン屋の娘とのやり取りで似顔絵を描いてもらったり、山田は犬の顔の形をした「ワンコパン」を提案したりと微笑ましいやり取りも多かったです。大人になってからそのパンが店に並んでいると知って喜びつつも、ポチに思いをはせるのもリアルだなと思わされました。

ポチは山田と別れてから病院での過ごし方が心に残ります。患者は辛い闘病生活や退屈な入院生活を送る中で、ポチとのコミュニケーションを経て笑顔になっていくのがステキでした。山田との再会を夢に見ることができたのは幸いですかね。彼らのストーリーが意外にも泣けることになり、ハンカチを片手に見ることになりました。

その他のエピソードと感想

『いぬのえいが』は上記の他にも色々なショートストーリーが語られるため、それらのあらすじと感想も紹介します。

コロと飼い主

男性と女性がベンチに座り、女性抱えられるコロ

All About

パグのコロの飼い主は、ともみという女性に夢中でストーカーまがいの行動をしてしまいました。ある日、彼女と目が合って造花の話をし始めたことから飼い主は会話を合わせつつ、次の日にはバラの造花を買ってきます。一方、コロは隣の家に犬の尻尾を見かけて、ポメラニアンだと思って妄想を重ねていました。
しかし、イヌの尻尾だと思っていたらフサフサした花…すると、ともみはポメラニアンを飼い始めたと言ってコロに紹介。コロは理想の犬に出会えたと思いきや、ポメラニアンはオスだったことに驚くのです。

感想

コロは「こんな飼い主のようにならない」と心情を語る一方で、可愛い犬が隣にいると思い込む様子は飼い主に似たのではと思わされましたね。尻尾だと思っていたら掃除用具だというオチに笑えたかと思いきや、オスのポメラニアンと出会うという展開もおもしろいです。コメディ要素のあるショートストーリーでした。

とある男女とミュージカル

男女が片手をあげたポーズをとっている画像

All About

ある公園にて。女は男を振って、近くにいた柴犬を指して「あんたよりも犬と一緒の方が良い!」と言って柴犬を抱えてその場を去りました。男は正夫といい、フラれた後はミュージカルに打ち込んで歌い続けますが、どうしても美春に見に来て欲しいと思って部屋のバルコニーへ。柴犬に見つかって慌てる中、美春は招待状を受け取るのですが…観に行こうとはしませんでした。
正夫はミュージカルの舞台を終えて美春のマンションへ行き、外で彼女の部屋に向かって歌い始めます。美春はロマンチックな状況にそそられつつも彼と抱き合うのでした。

感想

柴犬はロマンチックな男女を見届けた時にはどのように思ったのでしょうかね。飼い主を探して放浪していた所をいきなり抱えられてマンションで過ごすことになるのです。そんな中、正夫が美春に電話を掛けると柴犬が通話ボタンを押し、正夫は構わず愚痴をこぼすシーンも印象的。柴犬が話を聞いてくれている素振りを見せるのが印象的でした。

まとめ

山田と大きくなったポチが向き合っている画像

いぬのえいが : 角川映画

様々な犬のストーリーが一つの映画にまとめられている『いぬのえいが』は、コメディ要素と感動的な展開に引き込まれましたね。大人から子供まで楽しめる作品で、犬種も色々と登場するのが見どころだと言えるでしょう。一番最初の飼い犬自慢でのミュージカルも印象に残る作品でした。