悲しい事があって落ち込んでいた時に、愛犬が慰めてくれるかのようにそっと寄り添ってくれた事はありませんか?
暗い気持ちになった時、突拍子もない事をして笑わせてくれた事はありませんか?
犬には不思議な力があって、飼い主さんの心がわかる事があります。
しかし、いいことばかりではありません。
飼い主さんの悲しみを自分のことのように感じて、愛犬までストレスを感じてしまうことがあるのです。
いったいどういう事なのでしょうか?
飼い主の体調不良は犬にうつることがある?
ある犬の飼い主さんは、ストレスから胃腸の調子が悪い日が続きました。
すると、数日後に愛犬の便がゆるくなってしまいました。動物病院を受診すると、「原因不明」との診断が下りました。
獣医師によると「飼い主の症状が移ったのかもしれない」との事でした。
科学的な証明は出来ませんが、飼い主さんと同じ場所に腫瘍が出来た例や、同じ病気になるという例は少なくないそうです。
飼い主の症状が改善されると、不思議な事に犬の症状も改善される事もあるそうです。
犬は言葉を使わなくても気持ちを理解できる
2019年6月6日付の学術誌サイエンティフィック・リポートに、「犬の飼い主が長期間に渡ってストレスや不安を抱えていると、飼い犬にもうつる可能性がある」との研究結果が紹介されました。
この論文の筆者であるスウェーデンのリンショーピング大学の動物学者リナ・ロス氏によると「人間が犬を理解するよりも、犬のほうが人間のことをよく理解している」そうです。
犬が人間を理解する能力は、1万年以上もの長い間、人間と犬が一緒に生活をしてくる過程で、磨き上げられた能力だと言われています。
数字にも表れており、飼い主の毛髪からストレスホルモンであるコルチゾールと、飼い犬のコルチゾールの両方の濃度を測った結果、飼い主の値が高い場合は飼い犬の値も高く出るという結果が出ました。
犬は、飼い主の雰囲気やニオイなどから、不安な気持ちを敏感に感じ取っているようです。
犬は飼い主さんが大好き
犬や猫を撫でると血圧を下げることが出来るという研究結果があります。不安な時やなかなか寝付けない時に、犬を撫でると、いつの間にか気持ちが落ち着くことがあります。
犬がそのことを知っているはずもありませんが、大好きな飼い主さんがストレスを抱えていると、さりげなく隣に寄り添って手や体などを舐めてくれることがあります。
不思議と気持ちが落ち着きます。
大好きな飼い主さんに元気になってもらいたいという、愛犬のけなげな気持ちが伝わります。
まとめ
飼い主さんのストレスが愛犬に移ることがあるという事は、科学的な根拠はありません。
ストレスホルモンの値が増加しているという結果や、同じ症状が出ているという点からも、移ると考えても良いのではないでしょうか。
飼い主さんと同じ症状が現れるなんて、益々愛犬が愛おしく思えるのではないでしょうか?
愛犬のためにも、健康には気を付けましょう。