「うちの犬、こんなに可愛いのに口が臭い!でも恥ずかしくて人には言えない」と思っている飼い主さんは、あなただけではありません。実は、愛犬の口臭に悩まされている飼い主さんは、大勢います。
ドッグフードは、臭いの強いものが多いので、そのせいの場合もありますが、体に異常がある場合もあります。
そこで、犬の口臭の原因とその対処方法についてご紹介します。
犬の口臭の原因
1.口の中が乾燥している
犬の口の中の水分が不足すると、唾液が濃縮されてしまい、口臭の原因になります。
通常、犬の口の中は唾液で潤っています。
しかし
- 水を飲む量が少なかった
- 鼻炎で鼻づまりになり、ずっと口を開けている
- 暑くて体温調節をするために、ハアハアと口を開けて呼吸をしている
などの理由で、口の中の水分が不足してしまう、乾燥して唾液が濃縮されることで「生臭い」「魚臭い」状態になります。
2.ペットフードが劣化している
ペットフードに限りませんが、食べ物は空気に触れると酸化します。
ペットフードの脂質が酸化し劣化すると、臭いが強くなります。
劣化したペットフードを食べることで、口臭が強くなることがあります。
ドライフードよりもウエットタイプのペットフードの方が、臭いが強くなりやすい傾向があります。
劣化が進んでしまい腐敗してしまうと、下痢や嘔吐、腹痛を起こす危険があるので注意しましょう。
ペットフードは、なるべく空気に触れないように、開封後は密閉して保管するようにしましょう。
食べきりサイズの物を選ぶと、酸化や腐敗の危険が少ないので良いでしょう。
3.歯周病を発症している
犬の口臭の原因で、最も多いのは歯周病です。
歯や歯の周囲にある靭帯や、歯を支えている骨にまで細菌が入り込み、炎症を起こした状態を歯周病と言います。
歯肉だけが炎症を起こす状態を歯肉炎と言います。
歯周病を発症すると、腐敗臭のような口臭を発生させます。
炎症によって生じた膿などが、臭いを発生させているのです。
犬は、人間と比較すると歯垢が歯石に変わるスピードがとても速いという特徴があります。
歯垢には数百種類の細菌が繁殖し、その中の一部は毒素を排出します。
口の中に細菌を蓄えた状態が続くことで、歯周病になってしまうのです。
3歳以上の犬の約8割が、歯周病を患っていると言われています。
4.口腔内疾患
口腔内腫瘍という症状があり、発症すると口臭に加えて口の周りに痛みや違和感を覚えたり、食欲が無くなったり、食べこぼしをするようになります。
口腔内腫瘍、良性腫瘍と悪性腫瘍扁平上皮癌、悪性黒色腫、線維肉腫などに分けられます。
特に悪性腫瘍の場合には、口腔粘膜や歯肉、骨の組織までもが激しく破壊されるので、腐敗臭のような悪臭が発生する場合があります。
5.内臓疾患
肝臓や腎臓、胃や腸などの消化器などが不調の場合に、口臭が強くなることがあります。
ニオイの種類によって、内臓のどの部分に不調があるのかがわかる場合があります。
アンモニアのようなニオイがある
アンモニアのような、鼻につんとくるようなニオイがある場合は、腎臓や肝臓になんらかの不調がある可能性があります。
元気な時には、体の外に排出される物質が体内に溜まってしまい、アンモニアのような口臭がすることがあります。
すっぱい臭いがする
胃腸などの消化器に不調が隠れていると、すっぱい臭いがすることがあります。
胃炎を起こしている時には、胃酸の分泌が多くなり、嘔吐したり胃酸が込み上げてくることがあります。
そのせいで、胃酸のようなすっぱい臭いが口臭として感じられるのです。
空腹時間が長くなると胃酸過多になり、すっぱい臭いがしたり嘔吐することもあります。
胃炎の原因として、急性の場合は感染症や異物混入、中毒などが挙げられます。
慢性の場合には、免疫、胆汁の逆流や別の疾患の二次的な症状の場合もあります。
便のようなニオイがする
便秘の可能性があります。
他に、腸閉塞や腸のねじれなどの重篤な病気の可能性もあります。
腸内の物が正常に流れて行かないため、便のような臭いが生じるのです。
口臭が便のようなニオイの場合には、重積や腫瘍、異物が原因の場合があるので、注意が必要です。
症状としては
- 便のような口臭
- 波のある強い腹痛
- 嘔吐し、嘔吐物が便のようなニオイがする
- 元気が無くぐったりしている
- 下痢をする
などがある場合には、生命にかかわる危険性があります。
出来るだけ早く、病院受診することをおすすめします。
家で出来る口臭を予防する方法
犬の口臭の原因で、最も多いのは歯周病です。
歯周病の予防は、歯石になる前に歯垢を取り除くことが大切です。
口臭・歯周病予防は、口腔内環境をキレイに整えることが有効です。
自宅で出来る歯周病予防には、どんな事があるのでしょうか?
歯磨き
食べかすを口の中に残してしまうと、歯垢が溜まり歯石の原因になります。
自宅での歯磨きは、とても重要です。
子犬の時期から、歯磨きを習慣化させましょう。
奥歯まで磨くのは、少し怖かったり、なかなか上手に磨くことは難しいです。
歯ブラシのやり方がわからないという方や自信がないという方は、動物病院などで開催される歯磨き教室などに行って、教えてもらうと良いでしょう。
歯磨きガムを与えたり、ロープやタオルのおもちゃを噛ませて遊ぶことも効果が期待できます。
その他
ドッグフードは、ドライタイプの物を与えると、歯垢の元になりにくいでしょう。
中には、歯垢になりにくい大きさの粒や形状素材などが工夫されていて、食べるだけで歯磨き効果が期待できる物も販売されているので、そちらに変えるのも良いでしょう。
口が渇かないように、適度な水分補給を心がけましょう。
病気が疑われる場合
出来るだけ早く病院受診をして、獣医師の診断を受けましょう。
まとめ
犬の口臭の原因と対処方法をご紹介しました。
原因が病気である場合には、出来るだけ早く病院を受診し重篤化することを防ぎましょう。
子犬期から歯磨きを習慣化させて、愛犬の歯と健康を守りましょう。