お留守番が苦手な犬は少なくありません。
飼い主さんと離れてしまうと破壊行動に出る、トイレを失敗してしまう、吠えるなどの行動に出てしまうケースが見受けられます。
お留守番が苦手な犬には、どのような対処をすればよいのでしょうか?
プロのドッグトレーナーが、お留守番が苦手な犬の対処方法を教えます!
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
LINE無料相談への相談内容
犬種:フレンチブルドッグ 年齢:8ヵ月
【相談内容】
10日前くらいから、お留守番中にケージを破壊し脱走するようになってしまいました。
ケージに屋根をつけ、まわりも結束バンドで固定しても、一人でお留守番になると、激しく頭突きし、噛んでケージを壊して脱走してしまいます。
一度、まさか脱走するとは思わずキッチンのパンドリーが開いていて、そこに侵入し玉ねぎを食べてしまいました。
その時は急いで病院へ駆け込み大事には至りませんでしたが、心配でなりません。
また激しく頭突きをするので、おでこも怪我がありかわいそうです。
それまでは、お利巧にお留守番できていたのに、急にできなくなってしまいました。
家族がいる時は、ケージに入ったまま寝たりできますが、一人になったとわかった瞬間から暴れて鳴いて、10分もお留守番できなくなってしまいました。(普段吠えることはほとんどない子です)
ケージが嫌なのかと思い、一度フリーでお留守番させたら、やはり、落ち着かず、ダイニングテーブルに登って飛び降りたりして危険でした。
また、トイレも全部失敗で、心が折れそうになりました。(普段はほとんどトイレできていました)
多分、分離不安症だと思います。
一ヶ月前くらいから、夜も一緒に寝るようにしてしまったからでしょうか。
昼間は7時間ほど留守にするので、トイレも覚えてきたし、夜くらいは一緒にいたいなと考え、寝ていましたがやはりそのせいなのでしょうか。
夜は一緒に寝るのをやめた方がいいですか?
そのためにケージを重く強いものに新しく買い替え、脱走することができないようなケージにした方がいいですか?
でも、色んな周りの話に出てきたように、いっそのこと、フリーの生活にさせるか悩んでいます。
どうしたらいいか教えて頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。
お留守番ができないのはなぜ?
お留守番ができなくなった原因は?
フレンチブルドッグがお留守番が出来ないというお悩みをお持ちの方からのご相談です。
月齢がまだ若いことから、単純に飼い主さんと一緒にいたい気持ちが強いのだと思います。
また、飼い主さんがおっしゃる通り若干ですが分離不安症が出てきている可能性があります。
飼い主さんと一緒にいると大人しいのに、離れてしまうと上記のような行動が出てしまうということは、不安から来ている、もしくは飼い主さんがいないから自由に行動してしまった結果破壊行動などにまで及んでしまうということも考えられます。
本性が出てしまうということも考えられますが、恐らく飼い主さんがいないことによって不安に駆られて飼い主さんを探し回っているということも考えられます。
お留守番は「自立」がポイント
まずは、犬に自立をさせなければなりません。
人と一緒にいられる時間であっても、一人で過ごす練習や時間が必要です。
ケージを頑丈なものにするというのも一つの方法ではありますが、犬が怪我をしてしまっているということは、狂ったようになっている可能性があります。
フレンチブルという犬種の特徴としては、頭で考えるよりも先に行動してしまうタイプなので、大けがをしてしまうかもしれないので大変危険です。
顎の力が強いため、中途半端な強度のケージだと破壊することもあります。
他の犬種と比較すると、脱走させない工夫が必要です。
いきなり7時間という長い時間お留守番をさせてしまうことは、犬にとって大きな負担になるので、まずは人がいる時に一匹の時間を作ってください。
今は一緒に寝ることは辞めることをおすすめします。
一緒に寝てしまうと、人と一緒にいることの安心感を植え付けてしまうことになるからです。
犬は人がずっと一緒にいてくれると勘違いしてしまう可能性もあります。
おすすめはクレート管理
自立のためにはクレートを使う
犬のしつけハグではクレートでの管理を推奨しています。
クレートとは主にプラスチック製の犬用の入れ物です。
犬が一人で過ごす時間を作るために、クレートに入れることはとても良い方法です。
ただ、いきなりクレートに入れて別の部屋などに置いてしまうと、出して欲しいという要求が出てしまうと困るので、まずは同じ場所で過ごすことからはじめてください。
また、寝る時に同じ部屋の中で人はベッドで寝て犬はクレートの中で寝るという方法もよいでしょう。
同じ空間にいながら別々の環境で過ごすことから初めてみてください。
徐々に別の空間で過ごせるようにすることが大切です。
例えば、人がリビングで食事中、犬は別の部屋でクレートの中で過ごすなどの方法があります。
人がいても構わない時間がある、人がいれば構ってもらえるという考えが無くなるように過ごしてください。
そうすることで、人がいないことを不安に思うことがなくなります。
お留守番をしなければならない状況にある犬の場合は、軽くほっとかれていると思われるくらいの方がよいのです。
一緒にいられる時間だからといって、その時間を一緒に過ごしてしまうと、逆にお留守番の時間が犬にとってつらくなってしまいます。
犬の安全を最優先する
お留守番をすることが全くないのであれば、ずっと一緒に過ごしても問題ありません。
心配な場合は、日中預かってもらえるような場所に預かってもらうのも方法の一つです。
飼い主さんが留守の間に暴れてケガをしてしまう、飼い主さんが心配で仕方がない仕事が手に着かないような状態になるのであれば、預けることを考えたほうが良いのではないかと思います。
お留守番中、犬が安全に過ごせるように考えることが大切だと思います。
早めのトレーニングがおすすめ
飼い主さんが一緒にいる時間は構ってあげて、飼い主さんが外に出る時にはケージやクレートの中に入れてしまうと、ケージやクレートの中がお仕置き部屋のような感覚になってしまいます。
その中に入ることさえも拒むようになってしまいます。
ケージやクレートの中は、普段から入り慣れている心地よい場所にしてあげる必要があります。
犬のしつけハグで行っているクレートトレーニングは、その子に合ったサイズのものでトレーニングを行います。
大きさは犬が寝られるくらいのスペースなので、中で興奮をすることはありません。
クレートの中で大人しく過ごすことができれば、クレートの中では寝てくれるようになります。
クレートトレーニングは、できるだけ早く行うことをおすすめします。
ご相談者さんの愛犬は月齢が8ヵ月ですが、月齢や年齢が上がるとどんどん大変になるので、早めの対処が重要です。
一人でお留守番ができるようにするためには、多少は犬の負担にはなりますが、2歳、3歳になってからトレーニングをした場合の負担と比較すると大きな差があります。
今のうちに軌道修正しておくことをおすすめします。
まとめ
8ヵ月のフレンチブルドッグが、お留守番中にケージを破壊してしまう、分離不安の可能性があるのではないかと心配されている飼い主さんからのご相談への、回答です。
まずはケージやクレートに慣れさせることからはじめましょう。
お留守番をすることにも慣れさせなければならないので、普段からケージやクレートの中で過ごすことに慣れさせる必要があります。
人がいる時にはずっと構うのではなく、構う時間「オンの時間」とケージやクレートの中で過ごす時間「オフの時間」を作ることが大切です。
お留守番をする時間がある場合は、必須項目です。
最初は短時間でもいいので、人がいてもケージやクレートの中で過ごす時間を作ることで、ケージやクレートに対する苦手意識や抵抗がなくなります。
もし、お留守番をさせることが危険な状態や、ケージやクレートの中で過ごす練習をする時間がないという方は、日中預けられる施設などを利用して犬の安全を確保しましょう。
お休みの日や時間がある時に、ケージやクレートの中で過ごす練習をしてください。
徐々に慣れさせて、1時間程度外出してみて問題なければ少しづつ時間を延ばすという方法でトレーニングを行いましょう。
時間はかかりますが、犬の安
全が第一です!
日中お預け施設などを利用しながらトレーニングを行うという方法で、トレーニングに励んでいただきたいと思います。
犬の分離不安は、勘違いを起こしてしまっていることが原因であるケースが多くみられます。
「飼い主さんとはずっと一緒にいられると思っていたのに、なんでおいて行かれるの?」
と不安にかられるという、気持ちの問題です。
これまでの生活の中で、犬に勘違いをさせてしまっているということなので、今までの生活を少し見直していただくことが一番の解決策になります。
分離不安に関しては、年齢を重ねるごとにどんどん情緒が安定しなくなるので、早めの対処が肝心です。
ずっと一緒にいることはできないので、犬が自立できるようなトレーニングを行いましょう!
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