クレートトレーニングは、方法を間違えてしまうとなかなか入らなくなってしまうことがあります。
正しい方法でトレーニングを行えば、クレートの中は犬にとって落ち着く快適な空間になります。
柴犬の性格に合ったクレートトレーニングの方法を、犬のしつけのプロが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
クレートについて
クレートトレーニングがしっかりと出来ていると「ハウス」の指示がなくても、クレートの扉を開けるだけで、犬が自らクレートの中に入るようになります。
実際に、犬のしつけハグをご利用いただきクレートトレーニングが完了した犬は、クレートの扉を開けるとクレートの中に自分で入ります。
なぜなら、クレートの中は休むことができる居心地の良い空間になるからです。
犬の飼い主さんの中には、クレートに対してあまりよくないイメージをお持ちの方がいらっしゃいます。
「狭い空間に閉じ込めてしまってかわいそう」と思われがちです。
しかし、実際にクレートの中に犬を入れてみるとリラックスしてくれます。
更に、犬の警戒心をなくすことができます。
犬にとってクレートは、とてもよい場所なのです。
また、オンとオフをはっきりさせることができます。
クレートの中では大人しくしている、クレートの外では一緒に遊ぶという感じです。
オンとオフの使い分けができると、犬も楽です。
クレートトレーニングのポイント
クレートに無理矢理入れない
クレートトレーニングは無理矢理行うことは厳禁です。
例えば、飼い主さんが犬を無理矢理クレートの中に押し込めて扉を閉めるような行為は辞めましょう。
無理矢理押し込めてしまうと、犬はどうやったらクレートに押し込められないようになるのか?どうやったら出られるのか?を考えるようになります。
クレートの中で騒ぐ、クレートを破壊する、抱っこされたら噛みつく、威嚇するなどの問題行動に出てしまう可能性があります。
いきなりクレートの中に10時間程度の長い時間入れっぱなしにするようなことも決してしないでください。
最初に長時間クレートの中に入れてしまうと、犬は入ったら終わりだと勘違いしてしまいます。
クレートに対するイメージを良くする
クレートトレーニングを成功させるためのポイントとして、クレートに対するイメージを良くすることが挙げられます。
早速、クレートに対するイメージを良くする方法をご紹介します。
最初は、短時間クレートの中に入っていることから始めましょう。
5~10分程度の時間だけクレートの中に入れてください。
その時、必ず人が見ていてください。
クレートの中には、犬が自発的に入るようになって欲しいです。
クレートの扉を開けておくと、犬が自ら入ることはできます。
なぜなら、犬は狭い空間が好きだからです。
しかし、いざ扉を閉めてしまうと嫌がるケースが多くみられます。
犬が勝手にクレートに入るのではなく、人の「ハウス」の指示によって入るようにトレーニングをする必要があります。
クレートの中に入ったら、いいことがあると教えましょう。
おやつを使うというのも一つの方法です。
ハウスの指示でクレートの中に入ったら、褒めてあげてください。
一日5分から10分程度、クレートに入ったら褒めてすぐに出してあげるというトレーニングを毎日続けてください。
徐々に犬が自分からクレートの中に入るようになっていきます。
ハウスの指示でクレートの中に入ると、その中で大人しくしていることが増えて行きます。
犬がクレートの中に入るということに興味を持つきっかけになります。
クレートに入りやすくする
犬の首輪にリードを付けた状態で、クレートの中に近づけてあげます。
もし、犬がクレートの中に入って行かないようだったら、扉を外してあげましょう。
少し難しいかもしれませんが、クレートの上の部分も外してあげると入りやすくなります。
最初は暮らすチックのいたに乗るところからのスタートでOKです。
「ハウス」の指示でクレートの中に入ったら褒めてあげる。
「おいで」の指示でクレートの外に出たら褒めてあげる。
この行動を何度もくりかえしてください。
その時、クレートの中に入って少し留まる事ができてから褒めてあげてください。
入っただけで褒めてしまうと、すぐに出てきてしまう可能性があるからです。
次にクレートの中に入って留まることができたら褒めてあげて、「マテ」の指示で中で待たせるようにしてください。
「ハウス」の指示をする時には、指でクレートを指さすとよりわかりやすくなります。
「ハウス」「おいで」の指示を繰り返している時、「ハウス」と「おいで」のどちらの指示に従いやすいのかを見て下さい。
どちらか苦手な方の指示を強化してあげてください。
苦手な方の指示をこなせたら、沢山褒めてあげましょう。
クレートトレーニングを始めた手の時には、中に入った時により多く褒めてあげてください。
犬は、クレートの中に入りたいと思う気持ちが強くなります。
褒めに強弱をつけると犬をコントロールしやすくなります。
柴犬のクレートトレーニング
柴犬の性格は、臆病で頑固で神経質です。
あまり人の命令に従うことは好きではなく、我を通したい性格の犬が多いです。
臆病な性格なので、叱ると反抗してしまうこともあります。
洋犬と比較すると気性は荒めです。
トレーニングやお手入れは難しいということを覚えておいていただきたいと思います。
柴犬は特に、犬が納得できるようにしつけを行う必要があります。
叱るよりも褒めておだててあげると良いでしょう。
柴犬のトレーニングでの注意点
柴犬は触られることがあまり得意ではありません。
人は褒めているつもりで撫でてあげても、犬にとっては不快である場合があります。
褒めているつもりが拘束になっていることもあります。
見分けるポイントをご紹介します。
「おいで」の指示で犬が来た時、人に身を寄せている場合は触ってアピールです。
逆に人から少し離れた場所にいる場合は、あまり触って欲しくないとお考えください。
人としては褒めたい気持ちがあっても、犬に伝わっていなければ意味はありません。
柴犬の場合は、1~2秒程度撫でてあげるのは適正です。
まとめ
柴犬のクレートトレーニングの方法をご紹介しました。
柴犬は神経質で頑固で臆病な性格です。
強勢的にトレーニングを行うことは、おすすめできません。
出来たことを褒めてあげて、少しずつトレーニングを行うことをおすすめします。
叱りながらトレーニングを行うと反抗されてしまうので、効率がよくありません。
いきなり8時間、10時間とクレートの中に閉じ込めてしまうようなことは絶対にしないでください。
最初から長時間クレートの中に入れてしまうと、クレートに対して悪いイメ―ジを持ってしまう可能性が高いからです。
まずは1~5分程度の短い時間から初めて、徐々に長くしていってください。
「ハウス」の指示で自発的にクレートの中に入るように促していきましょう。
中に入って留まる事ができたら褒めてあげる、「おいで」の指示で外に出てきたら褒めてあげるということを繰り返し行います。
犬のしつけハグでは、指示に従うことが出来たら褒めてあげることを推奨していますが、おやつなどのご褒美をあげることも有効です。
褒めることにも強弱をつけると、より効果的です。
クレートの中に入る事、クレートの外に出る事のどちらか苦手なことができた時、褒めを強くしてあげるとよいでしょう。
クレートは犬にとって居心地のよい場所になるので、時間をかけて根気よくトレーニングを行いましょう。