「犬が排せつ物を踏み荒らし、朝起きたら部屋の中は大惨事!」という状態でお困りの飼い主さんは、少なくありませんし、むしろよくあることです。
でも、ご安心ください。
犬の飼育環境を変えることで、解消することが可能です。
犬の糞によるお困りごとの解消方法について、犬のしつけ専門家が詳しく解説します。
記事:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
LINE無料相談への相談内容
犬種:ラブラドール・レトリーバー
月齢:4ヶ月
【相談内容】
トイレではうんち・おしっこはするのですが、そのうんちを食べる、うんちで遊ぶ?踏む(毎晩)
朝は起きると、犬小屋が大変なことに毎日なってます。
犬のケージ管理
4ヵ月の子犬のトイレトレーニングについて、ご質問をいただきましたので回答します。
犬をケージの中で管理されているのではないかと思います。
ご相談者さんの犬は、まだ生後4ヵ月なので長時間のトイレの我慢はできない状態です。
ケージの中で、半分をトイレにして半分を寝床として使用されている方が多くいらっしゃいます。
この管理の仕方は、間違いではありません。
ただ、排せつ物を踏むことに対して抵抗がない場合、せっかくトイレシートの上で排せつをしても、興奮して踏み荒らしてしまい寝床の方まで排せつ物で汚れてしまうというケースは少なくありません。
むしろ、よくある事です。
犬に対して「踏まないで!」と言っても、踏んでいることに気付いてさえいないこともあり、言って辞めさせることは難しいでしょう。
現実的な方法としては、犬が排せつしたらすぐに取り除くという方法が適しています。
一晩中、犬が排せつするのを見張っているということではありません。
犬にトイレを我慢させることを教えていきましょう。
クレート管理について
犬のしつけハグでは、犬が生後3ヵ月でも4ヵ月でもケージでの管理は行っておりません。
月齢にかかわらず、クレートでの管理を行っています。
生後3ヵ月でも4ヵ月でも、夜間6~7時間程度はトイレの我慢が出来るように教えています。
犬も夜は寝ているので、落ち着いた環境があれば難しいことではありません。
犬は、ある程度の時間であればトイレを我慢することができます。
ご相談者さんの犬は、おそらくケージの中で管理をされていて、いつでもトイレが出来る状態、いつでも寝られる状態にあるのではないかと思います。
トイレがあったら排せつをしてしまうのは当たり前のことなので、踏み荒らしてしまうというお困りごとに繋がってしまったのです。
夜の間は排せつを我慢させれば、踏み荒らすことはなくなります。
犬にトイレを我慢させる方法
犬のしつけハグでは「クレート」を推奨しています。
クレートの中では「トイレの我慢」と「落ち着き」を教えています。
ケージの中には、トイレと寝床と遊び場があるため、犬にとって何をする場所なのかわかりにくくなってしまいます。
排せつをする場所であり、寝る場所であり、興奮する場所でもあるということです。
興奮することで代謝があがり、排せつをしやすくなります。
クレートの中では暴れまわることはありません。
クレートの中では寝ているだけなので、代謝はあがりません。
そのため、トイレを我慢することができるのです。
排せつ物を踏んでしまいお困りの飼い主さんには、クレートトレーニングが最適なので、ぜひおすすめしたい方法です。
クレートトレーニングしかない!と言っても過言ではありません。
子犬期のおしっこの頻度は、一日に10回以上という場合は管理をすることはほぼ不可能に近い状態です。
夜、人が寝ている間や日中でも人が見ていることができない時間は、犬が落ち着いていられる習慣を身に着けさせるようにクレートでの管理をすることで、人がトイレのコントロールをすることが可能になります。
クレートで管理をすることで、トイレの失敗がなくなります。
排せつは決められた場所に誘導して、そこで済ませることを教えることができるので、同時にフリー中のトイレを教えることもできます。
クレートトレーニングを行うことと、トイレの場所を決めることは利点しかありません。
強いて悪い点を挙げるとすると、長時間トイレの我慢をさせることになるということですが、体調を崩してしまうほど長時間クレートの中に入れておくわけではないので、問題はありません。
犬がクレートの中で寝ているので、飼い主さんは少し寂しいかもしれません。
クレートトレーニングを行うことで、ご相談者さんのお困りごとは解決することができます。
クレートトレーニングに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。
自分でできるクレートトレーニング 【犬を飼うのがはじめての方向け】 – YouTube)
クレート管理のメリット
クレートトレーニングについて
もちろん、突然長時間クレートの中で大人しくすることは難しいでしょう。
日中や飼い主さんが時間が取れる時にトレーニングを行いましょう。
飼い主さんの「ハウス」の指示で、犬が自分でクレートの中に入れるようにトレーニングを行います。
最初は1時間でも30分でもいいので、犬がクレートの中に入っていられるようにしましょう。
犬がクレートの中に入れられることに対する抵抗をなくしてください。
クレートを普段から入り慣れている場所にしてあげることで、長時間入っていることは犬にとって全く負担はありません。
夜の間、クレートの中で過ごすことで解決することができます。
犬が安全にお留守番ができるようになる
日中、仕事などの理由で犬がお留守番をすることが多い場合には、クレートトレーニングはおすすめです。
月齢が若い場合には、拾い食いやいたずらなどによって、飼い主さんが帰宅すると家の中が荒らされているというケースは多く見られます。
破壊行為で済めばよいのですが、誤飲や誤食がとても怖いことです。
コードを噛んで関電してしまったり、ケガをすることもよく聞く話です。
犬は、危険だということを理解してわざと行っていることではありません。
事故などを未然に防ぐという意味でも、クレートで管理をすることで犬の安全も守ることができます。
クレート管理をすれば、お留守番中の犬が心配でウェブカメラで頻繁に確認をする必要はありません。
災害時や分離不安予防に有効
災害が起きた時にもクレート管理が出来ることで、犬と一緒に避難することが可能になるケースもあります。
災害に限らず、クレート管理をすることによって、人の時間をつくることができ犬の時間もつくることができるという点でもメリットが多いと言えます。
犬の分離不安の予防にもなります。
犬の排せつ状況を把握しよう
まずは、排せつの頻度や状態の把握、誘導が効果的です。
おしっこ・うんちの回数、どのようなタイミングで排せつを行っているのかなどを記録しましょう。
記録する期間は1~2週間程度行えば、把握できると思います。
犬が排せつをするタイミングがわかれば、そこで人がトイレに促すことができます。
犬の排せつから排せつまでの時間は2~3時間はあるので、その時間クレートの中で過ごしても、漏らす心配はありません。
最初は2時間程度から始めてもらいたいと思います。
まとめ
ケージの中で排せつをして、その排せつ物を踏み荒らしてしまいお困りの飼い主さんからのご質問に対するアドバイスと改善方法のご提案をさせていただきました。
結論としては、ケージの中での管理を見直していただき、クレート管理をおすすめします。
クレートは寝床としての空間なので、排せつをする心配がないため踏み荒らすこともありません。
トイレは別の場所に設置して、飼い主さんが犬の排せつのタイミングを把握して誘導してあげてください。
そこで排せつ物をすぐに取り除くことによって、踏み荒らすという心配がありません。
犬に「排せつ物を踏まないで」と言っても、やめることは難しいでしょう。
生後4ヵ月であれば、平均的にトイレの我慢は4~5時間程度はできます。
5時間トイレの我慢をしたら、トイレに促してあげるという形からはじめてみてください。