インフルエンザなどの感染症が流行すると、愛犬が鼻水をたらしているだけで、心配になりますよね。
毎年、人間界でインフルエンザが流行しますが、実は犬にもインフルエンザがあるのです。
日本での感染が確認されたことはありませんが、万が一愛犬がインフルエンザにかかったらどうすればよいのでしょうか?
新型の犬インフルエンザが発見された
2018年中国南部の犬から、新型のインフルエンザが発見された事が、学術誌「mBio」に発表されました。
犬に感染するインフルエンザの歴史は浅く、人間のインフルエンザが数千年前から確認されていた事に対して、犬インフルエンザが登場したのは2000年頃です。
中国をはじめとする一部のアジア地域やアメリカで猛威をふるい、連日報道がされましたが、日本での感染は認められず終息しました。
しかし、いつ日本でも犬インフルエンザが確認されるかわかりません。
インフルエンザは変異するため、いつ新型のインフルエンザが発見されて、感染するかわからないという怖さがあります。
犬インフルエンザ株は2種類+新型
■H3N8型
2004年にアメリカのフロリダ州のジャクソンビルドッグレース場で、馬インフルエンザウイルスの犬への感染が発生しました。
それまでは、馬にしか見られなかったインフルエンザが、馬に感染した後に突然変異を起こし、犬に感染したとみられています。
■H3N2
H3N2犬インフルエンザは、2007年に韓国で確認されました。
アジアの広い地域で広がったH3N2犬インフルエンザは、H3N2鳥ウイルスが犬に伝わり、広まったものと考えられます。
また、2015年アメリカのシカゴでも同様に、まず最初に鳥から始まり、犬に感染が広まりました。
■H1N1新型犬インフルエンザ
中国で発見されたという報告がある新型の犬インフルエンザは、H1N1型ですが詳細は不明です。
犬がインフルエンザにかかった時の症状と対処方法
犬がインフルエンザにかかった時の症状
犬がインフルエンザにかかった際の症状は、人間のインフルエンザと似ています。
軽症の場合は、咳、鼻水、発熱、食欲不振などです。
重症の場合には、咳、鼻水、食欲不振に加えて40度以上の高熱が出ます。
犬インフルエンザが疑われる場合の対処方法
もし、このような症状が出た場合には、すぐに動物病院へ行きましょう。
日本では、犬がインフルエンザにかかったという報告はありませんが、インフルエンザを疑われる症状が出た場合には、出来るだけ早く医師の診断を受けることが大切です。
日本には犬用の抗インフルエンザ薬やインフルエンザ専門の治療薬はありませんが、抗生物質などを用いて治療を行うことになります。
自宅では、水分補給をしっかりして、安静にして過ごしましょう。
飼い主さんが側に寄り添ってくれると、犬は安心します。
飼い主さんは、犬のインフルエンザには感染しないので、出来るだけ一緒にいてあげましょう。
犬インフルエンザにかかった時の注意点
万が一犬インフルエンザが発症した場合、ほとんど免疫がないので流行する危険性があります。
多頭飼いしている場合には、感染予防のため他の犬と接触しないように部屋を分けて隔離しましょう。
もし猫をかっている場合にも、接触しないようにして下さい。
犬インフルエンザは、人間に感染するの?
犬から人間へ、人間から犬へインフルエンザが感染した例はありません。
犬と人間のウイルスは、型が異なるため感染の可能性は極めて低いと言えます。
しかし、ウイルスは突然変異をするので、大幅な突然変異が起きてしまった場合、犬から人間へ、人間から犬へ感染できるウイルスが出現するかもしれません。
中国・王林では、夏至にあわせて「ライチ犬肉祭」という催しがあります。
約1万匹以上の犬が食肉処理されて、火鍋として提供されます。
犬肉を食することで、ウイルスが人間に伝わり広まる可能性があると警鐘を鳴らす専門家もいます。
犬の健康状態をこまめにチェックしましょう
犬がインフルエンザに感染してしまった場合には、出来るだけ早く飼い主さんが気づいて、病院に行く事が大切です。
そのためには、日ごろから愛犬の健康状態をこまめにチェックする必要があります。
愛犬の健康チェックポイントをご紹介しましょう。
目
白目の部分がちゃんと白いか、赤くなっていないか、目が濁っていないかを、両眼ともしっかり確認しましょう。
また、目ヤニが出ていないかもチェックして下さい。
鼻
犬の健康をチェックする際、鼻は重要なポイントです。
鼻が乾燥せずに湿っているか確認しましょう。
寝ている間は、鼻が乾燥することもあるので、寝起きの場合には起きてしばらく経ってからチェックしましょう。
また鼻水や鼻血が出ていないかも、確認してください。
呼吸
運動後や体温調節をしている場合以外に、呼吸が荒くなっていたら、注意が必要です。
通常、犬の呼吸は安静時は1分間に40回未満、睡眠時は1分間に25回未満が正常な呼吸回数です。
もし、この呼吸数より多い場合には、注意が必要です。
口臭
健康な犬は、ほぼ口臭はないので、口臭が気になる場合には注意が必要です。
まとめ
愛犬が犬インフルエンザが疑われる場合の対処方法について、ご紹介しました。
日本では未だ犬インフルエンザは確認されていませんが、万が一かかってしまうと、感染が広がる可能性があります。
人間から犬へ、犬から人間へ感染する可能性は極めて低いのですが、日ごろから健康管理をしっかりとする必要があります。
万が一、犬インフルエンザが疑われる場合には、出来るだけ早く動物病院を受診しましょう。