犬の身体を眺めているとたまに「いぼ」が見つかる事があります。人間と同じで、全てのいぼが危険というわけではありませんが、リスクがある場合もあるので、良性か悪性かをある程度見分けられるようになっておきましょう。また、いぼができた時の自宅でのケア方法も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
犬の良性のいぼの見分け方や注意点
1:いぼの色について
赤色、黄色、白色のいぼは良性である可能性が高いです。
基本的に「パピローマウイルス」が良性のいぼの引き金です。
2:良性のいぼでも獣医に診せるべきケース
いぼの直径が1センチ以上になったら、悪性腫瘍の恐れがあります。
この場合は獣医さんに診せましょう。犬が痛がっているかどうかは無関係だと考えてください。
反対に直径が1センチに満たないのであれば、放置するだけでも治る可能性が高いです。
ただ、「人間の目分量による1センチ」は結構信用ならないので、きちんと定規などで測ることをおすすめします。
もちろん「0.9ミリなら大丈夫」「1.1センチなら絶対に悪性」とも言い切れませんけどね。
3:良性のいぼができやすいタイミングは?
良性のいぼは免疫能力がダウンしているタイミングに発生しやすいです。
ですから、
- 犬が風邪をひいている
- シニア犬
- 子犬
などの場合は良性のいぼができやすいです。
4:良性のいぼのお手入れ方法は?
良性のいぼとはいっても、犬が気にしているようなのであれば放置するべきではありません。以下のような対策を試してみてはいかがでしょうか。
・エリザベスカラーを使う
首にエリザベスカラーを装着すれば、犬がいぼを噛んだり舐めたりすることがなくなります。ただし、犬にとってストレスになるので、普段以上に生活環境を整えてあげてください。
・包帯を使う
エリザベスカラーを酷く嫌がるのであれば、包帯でも良いでしょう。
ただ、犬は包帯を外すことができるので注意してください。
正直なところ、できる限りエリザベスカラーをつけてあげたいところです。
5:ヒトへの感染に気をつけましょう
犬のいぼがヒトに感染する場合もあります。
ですから、いぼがあるときは犬とあまりスキンシップしない事をおすすめします。
ケージなどを使って、犬との距離をキープしましょう。
犬の悪性のいぼの見分け方や注意点
1:いぼの色について
犬のいぼの色が
- 赤黒
- 黒色
- 紫
の場合は、悪性(癌)かもしれません。
ただし、早急に治療すれば問題ない場合はほとんどですから、すぐに獣医さんに診せましょう。
ちなみに、いぼのサイズは関係ありません。
どんなに小さくても、危険な色をしているのであれば放置しないでくださいね。
2:悪性のいぼはどこに発生する?
犬のいぼはどこにでも発生する可能性がありますが、特に肌が弱い箇所や乾燥している場所にできやすいです。丁寧に確認してあげましょう。
3:悪性のいぼはどれくらいで治る?
悪性のいぼであってもレーザー等で当日中に完治する場合もあります。
そうでなければ、数週間~数か月ほどかかると考えてください。
どうしても早く治してあげたいのであれば、「レーザー治療はできますか?」と事前に聞いておくことをおすすめします。
4:悪性のいぼが発生したときは何をすべき?
率直に言って、一般の方にできる事はほぼ何もありません。
一刻も早く獣医さんに診せることが先決です。
ちなみに、その道のプロフェッショナルであっても、いぼが悪性なのか良性なのか100パーセント区別することはできません。「疑わしきは治療する」という形になりやすいです。
飼い主さんも、少しでも疑わしく感じたときは、迷わず動物病院を訪れましょう。
5:いぼを発生させないために
紫外線の影響でいぼが発生する可能性があります。
犬のお散歩は積極的にすべきですが、あまり長い時間日光を浴びせないようにしましょう。
また、特にビタミンEが不足しないようにしてください。
いぼを伴う犬の疾患
犬にいぼが発生しているときは、以下の疾患に見舞われている可能性があります。
(全て紹介できるわけではないのでご了承ください)
・扁平上皮癌
肌の「扁平上皮」が癌化する疾患です。股間、爪、口内、鼻腔などに発生しやすいです。
赤色で硬いしこりや、カリフラワーのようなしこりが生じる事が多いです。
ただし、しこりを伴わないケースもあります。
切除手術で対応するのが普通ですが、癌がエスカレートしていたり、犬が手術に耐えらない状態だったりするときは抗がん剤を使う事になります。
・肥満細胞腫
犬の肥満細胞腫は「見た目のタイプ」が多すぎるため、見ただけでは「どれくらい酷いか」や「どんな腫瘍なのか」が分からないケースが多いです。
癌が全身に転移して、食欲が低下したり、血液が入った吐瀉物を吐き出したりする事もないとは言い切れませんから、心配であればすぐに獣医さんに診せましょう。
外科手術で治すのが普通ですが、放射線治療や切除ができなかったり、全身に回っていたりする場合は、化学療法をする可能性もあります。
まとめ
犬のいぼの見分け方や、対処方法などを紹介しました。
「赤色、黄色、白色で直径1センチ以下」であれば良性である可能性が非常に高いです。
ただし、獣医さんでも「両性か悪性か」を見分けられないこともあるくらいですし、結局のところ「少しでも不安ならすぐに動物病院に行く」のが無難だと思います。