食事中に自分のエサを取られまいとして、犬が威嚇をするという行動に出ることがあります。
ご相談者さんも、食事中にうなって威嚇をする行為をやめさせたいという内容です。
噛むという行動は、飼い主様や他人にケガをさせる可能性があるため、すぐに辞めさせたい行為です。
犬のしつけ専門家が、犬の威嚇行為の完全方法を解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
LINE無料相談への相談内容
犬種:フレンチブルドッグ 年齢:1歳8ヵ月
【相談内容】
食事中にいつも「ウー」とうなって威嚇します。
エサを食べることもなく、エサを取られると思って守っているような感じがします。
おもちゃを渡した時はもっとひどく、凶暴になって威嚇してきます。
噛まれてケガをしたこともあります。
近づくことができない状態です。
子どもの頃は全くなかったことで、ここ2.3ヵ月のことです。
きっかけらしいきっかかは思いあたりません。(但し、食べてはいけないものを取り上げたことはあります。)
どんな時も「ウー」と威嚇しないような犬になってほしいと思っています。
どうすればいいでしょうか?
犬が威嚇をする原因
1歳8ヵ月の威嚇行為をやめさせたいというご相談です。
なぜ犬が威嚇をするのかというと、自分のものだと強く認識してしまったものができたとき、それを取られないためにはどうすればいいのかと考えた時に取る行動が「吠える」「威嚇する」「噛む」だからです。
基本的に口が出てしまうのです。
このような行動が出てしまう原因は、食器を与えっぱなしにしたり、おもちゃを与えっぱなしにしたり、ご飯を食べている途中なのに取り上げてしまったりなどが挙げられます。
多頭飼いの時に、片方は食べ終わっていてもう片方はまだ食べている途中のときに、食べ終わった方がまだ食べている方のご飯を食べにくるなどの行動に出てしまうと、自分のご飯は自分のペースで食べたいので、取られないための行動をします。
今は一頭飼いなので人に対しての威嚇行為ということは、自分のものだという意識が強くなってしまっていることが予測できます。
威嚇行為の改善方法
威嚇させない環境づくり
犬の威嚇行為の改善方法としては、犬が取られたくないものを守らなくてもいい環境を作ってあげる必要があります。
そもそも犬が所有している物はこの世にはないと教えてあげなければなりません。
おもちゃを与えっぱなしにすることは、基本的にNGです。
ふいにティッシュを落としてしまった時、子どものおもちゃのブロックを落としてしまった時などに犬が取ってしまい、取り上げようとしたら噛まれてしまったというケースは多々あります。
犬をケージの外に出すときには、犬が口に入れそうなものはあらかじめ片付けておいてください。
指示語を教える
おもちゃ遊びのときなどに使える指示語、「出せ」を覚えさせましょう。
何があっても「出せ」の指示語で出させることはもちろんですが、普段から「スワレ」「マテ」「オイデ」などの指示語の徹底をしておいて欲しいと思います。
指示語を徹底させることは、非常時への備えにもなります。
威嚇をするのが、食事中に限定されるのであれば、食器を出すときから気を付けてください。
ご飯は人のもので、人が与えてくれているのだということを犬に伝えていただきたいと思います。
食事のときの流れを説明します。
- 「スワレ」「マテ」の指示をかける。
- 食事を置きます。
- 犬と目を合わせて、この人から食事をもらうということを認識させます。
- 「ヨシ」の指示で食事を与えます。
ご飯を食べた後の空の食器を守る子は、かなり多くみられます。
ごまかしながら食器を取ろうとすることは、逆効果です。
食器を下げますという合図を送ってください。
「マテ」の指示を出してから、食器を下げます。
犬には室内であってもリードを付けておいてください。
片手にリードを持ち、マテの指示を出してから食器を下げる練習をします。表でフリーな状態で犬にご飯をあげてしまうと、犬に近づかなくなってしまいます。
ご飯をあげる時はケージやサークルの中などの囲いの中で、食事を上げる練習をしましょう。
食事の回数が一日2回の場合は、1回に挙げる食事の量を減らして回数を増やすことで、一日に練習をする回数を増やすことができます。
犬の警戒の解消と指示語の徹底を両立して練習しましょう。
威嚇の解消に叱るはNG
叱って改善しようとする方もいらっしゃいます。
叱ることは、あまり効果がなくさらに守る行動に出てしまうこともあります。
威嚇するという行動がエスカレートする可能性があるので、おすすめできません。
中には叱ることで改善される犬もいますが、指示語で教えてあげた方が効果的です。
ご相談者さんの愛犬はまだ1歳8ヵ月なので、まだ間にあう段階なのではないかと推測できます。
もし行動がひどい場合には、近隣のドッグトレーナーにご相談いただいた方がいいと思います。
やり方を間違えてしまうと、噛まれてケガをする恐れがあるので、注意が必要です。
犬にはあまり「噛む」という経験をさせたくありません。
対応は慎重にしていただきたいと思います。
まとめ
本気噛みはお互いによくないので、まずはプロのトレーナーに相談してください。
飼い主様がご自分で対応する場合には、普段からコミュニケーションをとり、必要な指示語を覚えさせましょう。
愛犬が勘違いをしないように、人がお皿やおもちゃの管理を徹底する
愛犬がご飯を落ち着いて食べられる環境を用意しましょう。
叱ると逆効果になることがあるため、ご注意ください。
食器やおもちゃの与えっぱなしなど、何かを自分のものだと勘違いさせてしまうような環境においてしまうと、自分のものを取られまいという行動に出やすくなります。
犬の執着が強くならないように、環境作りをしてください。
現在ご飯をあげる場所が人の行き来がある場所の場合、人が動くたびに警戒しなければならなくなっています。
そうなると、ご飯が進まなくなってしまいます。
犬のしつけハグでは、ご飯はサークルの中であげています。
サークルのような囲いがあるものの中であげていただいて、人が近づいても犬が人に近づけないようにしてください。
食器の上げ下げの練習も行いましょう。
食器を下げられても、また新しい物が出てくるという認識がつけば、食器を下げられることに対しての抵抗がなくなります。
叱って止めさせることは、逆効果になることが多いのでおすすめできません。
叱られると思うと襲い掛かってきたり、威嚇するなどの行動が出てしまい気性が荒くなってしまいます。
叱りが必要になったり、飼い主様の手に負えなくなってしまったら、プロに愛犬の様子を見てもらってアドバイスをもらうことが確実なのかなと思います。
本気が噛みになっている場合には、飼い主さんやドッグトレーナーもケガをする恐れがあるため、対応は早急に行いましょう。