犬に手や顔を舐められた経験がある人は多いでしょう。
犬が人やモノを舐めている姿をよく見ます。
実は、犬が人やモノを舐めることには理由があるのです。
そこで、犬が舐める理由についてドッグトレーナーが詳しく解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
犬が舐める理由5つ
その1不安
犬は不安な時に、舐めるという行為で気持ちを落ち着けようとすることがあります。
これは人も同じで、いわゆるカーミングシグナルと言われているものです。
人間の場合には頭や鼻を掻く、目をこする、あくびをするなどが挙げられます。
例えば、初めて動物病院を受診した時にどうしていいのかわからずに、舐めるという行動に出ることがよくあります。
飼い主さんやケージ、クレートなどをぺろぺろと舐めていたら不安の現われです。
不安がなくなれば舐める行為が無くなり、鼻鳴きをして飼い主さんに要求をするようになりますが、これは心に余裕ができたことを意味しています。
あくびも不安の現われであるケースがあります。(飽きてしまってあくびをすることもあります)
不安な気持ちから舐めている場合は自然なことなので、辞めさせる必要はありません。
置かれている環境に慣れることで舐めるという行動は出なくなります。
不安な気持ちから舐めるという行動に出ている場合には、不安要素をなくしていくことで、改善することができます。
その2クセや習慣
理由の2つ目として、クセや習慣で舐めるということについて説明します。
大好きなおもちゃやクッションなどがあると、同じ場所をずっと舐めていることがあります。
それは赤ちゃんの頃にやっていたおしゃぶりの延長であったり、クセからくるものです。
犬は特に意識はしていないでしょう。
特に意味はなく無心でやり続けている状態です。
辞めさせるべき行動ではありませんが、おもちゃがボロボロになっている場合は、飼い主さん判断で気を付けて頂きたいと思います。
誤飲などの恐れがあるため、ご注意ください。
その3対象物の様子をうかがう
様子をうかがうのは、あまりよい行動ではありません。
例えば、飼い主さんの手を噛んだあとに舐めることがあります。
多くの方は、噛んだ後に「ごめんね」という気持ちから舐めていると勘違いしています。
しかし、「噛む」という行動がまた出ているのであれば反省しているとは言えません。
飼い主さんの手を舐めているのは、相手の様子をうかがうためです。
飼い主さんが怒っていなければ、また噛んでもいいよね?という気持ちの現われである可能性があります。
噛んでも誤れば許してもらえると思っているかもしれません。
噛んだ後に舐める場合には、辞めさせる必要があります。
不安な気持ちから舐めている場合もあるので、叱ることは避けたいです。
不安要素が無いのに、わざと人が嫌がることをやってくる場合には注意しましょう。
その4愛情表現
愛情表現の一つとして舐める場合があります。
辞めるという行為の他にじゃれがみも愛情表現のケースがあります。
愛情表現の一つとして舐めるという行為に出るのは、どの犬にも見られる行動です。
相手を好きだという気持ちを表しているので、辞めさせる必要はありません。
ただし、人の顔を舐めてくる場合には注意が必要です。
犬の口の中には、人間にとって有害な細菌がいます。
犬に顔を舐められた時に口から細菌が入ってしまい、体調を崩すことがあります。
過度に顔を舐める行為には注意しましょう。
愛情表現として顔を舐めていたところから、様子をうかがうために行うように意向することがあるので、そこも注意して頂きたいと思います。
その5執着
人の手を過度に舐める場合、執着している場合があります。
人の手が美味しい場合があるからです。
塩気があったり、ハンドクリームの味が気に入ってしまう、お父さんの足だけよく舐めるなど、様々なケースがあります。
体調不良になることもあるので、執着があり過度に舐めていると感じたら、工夫をすることをおすすめします。
ある特定の物を過度に舐めている場合、その物に対して執着している可能性があります。
取ろうとすると威嚇されるようになると危険です。
取り返す必要がある物に関しては、与えすぎないようにしてください。
舐める行為について
「舐める」と言っても色々な種類があり、愛情表現のような良い意味だけではありません。
人に何かを訴えている時もあるので、犬の行動をよく観察して読み取っていただきたいと思います。
まとめ
犬が人やモノを舐める理由5つについて、詳しく説明しました。
- 不安
何か不安に思うことがある時に、飼い主さんの手やモノを舐めるという行為に出て、気持ちを落ち着かせようとすることがあります。 - クセや習慣
毎日繰り返して同じ行動をしているだけで、特に意味はありません。 - 相手の行動を伺う
噛んだ後などに飼い主さんの行動を伺って舐めることがあります。相手を試す行動はあまり良いことではないので、辞めさせていただきたいと思います。
- 愛情表現じゃれ噛みや甘噛みと同じように、愛情表現の一つとして舐めることがよくあります。愛情表現は悪いことではないのですが、エスカレートしてしまうと相手を試すようになってしまうので、少し注意が必要です。完全に拒否してしまうと、犬からの愛情を拒否してしまうことになるので、ほどほどに対応して頂きたいと思います。
- 執着自分が好きな物に対しての執着から舐めることがあります。手の汗やハンドクリームなどの味が好きで、舐めることがあります。犬の口に入れても安全な物であればよいのですが、よくない場合もあります。飼い主さんが気を付けてあげてください。