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【ドックトレーナー監修】犬が抱っこを嫌がるなら地道なトレーニングをしましょう!【基本 6つのステップ】

犬が抱っこを嫌がるなら地道なトレーニングをしましょう!【基本 6つのステップ】

「スキンシップ」だけでなく「犬を危険から守る」という意味でも、犬を自然に抱っこできるようにしておくべきです。ですが、実際には抱っこを嫌がるワンちゃんが少なくありません。しかし、そのような犬でも少しずつステップアップさせながらトレーニングすれば、最終的には無理なく抱っこできるようになりますよ。

記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵

Kawashima

Profile 川島 恵 ドックトレーナーとして12年目の令和元年に東京の世田谷区と文京区にあるドッグトレーニング犬のしつけ教室をオープン。 『スッキリ』(日本テレビ系)犬のしつけ専門家として出演電話出演。 テレビ東京「どうぶつピース!!」に出演。「おやつ、おもちゃ無しのしつけ」でドッグトレーニングする犬のしつけの専門家

犬が抱っこを嫌がるときのトレーニング・6ステップ

嫌がる犬を無理矢理抱っこしても、もっと嫌がるだけです。
強引に抱っこしようものなら、暴れてしまって飼い主がケガをする恐れもあります。
焦らず以下の6つのステップを意識してトレーニングしてみましょう。

1:人間の手に慣らす

実はヒトの「手」に抵抗感がある犬が少なくありません。
人間自体はそこまで嫌がるわけでなくても、手で触られると妙に嫌がったり……。

手に親しんでもらうためにも、犬ににおいをかがせたり床に手を置いたりしてみましょう。
そうすると犬は手を観察するはずです。
そして、「別に手は怖いものじゃないんだ」と理解するはずです。
この段階になったら、手でドッグフードを与えてみるのもいいかもしれません。

2:スキンシップをする

今度は手で犬の身体を触ってみましょう。
ただし、鼻、しっぽ、耳などに触れるとかなり嫌がるので、抱っこできるようになってからも基本的には触らないようにしましょう。

一番触りやすいのは背中でしょうね。
犬も平気な顔をして触らせる可能性が高いです。
ただし、無言で触るのではなく「触るよ~」などと声をかけながら優しくタッチしましょう。

3:脇の下に手を入れてみる

犬を抱っこするときはまず脇の下に手を入れることになります。
しかし、犬のこの場所は比較的敏感ですから抵抗を示すかもしれません。
そうなったら、一旦やめて「2」のようなスキンシップに戻ってみます。そして、慣れてきたらまた脇の下に手を入れてみます。

脇の下に手を入れても平気にしているようであれば、その場ですぐに褒めましょう。
時間が経ってから褒めても「褒められた理由」を理解できないからです。

また、この段階まで来たら抱っこのトレーニングは安定した床の上で進めていきましょう。
イスの上などで行うのは危ないです。

4:上半身を浮かせてみる

脇の下に手を入れても大丈夫になったら、上半身を軽く持ち上げてみます。
このとき、毎回飼い主さんが「抱っこ」と言うようにすると、「あ、今から持ちあがるんだな」と学習するので、犬が嫌がることが少なくなります。

ここでも成功したら素早く褒めましょう。

5:下半身も持ち上げる

上半身をリフトアップすることができたら、今度は下半身も持ち上げます。
ただ、この段階ではまだ抱っこはしません。あくまで少し持ち上げるだけです。

しかし、犬にとって「足が床から離れる」というのはかなりのストレス&恐怖です。
ここで抵抗感を示した場合は、3~4辺りからやり直してみましょう。
無理に抱っこしようとすると、かえって効率が悪いですし、そもそも二度と抱っこできなくなる可能性さえあります。

うまくできたら褒めてくださいね。

6:いよいよ抱っこ

犬の足が床から浮いても大丈夫になったら、いよいよ抱っこします。
片手を両方の脇の下に入れたままにして、もう片方の手で犬のお尻を支えます。

このとき犬の身体が縦方向に伸びていると、身体の下のほうに自重がかかって身体を傷める恐れがあります。ですから、「頭がやや前方に出て、お尻を飼い主に預けている状態」を目指してください。

抱っこの時間はとりあえず2~5秒くらいでもOKです。
だんだん伸ばしていきましょう。

抱っこまでできたら、ついご褒美(おやつ、玩具など)をあげたくなるかもしれませんが、それはよくありません。「ご褒美がないと言うことに従わない子」になる恐れがあるからです。
飼い主さんが心の底から褒めてあげればそれで十分です。

犬が抱っこを嫌がることがなくなると起きやすい2つのトラブル

無事に抱っこができるようになると、今度は別のトラブルが起きる恐れがあります。

1:しょっちゅう抱っこを求めてくる

抱っこが好きな犬は少なくありません。特に飼い主との信頼関係がきちんと構築されていると甘えてくるかもしれません。

しかし、「抱っこして!」という犬からのリクエストを聞いているようだと、犬が「僕のほうが立場が上だワン」と勘違いするようになります。

ですから、抱っこは完全に飼い主さんのペースで行うようにしましょう。
極端に抱っこの頻度が多かったり少なかったりするのは良くありませんが、そうでなければ「飼い主さんが抱っこしたい気分のとき」に抱っこすればOKです。

2:頻繁に飼い主の膝に乗りたがる

これを毎回許しているようだと、犬が飼い主に強く依存してしまう恐れがあります。
抱っこと同じで「飼い主さんの気分が乗っているとき」はそのまま乗せても良いですが、そうでなければ突っぱねるようにしましょう。

犬が言うことを聞かないのであれば、そのまま無視すれば良いです。
「でも、どうしても犬を気にしてしまう……」という場合はしばらく別の部屋に行ってしまいましょう。
「なんとなく気になってそうだし、もうちょっと甘えれば膝に乗せたり抱っこしたりしてくれるかも」と思わせてしまうのが一番ダメです。

まとめ

犬が抱っこを嫌がるときの対処方法を紹介しました。嫌がっている以上は強引に抱っこしようとしても解決しません。少し気の長い話になりますが、まずは「手を見せる」ということから行っていきましょう。そして、犬が抱っこに慣れてからも油断は禁物です。今度は「犬の甘え」をきちんと拒否する必要がありますからね。