犬と一緒に生活をする際、指示語を教えることは大切なことです。
犬の安全のためには、出来るだけ早く教える必要があります。
犬に指示語を教える時に、一緒に教えてしまうと犬が混乱してしまうも、犬にとって紛らわしい、勘違いしてしまう指示語があります。
トレーニングをスムーズに行うためにも、同時に教えると犬が混乱する指示語を紹介します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
『お手』と『伏せ』
犬への指示との代表と言えば『お手』ではないでしょうか。
代表の『お手』と『伏せ』は、同時に教えないようにしましょう。
なぜなら、言葉のニュアンスが似ているからです。
犬のしつけハグでも『お手』『お替り』『伏せ』などの指示語を教えることがあります。
ジェスチャーを付けるとわかりやすいのですが、言葉だけだと混乱することがよくあります。
『お手』と『伏せ』は多くの方が教える指示語ですが、ほとんどの方が流れ作業で行っています。
ご飯の前に『お座り』→『お手』→『お替り』→『伏せ』→『よし』で、ご飯というパターンが多くみられます。
このような流れ作業で教えてしまうと、犬は指示に従っているのではなくご飯を貰うための行動になってしまいます。
ご飯目的になってしまう可能性が高いのでご注意ください。
ご飯前の指示語を言う場合には、いつも同じ順番にするのではなく、ランダムにすることで指示語が入りやすくなります。
『おいで』と『待て』
『おいで』と『待て』は、正反対の指示語です。
指示語が全く入っていない犬にとって、声を掛けられたら人の元へ行く、もしくは止まるように極端な行動に出てしまいます。
『まて』と言ってから『おいで』と呼び戻すようにすると、どちらも強化することが難しくなります。
一つずつ覚えさせて、強化していくとよいでしょう。
犬に学習させるためには、長い目で見る必要があります。
人間で例えるなら時間割のように、一日の中で区切っていくつものことを行うよりも、一点集中で覚えさせる方が効果的です。
『おすわり』の次の指示語を一定にする
少し専門的な話になりますが、『おすわり』や『すわれ』は必ず覚えさせていただきたい指示語の一つです。
例えば、『おすわり』の後に必ず『伏せ』をやらせてしまうと、『おすわり』の時点で次が伏せだと予測してしまい、『おすわり』と言うだけで伏せてしまうようになります。
更には『おすわり』の指示が通らなくなってしまいます。
『おすわり』の効力が弱まってしまうのです。
『おすわり』の次の指示語をいつも同じものにしてしまうことは、危険です。
予測して勝手に次の行動にさせないためには、『おすわり』の次に『まて』の指示をすることです。
まずは、座った状態で待たせるのです。
待たせた後に、次の指示をすることが有効です。
『おすわり』→『まて』『伏せ』のようにするとよいでしょう。
【番外編】英語指示と日本語指示は同時にやらない方がいい?!
犬のしつけハグでは、英語と日本語を混ぜて指示語を教えても問題ないとしています。
なぜなら、犬は単語そのものを覚えるので、どの言語で教えても問題ないのです。
何語で教えられても、紛らわしいと思ったりはしません。
家族内で、同じ行動でも人によって言語が異なるような指示はしないでください。
言語を統一すれば、英語での日本とでも混ざっていても問題ありません。
極端な話ですが『ハウス』の指示をかければ座るように教えることもできます。
本来の意味とは異なる行動でも、教えれば犬は覚えます。
犬が紛らわしいと感じるのは、言語よりも発音です。
まとめ
同時に教えてはいけない指示語を紹介しました。
『お手』と『伏せ』
お手と伏せは、言葉のニュアンスが似ているため、犬が勘違いしやすいです。
最初のうちは、ジェスチャーを交えて教えると理解しやすいです。
『おいで』と『待て』
『おいで』と『待て』は、全く違う指示語です。
同時に教えてしまうと、犬にはわかりにくく混乱しやすいです。
一つずつ教えてください。
まず1週間かけて『おいで』を教えて、修得したら『待て』を教えるようにしましょう。
他の指示語にも言えることですが、1つの指示語をしっかりと覚えてから次の言葉を教えるようにして下さい。
『おすわり』の次の指示語を一定にする
犬への指示語は『おすわり』を起点にかけることが多くなります。
しかし、次の指示語を固定してしまうと、『おすわり』の指示をかけても犬は次の指示語をやってしまうようになります。
例えば『おすわり』の次にいつも『伏せ』をさせていると『おすわり』の指示で『伏せ』をするようになってしまうのです。
このやり方だと『おすわり』の指示がかからなくなってしまいます。
必ず『おすわり』の指示をかけたら座らせて少し待つようにしてください。
まずはお座りの状態で少し待てるようにしてから、次の指示語をかけることで『おすわり』の指示を強化できます。
犬の飼い主さんの中には思い当たる方もいると思いますが、ご飯前に流れ作業で指示語をかけていると、犬は最初の指示語をかけただけで色んなことをします。
例えば、『おすわり』の指示語をかけるだけでお手、お替り、伏せまでやってしまうのです。
犬はご飯が欲しいので、指示に従うというよりも催促している状態になってしまいます。
このような状態だと、いざという時に指示に従わなくなってしまいます。
【番外編】英語指示と日本語指示は同時にやらない方がいい?
犬は言語として覚えているわけではないので、混ぜて教えても問題ありません。
ただし、同じ意味でも人によってかける指示語が異なると犬は混乱してしまうので、統一してください。