ここでは柴犬の命名の由来、被毛のこと、性格、飼い方、運動面、病気のリスクなどについて、豆知識的な要素も含めて解説します。かなり飼育しやすい犬種ではありますが、注意点もいくつかあります。
また、近年某CMの影響などで知名度が上がってきている「豆柴(子豆柴)」と柴犬の違いに関してもお伝えしていきます。
そもそもなんで「柴犬」って言うの?
柴犬というネーミングの理由ですが、いまだに解明されていません。
ですが、以下の説が有力であることは確かです。
- 「小さい」というニュアンスの古語が関係している説
- 「柴草」をぬって獲物を狩るのが得意だから説
- 枯れた柴のような毛色だから説
どうでしょう。
どれもそれなりに説得力がありますよね。
柴犬の毛について
柴犬の被毛は「二重毛&針毛」です。
下毛は柔らかくまるでコットンのようであり密生しています。
ですが、上毛はストレートで硬いんですよね。
ブラッシングは7日に1~2度くらいのペースで行うことをおすすめします。
毛色しては、白、黒、ゴマ、茶、赤などの種類があります。
ちなみに、柴犬の尻尾の毛は「広がって、立っている」という感じなので、改めて尻尾を見ると「案外、尻尾の毛が多いんだなあ、ぶわっと広がっているなあ」と思えるかもしれません。
可愛いですからネットなどで柴犬の「写真」を見る人も多いでしょうが、「尻尾の写真」はあまり見ませんよね。
柴犬の歴史について
柴犬の祖先の犬だと考えられる犬の骨が、縄文時代の貝塚から確認されています。
その時期から、柴犬はペットとして扱われていたものと見られています。
平安時代くらいにはカモ猟や鷹狩りで役立っていましたし、近代になって狩猟で銃が活用されるようになってからも、キツネ狩りやウサギ狩りなどを中心に活動していました。
ただ、明治時代初期くらいからたくさんの外国犬が日本に入ってくるようになり、それまでの国内の柴犬との交配が行われて、「元々の柴犬らしさ」はだんだん目立たなくなっていったとされています。
そこで、1928年に「今までの柴犬の性質を残していこう」などの目的で、「日本犬保存会」が誕生しました。「日本犬標準」ができたのは1934年のことです。
そして柴犬は、1936年に日本の天然記念物認定を受けました。
その時期には、「山陰柴」「美濃柴」「信州柴」の3種の柴犬がいたのだとか。
でも実は、終戦後に柴犬は一度絶滅しそうになったんですよね。
戦争そのものが原因で柴犬がたくさん死んでしまいましたし、
「ジステンパー」という犬の感染症も大きな影響を与えました。
そこで、日本中の柴犬を集めて積極的に子を産ませるようになりました。
一般的に、この活動のことを「柴犬保存運動」と呼びます。
そのおかげで柴犬は今も生き残っているわけですが、どんどん交配をさせたせいか「山陰柴にはこういう特徴があって~」「美濃柴は~」などと言えるほどの、特徴が薄れることになりました。
そんな柴犬ですが、最近では国外でも人気になっています。
「東洋的な雰囲気のある犬種」というのが、最大の理由らしいですよ。
特に米国でのニーズは非常に高く、「家の中で飼いやすい犬種ランキング」のトップ層に位置しているそうです。
柴犬の性格は?
- 飼い主に対して非常に従順
- クールではありますが大胆さも
- 内面に秘める闘争本能もかなりのもの
- 無駄吠えが少ない犬種
飼い主に対して非常に従順です。
ですが、それは卑屈さからくるわけではなく、「この人に仕えよう」という強い意志からくるものだと見られています。
クールではありますが大胆さもあります。
また、独立心があるので、飼っているとたまに「我が道をいく感じだなあ」と思えることがあるかもしれません(それも柴犬の魅力だと思いますけどね)。
思わず頬が緩むくらいの可愛らしい見た目ではありますが、実は内面に秘める闘争本能もかなりのものです。また、感覚も敏感ですから番犬としてもしっかり働いてくれることでしょう。
しかも、無駄吠えが少ない犬種ですからとても飼いやすいです。
「吠えにくい」というのは小型犬にしては結構レアケースです。
柴犬に多い疾患
- 肌の病気
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼
- 中心性進行性網膜萎縮
柴犬を飼う場合は主に上記の疾患に気を付ける必要があります。
ただし、「柴犬だから発生する、柴犬だからリスクが高い」というわけではありません。
柴犬にはどれくらい運動をさせるべき?
エネルギッシュな犬種ですから、毎日しっかり散歩に連れていきましょう。
散歩もできるだけ長時間行いたいところですし、柴犬自身が「広いな!」と感じられそうなところでのびのび遊ばせることも大事です。
「柴犬」と「豆柴」の差は?
結論から言いますが、豆柴は柴犬の一部です。
「体重4~6キロ/体高30~40センチくらいの柴犬」のことを豆柴と呼んでいるだけです。
大きさとしては「チワワ」に近いですね。
さらに、「体重2~3キロ/体高24センチくらいの柴犬」を指して「子豆柴」と言う場合もあります。
ただ、「豆柴・子豆柴の定義」が厳密に存在するわけではないので、ブリーダー等の感覚に委ねられることになります。
ちなみに、豆芝も子豆柴も成長すると一般的な豆柴とそうそう変わらないサイズになる事も多いので覚えておきましょう。
あとは、「豆柴・子豆柴のほうが、普通の柴犬よりちょっと甘えん坊」だとされています。
まとめ
柴犬の歴史、特徴、性格、飼い方などを一気にお伝えしました。
縄文時代からは、柴犬(の先祖犬)と人間が既に関わっていたということで、驚かれた人もいるのではないでしょうか。
また、飼いやすい犬であることは確かですが、微妙にマイペースな部分もあるので、飼い主さんとしてはどっしり構えたいところです。