犬は、日々私達に幸せをくれます。
時にはお世話が大変なこともありますが、それ以上に喜びや癒しを与えてくれます。
いつかお別れの日が来ることはわかっていても、考えると胸が締め付けられることもあるでしょう。
そんな気持ちを整理する方法をドッグトレーナーが回答します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
犬種:マルチーズ×トイプードルのミックス
月齢:5か月
性別:メス
1ヶ月前にずっと夢であった犬を飼い始めました。
最初の1ヶ月は毎日楽しく幸せを感じていましたが、ふと10年後にはこの世にいないんだと言う事を強く感じてしまい、新しい思い出が増えて行くことに恐怖を感じ、その後1週間ご飯がまともに食べられません。
また、これまで経験したことがない極度の緊張状態が続いており、不眠、息苦しさ、動悸(今は動悸はおさまりつつあります)症状があります。
これまで大切な人がいなくなってしまった事を本当にごくたまに頭をよぎったことはあるのですが、その時は、未来なんてわからないしそんな事今考えても仕方ないと思え、すぐに忘れられたのですが、今回は忘れようと思ってもどうしても四六時中頭を支配して離れません。
愛犬と接するのが大変辛く、犬に対してこんな気持ちで接してしまい本当に申し訳ないと思っています。
頭ではこんな考えを捨てて毎日楽しめば良いとわかってはいるのですが、心が追い付かず、、、
この気持ちはどうしたら整理できますでしょうか?
犬のしつけハグの「終生お預かり」
愛犬とのお別れは、言葉に言い表すことはとても難しいことです。
犬を迎え入れるということは、必ずお別れをする日がやってくるということでもあります。
覚悟を持って迎え入れなければなりません。
犬のしつけハグでは「終生お預かり」を行っています。
現状、飼うことが出来なくなってしまった犬をお引き受けするというものです。
様々な事情で、どうしても犬を育てることが出来なくなってしまった方がいらっしゃいます。
飼い主さんから譲り受けて、終生お預かりするというものです。
実際に、犬のしつけハグでお預かりしている犬がいます。
迎え入れた際、生後4ヵ月の子犬でした。
先住犬が亡くなり、家族が悲しんでいたため新しい犬を迎え入れたら悲しみが軽減されるのではないかという理由で、その犬を迎え入れたそうです。
実際に新しく犬を迎え入れることで、元気になる方は大勢いらっしゃいますが、この方は違いました。
新しく迎え入れた犬を見ると、亡くなった先住犬のことを思い出してしまい逆に悲しくなってしまったそうです。
このような理由から犬を手放すことになり、犬のしつけハグでお預かりすることになりました。
飼い主さんが病気にかかってしまい飼えなくなった、生まれた子さんが犬アレルギーになってしまった、などの理由で犬を飼えなくなってしまう方がいらっしゃいます。
飼いたくても飼えなくなってしまう方は少なくありません。
犬を迎え入れる際の覚悟
実際に迎え入れて見なければわからない事が沢山あります。
犬を迎え入れる理由は、人それぞれだと思います。
犬は人の感情に左右されます。
人が落ち込んでいたら慰めてくれますし、興奮していると一緒に興奮します。
飼い主さんが落ち込んでいたら、犬にも伝わっている可能性が高いと言えます。
飼い主さんが体調を崩してしまうくらい元気が無くなっている現状は、犬にも伝わっていると思います。
あまり良い状態ではありません。
今を楽しんで頂くことが大切だと思います。
厳しい事を言うようですが、人よりも犬の方が先に亡くなることが殆どです。
犬は人間のように80年も100年も生きることは無いので、犬を飼う前に覚悟をする必要があります。
人が楽しんでいれば、犬も一緒に楽しい気持ちになってくれます。
毎日のお散歩を楽しむ、犬とのお出掛けを楽しむなど、しっかりと日々の思いで作りをして頂きたいと思います。
このような話をすると、悲しくなってしまうかもしれませんが、お互いに幸せホルモンを出し続けて頂きたいと思います。
飼い主さんが幸せな気持ちになれば犬も幸せな気持ちになりますが、悲しんでいると犬も悲しくなってしまうということを忘れないで下さい。
犬が先に亡くなることを考えると悲しくなるという気持ちはよくわかりますが、誰しもが通る道です。
犬を迎え入れる前に「この子が死んでしまったら…」という事を考えてしまうと、迎え入れることが出来なくなってしまいます。
実際に、迎え入れることが出来ない方もいらっしゃいます。
高齢の方が犬を迎え入れる場合
高齢の方が犬の迎え入れを考えた時に、どちらが先に亡くなるかを考えると怖くなり迎え入れることを躊躇したり辞める方も少なくありません。
高齢の方が一人で犬を飼っていた場合には、自分の代わりに犬の世話をしてくれる人を探しておくことをおすすめします。
なぜなら急に入院をすることになったり、なんらかの理由で急にお世話が出来なくなってしまう事があるからです。
お子さん、親戚、友人など安心して犬を預けることが出来る人を探しておいて下さい。
飼い主さんが若い場合には、不慮の事故などがない限り急にお世話が出来なくなる可能性は低いと思うので、あまり心配はいらないでしょう。
犬の寿命を延ばすことが可能であれば延ばしてあげたいですが、現実的ではありません。
ドッグトレーナーとしてのアドバイス
犬とのお別れについては、どの飼い主さんでも考える事だと思います。
私も考えます。
一度、犬と離れてみることも一つの方法だと思います。
ご実家や他の誰かに預けて、考える時間を作るのも良い方法です。
飼い主さんの気分転換にもなり、考え方が変わるかもしれません。
犬のしつけ教室に預けてみるのも良いでしょう。
犬のしつけハグでも一か月間お預かりしてトレーニングを行うというプランがあります。
離れている間に、愛犬への気持ちに変化があったという飼い主さんもいらっしゃいます。
近隣の犬のしつけ教室に預けることを検討しても良いのではないかと思います。
犬はトレーニングを頑張っている間に、飼い主さんも考え方が変わるように頑張ってみるという方法です。
最終的にはご自分が納得できる方法を選んで頂くことが一番良いので、ご紹介した方法も選択肢に入れて頂けたら幸いです。
色々な方法を試してみるのも良いと思います。
「頭ではわかっているのですが心が追い付かない」ということなので、無理に気持ちを切り替えようとせずに、ご自分のペースで愛犬と接してみてはいかがでしょうか?
カウンセラーではないので、ドッグトレーナー目線での回答をさせて頂きました。
「犬を飼う」という夢を叶えることができた今を愛犬と一緒に楽しんで頂きたいと思います。
まとめ
犬を飼っている全ての飼い主さんが、いずれは犬とお別れしなければなりません。
犬を迎え入れることを決めたら、犬とお別れしなければならないという覚悟を持って迎え入れて頂きたいと思います。
犬とのお別れを考えただけで悲しい気持ちになってしまうのは、全ての飼い主さんに共通することです。
飼い主さんの気持ちは犬に伝わります。
犬は人の感情を読み取る力に長けています。
飼い主さんが悲しんでいると犬も悲しい気持ちになりますが、飼い主さんが楽しい気持ちでいれば犬も楽しくなります。
犬と一緒にいられる時間が限られているのなら尚更、一緒に楽しい時間を過ごして頂きたいと思います。
ご紹介した方法を選択肢の1つとして頂き、愛犬のいる生活を楽しんで下さい。