犬の噛み癖とトイレトレーニングについては、飼い主さんのお困りごとの上位常連の問題です。今回のご相談者さんの愛犬は生後3ヵ月の子犬です。噛み癖もトイレトレーニングも月齢に合った方法で教えることが大切です。子犬の噛み癖とトイレトレーニングの方法について、犬のしつけ専門家が詳しくご紹介します。
記事:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
LINE無料相談への相談内容
犬種:マルチーズとプードルのミックス
月齢:3ヵ月
【相談内容】
- 家に来て2日です。構って欲しいのか、大口を開けて噛みます。
- トイレトレーニングを始めたい
子犬の噛み癖について
愛情表現と感情表現
ご相談者さんの犬は月齢が3ヵ月とまだ若いので、「飼い主様への愛情表現」「遊んで欲しい、構って欲しいという感情表現」が口で出てしまっているのだと思います。
迎え入れてまだ2日なので、飼い主さんを試している段階だと思います。
「好き!好き!」という感情を、噛むという行為で表しているのです。
拒絶するのではなく、注意から始めて見てください。
歯が痒い
もう一つ、歯が痒くてやっている可能性もあります。
歯の痒さを抑えるためには、シカ角などの天然素材のものを与えて、噛みたい要求を満たしてあげましょう。
遊ぶ時にも、人が噛ませるための物を持ってそれを追わせるのではなく、触れ合い遊びをすることをおすすめします。
噛む時間と噛まない時間をわける事がおすすめです。
どこで犬の噛みたい欲求を満たすのかが重要です。
「噛む」という行為を全て辞めさせてしまうと、犬にストレスが溜まってしまいます。
犬の噛みたい欲求は満たしてあげて、人のことは噛まないように教えてあげましょう。
もう少し月齢が上がると「試し噛み」をする可能性が出てきます。
試し噛みとは、人を試すような行為の噛み方のことです。
試し噛みに関しては、やめさせるように注意してください。
現段階では「好き好き噛み」「じゃれ噛み」「甘噛み」が混ざっている、無邪気な子犬の噛み癖です。
そのため、完全に拒絶するのではなく注意程度に留めておいても問題はないでしょう。
もう少し月齢が上がってきたら、遊びの一環として噛むようになった場合には辞めさせなければなりません。
噛み癖に関しては、このまま様子を見て頂きたいと思います。
子犬のトイレトレーニングについて
ご相談者さんの犬の月齢はまだ3ヵ月なので、8~10時間程度飼い主さんが家を空けることが無いと願いたいのですが、長時間お留守番をしなければならないケースもあるでしょう。
飼い主さんが家を空ける時には、トイレと寝床を半分に分けたケージでの管理をすることになります。
犬のしつけハグではクレートでの管理をおすすめしていますが、その場合長時間トイレの我慢をさせることになります。
しかし、3ヵ月の子犬に8時間程度のトイレの我慢をさせることは、難しいでしょう。
現段階では、犬が排せつをしたい時にはすぐにトイレに行くことができ、いつでも寝床にいける環境でお留守番をさせて欲しいと思います。
安全第一なので、犬が逃げないような工夫もしていただきたいと思います。
家の中で安全にお留守番をするためには、ケージでの管理をしていただきたいと思います。
トイレトレーニングに関しては、ケージの中のトイレとフリーのトイレは別で教えて頂きたいと思います。
犬にとってケージは「閉じ込められる場所」という認識がつきやすい場所です。
犬をケージの中に入れていれば、トイレの成功率は高いと言えます。
しかし、ケージの外に出してしまうと「閉じ込められる場所」であるケージの中には、なかなか入ってくれなくなります。
そのため、ケージの中のトイレは有って無いようなものとお考えください。
フリー時のトイレは、ケージの中ではなく一箇所決めた場所に作ってください。
ケージの中のトイレとは別に、外用のトイレを準備してください。
トイレトレーニングを始める際には、最初に愛犬のトイレ日記をつけてください。
1~2週間程度、犬のトイレの回数、頻度、シチュエーションを記入しましょう。
トイレ日記を元に、犬が排せつをするタイミングでトイレに促すことで、失敗が少なくなります。
ケージから出した直後は排せつをする可能性が高いと言えます。
ケージから出してから5分程度は、犬から目を離さないようにしてください。
臭い嗅ぎをしたり落ち着かない様子が見えたら、トイレに促しましょう。
排せつを済ませたら、外で遊んであげるとトイレの失敗の心配なく遊ぶことができます。
犬が自分の足でトイレに行くように、人が導線を教えてあげてください。
- 「トイレ」の指示語が通るようにする
- リードを付けておき、合図をして誘導する
などの方法があります。
犬がよく排せつをする場所にシートを敷くことは、NGです。
犬がよく排せつをする理由は、その場所をトイレであると認識しているということではないからです。
人が決めた場所にトイレを設置して、犬を促してください。
生後3ヵ月の子犬は、トイレの回数が多い段階です。
こまめにトイレに促してあげましょう。
月齢が上がると、排せつの頻度が減っていくためトイレに促す回数も徐々に減っていきます。
トイレトレーニングでは「失敗をさせないこと」が重要です。
「失敗をさせないこと!」これに尽きます。
トイレを成功させて、沢山褒めてあげてください。
まとめ
噛み癖について
月齢が3ヵ月の子犬の噛み癖は、愛情表現の一環なので拒絶するのではなく、軽く注意してあげましょう。
3ヵ月の段階でしっかりと叱ると人に対する不信感を覚えたり、変な気遣いをするようになる可能性があります。
月齢が上がると叱らなければならないシチュエーションが出てくるので、軽く注意をする程度に留めておいて十分です。
どうしても噛みたいという要求はあるので、1つ噛んでもいいものを用意して噛ませてあげる時間を設けてあげてください。
噛んでもいい物は、おもちゃよりも食べられるものがおすすめです。
洋服などを噛んではいけないという認識は、3ヵ月の子犬でもつけることができます。
強く叱ることはせずに、上手に犬の噛みたいという欲求は満たしてあげましょう。
トイレトレーニングについて
月齢がまだ3ヵ月なので、100%トイレの場所を認識しているということはないでしょう。
現段階では、ケージの中で管理していただいて問題はないと思います。
トイレは失敗をさせずに成功へ導いて褒めるようにしましょう。
ケージの外に出している時も人がトイレへ促して、成功したことを沢山ほめてあげてください。
犬が排せつをしそうなタイミングでトイレへ促して欲しいので、犬のトイレサイクルを知るために、トイレ日記を付けることからはじめてください。
トイレ日記には、排せつの頻度や回数を記録することはもちろんですが、排せつのシチュエーションも記録してください。
- ご飯を食べた後
- ご飯を食べる前
- 運動をした後
などを挙げることができます。
犬が排せつをするタイミングで促して、確実に成功に導いてください。
一日の中での失敗は1~2回程度になってくれば、トレーニングがいい方向に進んでいるとお考えください。
犬が排せつをした場所にシートを敷くことはNGです。