人間にとっては非常に健康に良い食材である大豆。特に女性の場合は美容のために食べているという方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな大豆を犬に与えるときの注意点や、犬にとってのメリット·デメリットを紹介していきます。人間と同じような感覚で犬に食べさせるのは危険ですので、気を付けてくださいね。
犬に大豆を与えることの主なメリット
1:必須アミノ酸が豊富
犬が食事から摂取しなければならない「必須アミノ酸(体内で生成できないアミノ酸のこと)」が、大豆には全種類入っています。
必須アミノ酸がタンパク質を構成していますので、大豆を食べることでタンパク質を摂ることが可能です。
「タンパク質の比率が最も高い食事」が犬にとってはベストですから、犬に大豆を与えるのは基本的には良いことです。
2:脂肪の蓄積を防ぐことが望める
大豆タンパクを分解した「大豆ペプチド」をネズミに与えつつ運動を行わせたところ、内臓脂肪量がダウンしたという研究結果が存在します。
ただ、裏を返せば「運動もしないと効果が望めない(下がる)」ということですよね。
ですから、散歩の前などに犬に食べさせてみると良いかもしれません。
3:特に老犬におすすめです
大豆の含有成分である「大豆サポニン」には、
- ガン細胞の繁殖の軽減
- 抗炎症効果
- 活性酸素を除去する働き
などが望めます。
ただし、「大豆サポニンという成分はあまり安定しない」「発酵の過程で少なくなる」という説もあるので、あまり期待し過ぎないほうがいいかもしれませんね。
とはいえ、大豆サポニンに有害性があるという話ではないのでデメリットにはなりません。
犬に大豆を与えることの注意点は?
1:アレルギーに注意
大豆を与えることで、アレルギー症状として
- 発疹
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
などが表れることもないとは言い切れません。
ですから、まずはちょっとだけ大豆を食べさせて様子を見ましょう。
2:大豆は鉄の吸収を邪魔します
大豆が含有している「グリシニン」には、鉄の吸収を邪魔する働きがあると見られています。
したがって、鉄材を摂取している犬や貧血気味のワンちゃんには大豆を食べさせないようにしてくださいね。
3:大豆の食べすぎに注意
「ワンちゃんに大豆を与える(食事は普段通り&他のおやつは食べさせない)」
とすると、1日の上限量の目安は以下のとおりです。
体重が1キロの犬 | 3粒 |
---|---|
3キロ | 7粒 |
5キロ | 10粒 |
10キロ | 17粒 |
15キロ | 23粒 |
20キロ | 30粒 |
30キロ | 40粒 |
40キロ | 50粒 |
人間ならあっという間に食べきってしまう量ですね。
ヒトと犬とでは、全く違うという事を忘れないようにしましょう。
また、「『犬の体重』と『上限量』が比例しているわけではない」のでその点にも気をつけてください。
どんな状態の大豆を犬に食べさせるべきなの?
続いて、「犬に大豆を食べさせる方法·注意点」を具体的に紹介していきますね。
生の大豆はダメです
生の大豆には「トリプシンインヒビター」と呼ばれる犬にとって有害な物質が入っています(人間にとっても良い成分ではありません)。
ですから、犬に生の大豆を食べさせるのは絶対にやめましょう。
ですが、熱を加えればトリプシンインヒビターは破壊され無毒化されるので、ご安心ください。
「豆の形」を残さないように!
加熱していても「豆の形」が残っている状態で犬に与えるのはNGです。
消化しきれずにお腹を壊してしまう恐れがあります。
また、小さな犬の場合は、大豆レベルの大きさでも窒息する可能性があります。
ですから、「茹でてペーストにする」のが無難です。
一口に「加熱」と言っても色々なやり方がありますが、犬に食べさせるのであれば茹でるのがおすすめです。柔らかくなりますしね。
「大豆の加工品」でもいいけれど……
納豆、きなこ、豆乳、豆腐などのいわゆる「大豆加工品」も犬に与えて構いません。
ただし、
- 砂糖入りのきなこ
- 成分調整済の豆乳
- タレを混ぜた大豆
など、「大豆以外の成分」が多く入っているものはNGです。
厳密に言えば「絶対にダメ!」というわけではないのですが、「大豆の他にはどんな成分が入っているのかな……」といちいち考えるのも大変ですからおすすめしません。
また、冷たいもの(豆腐や豆乳などでしょうか)は必ず温めてから犬に食べさせましょう。
加工されていますから先ほど紹介したトリプシンインヒビター関連については大丈夫ですが、「冷たいとお腹を壊す」というリスクがありますからね。
ドッグフードに混ぜるなら「きなこ」が楽です
「ドッグフードと別に与えるのではなく、一緒に大豆を食べさせたい」という場合は、ドッグフードにきなこをかけて与えるのがおすすめです。
これなら「なんとなく」食べてくれるでしょう。
(先ほどもお伝えしましたが、砂糖などが入っているきなこはNGです)
ただし、「きなこの量」だけ「ドッグフードの量」を減らすことをおすすめします。
「そんな細かいことは気にしなくても……」と感じるかもしれません。
ですが、「犬の体重の軽さ」を考えると無視できない話ですよね。
「身体が重い人間」の食事とは違います。
まとめ
大豆には犬にとって色々なメリットがあり、大きなデメリットはありません。ですから、積極的に犬に与えてもいい食材だと言えます。特にお年寄りのワンちゃんにはおすすめです。
「茹でてからペーストにする」「ドッグフードにきなこをかける」などの方法が飼い主さんにとっては楽なのではないでしょうか。