「犬用の服」には、体温調整のサポート、毛やフケの飛び散り防止、身体を掻く・舐めることの防止など、いくつかのメリットがあります。
ですが、実際に服を着せようとすると、嫌がる犬がほとんどです。犬にとって服は異物ですから当たり前ですよね。
そこで、今回は犬に服を着せるコツを紹介していきます。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
そもそも犬が服を嫌がるのは当たり前です
犬によって性格や気質が違いますから、程度の差はありますが「犬にとって、初めて身につける服は嫌なものである」という事に変わりはありません。
言うまでもありませんが、犬はそもそも服を着ません。
その犬に服を着せるというのは、人間に置き換えると「常にヘルメットをかぶって生活しろ」と命令されているようなものです。
ヘルメットの表現が本当に相応しいかどうかは分かりませんが、「犬にとって違和感が強い、嫌がることをしている」のは確かです。
しかし、そんな犬にもできる限りストレスを与えないようにしつつ、服を着せる方法があります。
1:子犬の頃から服を着せる
子犬は、成長するにつれて「自分」や「社会」について吸収していきます。
そのため子犬のうちから服を着せるようにしていれば、犬にとって「服を着るのが普通のこと」になるかもしれません。
全く嫌がることがないというわけではありませんが、子犬のうちに取り組んでおくに越したことはありません。
服には「犬の体温が下がらないようにする効果」も期待できますから、まだ幼い犬にはぴったりです。
(体温調整能力が衰えるシニア犬にも服はおすすめです)
方法2:服を着たらきちんと褒める
服を着ることができたら、思いきり褒めてあげましょう。
また、「服を着てから、散歩に行く(服を脱がせてから散歩に出発してもいいです)」ということをすると、「服を着たら、楽しい散歩に行ける」と学習し、服を着ることを嫌がることがなくなる可能性があります。
そうして、服を着る回数が多くなっていけば、「服を着ることが当然のこと」になるので、服を着たあとに必ずしも褒めたり散歩に行ったりしなくても良くなります。
方法3:サイズの合う服を着せる
人間なら少しくらいサイズの合わない服を着ても我慢できます。
ですが、犬に対してそれをすると強いストレスになり、服が視界に入っただけで逃げたり、吠えたりするようになる恐れがあります。
これらに該当する服は避けてください。
・袖が長すぎる
・素材が硬くて動きにくい
・重くて動きにくい(生地が厚い服に多いです)
・サイズが小さすぎる
・耳が覆われる服(フード付きなど)
特に耳が覆われることは犬にとって多大なストレスになるので、嫌がることでしょう。
また、ダックスフントなどの特徴的な体型の犬に着せる場合は、「ダックスフント用の服」を選ぶことをおすすめします。
方法4:最初は短時間だけ着せる
最初のうちは短時間だけ着用させましょう。
犬に服を着せることに成功したとしても、初めのうちは「なんだか嫌だな……」と思っている可能性が高いです。
ですから、慣れるまでは「家の中で数分」「散歩のときだけ」などにして、あまり時間が長くならないようにしましょう。
また、気温が高い日に服を着せていると、そもそも暑すぎて苦痛になる可能性があります。
犬に服を着せることのメリット
メリット1:体温調整をサポートしてくれる
先ほども言いましたが、服により犬が寒い思いをしなくて済む場合があります。
ただ、もちろんケースバイケースであり、自力で体温調整できる犬も多いので気を付けましょう。そういった犬に暖房の意味で服を着せても嫌がるだけです。
メリット2:フケや毛の飛び散り対策
室内で犬を飼っている人は実感していると思いますが、床にかなりの量の毛やフケが落ちますよね。
服を着ることでこのトラブルの対策ができますので、外出時に犬に服を着せてみてはいかがでしょうか。
メリット3:「掻く」ことの防止
犬は身体がかゆいと感じたら、掻いたり舐めたりします。
たまにそうするくらいであれば良いですが、クセになってしまうとそのまま皮膚病などを引き起こす恐れがあります。
また、何らかの手術後などに手術跡が気になって、掻いたり舐めたりする可能性もあります。
そこで役立つのが犬用の服というわけですね。
ただし、エリザベスカラーなどの専用のものも存在しますので、動物病院できちんと指示を仰ぎましょう。
嫌がる犬に服を着せるときの主な注意点
注意点1:服を清潔に保つ
服の内部には徐々にフケや抜け毛などの汚れが蓄積していきます。
ですから、たびたび服を洗濯しましょう。
「遅くてもイヤな臭いがするようになるまで」には洗わないと、せっかく服を着るようになっていたのに、嫌がるようになる恐れがあります。
注意点2:本当に嫌がるようであればやめる
中には「絶対に服は着ない!」という態度を示す犬もいます。
そういった場合は、犬に服を着せるのは諦めましょう。
服を着ないとしても、
- 外出前に身体の汚れを落とす
- 空調を使って犬の体温調整をサポートする
- エリザベスカラーを使う
など、できることは色々あります。
まとめ
嫌がる犬に服を着せる方法や、服を着せることのメリット、注意点などについて解説しました。服自体をきちんと選ぶ、ある程度清潔に保つ、最初は短時間だけ着せるなどの事に気を付けていれば犬がだんだんと服に慣れていく可能性が高いです。
ただし、どうしても着せなくてはならないものではありません。気楽に考えましょう。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima