「犬を飼うということ」というテーマで、全8回にわたって紹介します。
5回目は「時間と労力」について、説明致します。
犬を飼うためには、多くの時間と労力が必要です。
犬は迎え入れるだけで何もせずに一緒に楽しく生活が出来るとお考えの方は、少し驚くかもしれません。
犬と生活するための時間と労力について、犬のしつけ専門家が解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
犬のお世話にかかる3つの項目
しつけ
ドッグトレーナーを行う上で、しつけに関しては時間と労力が必要だと感じています。
猫と比較してみましょう。
猫を飼う上で、しつけは必要ないと言われています。
猫は普段はケージの中で生活をしてフリーの時間は表で自由に行動をするというケースが多いでしょう。
トイレも自分から決められた場所でするため、気ままな生活をしているケースがほとんどです。
しかし、犬にはトイレトレーニングなどのしつけが必要です。
トイレ
犬はトイレのしつけに時間がかかることが多いです。
トイレが決められた場所で出来るようになると、フリーで飼う方が多くなります。
犬は子犬の時期に時間をかけてしっかりとしつけを行わなければなりません。
一度しつけをきちんと行い、維持することが理想的です。
月齢が低い時期の方が犬の吸収も早く、教える時間と労力が少なくて済みます。
月齢が上がってから新しいことを教えることは、犬にとっても負担になります。
ストレスを感じてしまうため、月齢が低いうちに決まった生活習慣を身に着けることで負担も軽減できます。
運動
犬は、運動不足の解消をしなければなりません。
犬の運動のためにお散歩をする方が多いでしょう。
お散歩は、量よりも質が大事です。
長い時間行うよりも、どのような運動をするのかが重要です。
歩くのか?走るのか?という違いだけでも、運動の質は変わってきます。
犬の性格に合わせて運動量や内容を変える必要があります。
大型犬やスポーツドッグなどに関しては、飼い主さんが犬の運動意欲を満たすことは出来ないとお考えください。
日中仕事をしているという方は、朝晩の仕事前後の時間で犬の運動欲を満たすことは大変困難です。
お散歩だけでは運動不足の解消にはなっていない可能性が高いでしょう。
お散歩は気分転換やリフレッシュになっている犬が多いのではないかと思います。
お散歩は、排せつの時間になっている犬も多いでしょう。
人間の自己満足とも言えるかもしれません。
初めてドッグランなど犬をおもいきり運動させてあげられる場所に行くと、犬の運動量に驚かれる飼い主さんは少なくありません。
チワワやプードルなどの小型犬で、普段は家の中で寝ていることが多い犬でも、1時間ずっと走り回っていてびっくりされる方は多いです。
普段のお散歩で運動不足を解消することは難しいでしょう。
お散歩は時間よりも、質が大切です。
1時間お散歩するよりも、芝生や土の上でロングリードでおもちゃ遊びを10分させてあげる方が、犬の満足感が高いでしょう。
犬が走りたいのか?飼い主さんと一緒に気分転換を兼ねてゆっくり1時間歩きたいのか?犬によって要求も異なります。
お散歩に関しては、運動不足の解消というよりは気分転換やリフレッシュを目的として行いましょう。
時間よりも質が大切です。
無理にお散歩に連れて行くことで足間接を痛めてしまったり、足の裏を傷つけたりケガをすることもあるので、ご注意ください。
犬のお手入れ
ブラッシングや歯磨きなど、お手入れをする必要があります。
毛が抜けるため、ブラッシングをしなければなりません。
4日くらい経過すると歯石になるため、歯磨きは毎日してあげなければなりません。
耳掃除や目やにの除去などお手入れ項目が沢山あるため、大変です。
犬を飼うには、かなりの労力がかかります。
トイプードルやチワワなどの可愛らしい小型犬は、毎日のブラッシングは必須です。
プードルは毛が抜けにくい犬種ですが、毎日ブラッシングをしなければ毛玉になってしまいます。
毛が抜けにくい犬種としてはヨークシャーテイアやマルチーズなども毛玉になりやすいです。
ブラッシングを怠ると、皮膚に炎症を起こす可能性があります。
歯磨きは、どんな犬種でも必須のお手入れ項目です。
爪切り、耳掃除、肛門絞りなどは、1ヶ月に1度程度病院にお願いするという方もいらっしゃいます。
犬のしつけハグでは、お手入れ項目の中で、自宅で飼い主さんができる物に関しては、お教えしています。
柴犬、フレンチブルドック、パグなどのカットが必要ない犬種に関しては、自宅でケアをすることでコストの削減やコミュニケーションの一つにもなります。
まとめ
トイレ、散歩など犬を飼うためにはとても労力がかかります。
しつけを行うためには、長い時間を要するものもあるため、必ず飼い主さんの生活に影響を及ぼします。
愛犬の身を守ることや、ご近所トラブルなどを防ぐためにも、犬には絶対にしつけをする必要があります。
単純にかわいがるだけではなく、悪いことをした時には悪いことだと教えてあげ、良いことをした時には褒めて維持しなければなりません。
トイレが出来ているからといって褒めなければ決められた場所で出来なくなってしまいます。
犬の行動の強化と維持には褒めることが必要です。
一生褒め続けなければなりません。
犬が安全に生活するため、身を守るためにはしつけが絶対に必要なのです。