白く、ふわふわしたかわいい見た目の小型犬、マルチーズがかかりやすい病気や怪我、その治療法をご紹介します。
犬は人間と違い、歳をとるのが早いため病気の進みが早いです。
なるべく早めに気づいてあげられるようにブラッシングや耳掃除など、犬のケアをしてあげるようにしましょう。
なりやすい病気①僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症と呼ばれる心臓の弁がうまく動かず血流が逆に流れてしまう心臓病の一種です。
年をとるとかかりやすくなりますが、遺伝的に心臓が弱い場合は若いうちからも発症する事があります。
心臓病は症状が軽いとなかなか気づけず、見逃していまいがちです。
マルチーズはこの病気を発症する事が多く、シニアの入り口と呼ばれる7歳前後で発見される事が多くあります。
心臓病の症状とは
最初に確認されやすい症状としては「咳」です。
最初は何かつっかえたのかな?程度に思い見過ごしてしまいがちです。
犬は獣医学的には風邪をひかないので、風邪から発する咳はないと考えます。
どちらかというと、咳をし始めたときはもっと重症な病気を疑った方が良いでしょう。
心臓病が原因の咳をする時は喜んで急に走り出した時や、夜や朝などの時間帯に多くみられます。
また、元気がない、痩せてくるなどの症状を伴う事もありますので何か異変があるときは疑うようにしましょう。
また犬の咳には別の病気が潜んでいる事もあるので、咳が長引く場合は病院での受診をオススメします。
なりやすい病気②膝蓋骨脱臼
いわゆるパテラと呼ばれるものです。
何かしらのトラブルで膝のお皿がずれてしまい、うまく歩けない、足を地面につけられない(ケンケンしている)、散歩に行きたがらない、痛がるなどの症状が表れます。
パテラのグレードはレベル1から4に分かれます。
膝蓋骨脱臼:レベル1
日常生活に支障がないが、脱臼を起こしやすい状態です。
激しく運動した後に、足をかばうような動きを見せるため、気になって受診するパターンが多いでしょう。
まだ、すぐに何かが起きるわけではないので、固いアスファルトや、滑りやすい床で走らせないようにする、高い場所から飛び降りるなどの足に負担がかかる動きは制御するなどします。
この段階ではあまり気づかれる事もなく、生活に支障がないため、炎症を抑える薬を状況によっては使い、経過観察します。
膝蓋骨脱臼:レベル2
膝を曲げると脱臼してしまい、脱臼時には後ろ足を使ってちゃんと歩けない事があります。
足を後ろに伸ばし、なおす動きをしているので、一見不思議に映るでしょう。
まだ症状は軽いですが進行すると脱臼した途端歩けなくなってしまいます。
膝蓋骨脱臼:レベル3
脱臼した後、修復する事ができず、その場に座り込んでしまったり、足を浮かせたまま歩いたりと、日常生活に支障が出てきます。
頻繁に繰り返すようであれば外科手術を行います。
どこでも手術ができるわけではないので、紹介状を書いてもらう、など治療に少し時間がかかるでしょう。
膝蓋骨脱臼:レベル4
パテラの重症期の状態です。外れた関節を戻す事ができません。
歩けなくなってしまう可能性もあるので早急な対応が求められます。
パテラの手術については、全身麻酔になりますし、小型犬であればリスクを伴います。
痛みがなく、しょっちゅう外れて困る、という事でなければ保存治療を選ぶ先生もいますし、早いうちに手術をしておき、悪化させないようにする、と考える先生もいます。
手術をした後もリハビリが必要であったり、手術してもまた脱臼してしまう、手術をしなかったけど問題なかった、など意見はさまざまです。
メリットデメリットを理解し、飼い主が獣医としっかりと相談し、選択するようにしましょう。
なりやすい病気③目の病気(白内障・涙やけ)
白内障は水晶体が白くなり、目が見えなくなってしまう病気です。
シニア犬に多く、目が白く霞んできます。視力が弱くなってくるので、ドアにぶつかったり、つまづいたりする事が増えるかもしれません。
ですが犬はもともと目が弱く嗅覚で判断している事が多いので、犬自身はあまり気にしていない事がほとんどです。
シニア犬であれば、手術のリスクが高いので、手術は行わず点眼などで治療をする事が多いでしょう。
涙やけの原因とは
目の病気としてマルチーズに多いのが、涙やけです。
この涙やけには原因がたくさんあります。
- 目の周りの毛が眼球にあたり炎症を起こしている
- アレルギーを持っており、フードが合わない
涙管閉塞
涙管と呼ばれる涙が流れるための管が生まれつき詰まってしまっている事があります。
その場合、涙が外にあふれ、目の周りを汚し、涙やけとなるのです。
成長によって自然と治る事を待ちますが、あまりにひどい場合は病院で管を通す外科手術を行います。
なりやすい病気④外耳炎
マルチーズは垂れ耳なので、耳の中が蒸れやすく、炎症を起こす事があります。
特に夏場はジメジメしており、湿気が増すので何かをきっかけに発症してしまう事もあるでしょう。
仕切りに耳を掻いていたり、首や頭を振るなどの行動が増えた時は耳を見るようにしてください。
赤くなっていたり、耳垢が異常に多い、嫌な匂いがする場合は耳の病気を疑います。
カビや細菌が発生してしまっているので、点耳薬を使い、炎症を抑えます。
犬は痒みがあると、何度も足で掻いてしまい耳を傷つけてしまう事があります。場合によっては痒みがなくなるまで、エリザベスカラーなどを使用する事もあります。
まとめ
マルチーズは涙やけがとても起きやすい犬種ですが、原因は様々です。
気になる場合は、病院でアレルギーの検査をしてみましょう。
人間に抱っこされる事が好きなので、腕からの急な飛び降りなどには注意するようにしましょう。