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犬アレルギー発症の原因と検査方法

犬アレルギー発症の原因と検査方法

犬が大好きな方でも犬アレルギーで、くしゃみや咳が酷く日常生活が辛くて、ワンちゃんを飼うことが困難な方も沢山いるかと思います。

犬アレルギーは、何年も犬と生活をしていて異常がなかったとしても、発症する恐れのあるアレルギーの一種です。
残念ながら発症する可能性は、誰しもゼロではありません。

そこで、今回は、犬アレルギーを発症の原因と検査方法と、アレルギー症状になっても一緒に暮らしていくための対策を合わせてご紹介します。

犬のアレルギー発症の原因と検査方法

アレルギー発症の原因とは?

  1. 先天的因子
  2. 後天的因子
  3. 環境因子

先天的因子

生まれつきにそうであること、いわゆる遺伝のことです。
アレルギーそのものが遺伝するというのではなく、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)を受け継ぐと考えられています。

必ずしも同じアレルギーを発症するとは限らず、たとえば、父親がアレルギー性鼻炎、子供がアトピー性皮膚炎ということも多く見られます。

アレルギーが子どもに遺伝する確立は両親共にアレルギーの場合で50%です。

後天的因子

ダニ、ハウスダスト(室内塵)、食べ物、カビなどのアレルギー性のもの以外に、生活スタイルや食生活、ストレス、乾燥、洗剤などの化学的刺激など非アレルギー性のものなどがあり、免疫力の低下によりアレルギー症状が発症します。

環境因子

アレルゲンの量に関わりがあり、アレルゲンとの接触時間が長いと発症しやすい傾向にあります。

犬が体内で発するアレルギー物質
└皮脂、毛、フケ、唾液
その犬が存在する「空間」に人がいる

実際には、多くの要因が複雑にからみ合っています。
犬を飼っている方が犬アレルギーになる場合としては環境因子が一番大きいといえますよ。

犬アレルギーの原因であるアレルゲンはCan f1からCan f7までの7種類

犬アレルギーは、犬が持つアレルギーの原因となる物質「アレルゲン(抗原)」が、人間の体内に入ると起きます。その犬が存在する「空間」に居ることによって、体に侵入するということです。

どの物質でアレルギー反応が現れるかは人によって様々です。

免疫細胞が、身体に侵入したアレルゲンを排除するために過剰に反応して、アレルギー反応が起こります。
触ってなくても「同じ空間」にいるだけで発症する人もいます。

犬のアレルゲンCanis familiaris allergen 7種
Can f1 Can f1(canis familiaris allergen 1)は、皮脂腺から分泌されるリポカリン(lipocalin)という物質から構成されています。犬アレルギーの52%がこの物質に対して抗体を持っていて、被毛やフケ、唾液中に多く存在しています。非常に小さくホコリなどの微粒子に付着し空気中を漂うため、簡単に拡散してしまいます。
Can f2 Can f2も、Can f1と同じリポカリンという物質から構成されています。Can f2に反応を示す人の多くは、ネコ(Fel d4)、ウマ(Equ c1)、ウシ(Bos d2、Bos d5)、ラットの(Rat n 1)、マウスの(Mus m 1)、ゴキブリの(Bla g 4)などにも反応します。
Can f3 Can f3は、アルブミン(albumin)という物質から構成されています。この物質は血清中に多く含まれています。猫アレルギー反応を示す人のうち、概ね44%は犬のアルブミンにも反応を示したというデータがあります。
Can f4 Can f4は、脂質輸送タンパクという物質から構成されています。犬のフケに多く含まれる物質で、犬アレルギーの反応を示す人の35%がこの物質IgE抗体に反応します。
Can f5 Canf5は、アルギニンエステラーゼ(Arginine Esterase)という物質から構成されています。この物質はおもに尿中に多く含まれ前立腺に含まれる「カリクレイン」と同じ構造をしています。
Can f6 Can f6は、Can f1やCan f2とは別のリポカリンという物質から構成されています。
Can f7 Can f7は、タンパク質から構成された細胞小器官「リソソーム」に含まれるNPC2という物質から構成されています。アレルギー患者の血清陽性率はおよそ10~20%です。

参考サイト
Environmental assessment and exposure control
イヌの主要なアレルゲンであるCan f 1およびCan f 2は、唾液リポカリンタンパク質です:組換え型のクローニングおよび免疫学的特性。

心配でしたらアレルギー検査しましょう!

初めて犬を迎える場合、アレルギー検査を行いアレルギーの有無を調べる事おすすめ致します。

Dog-HAGU

犬アレルギーと感じて検査してみたら、犬の毛についているゴミや花粉、ハウスダストなどが原因で発症していたというケースもあります。

犬の毛に付着したフケ、ホコリなどが原因の場合、愛犬のお手入れ、お部屋の掃除で対処できますね。

アレルギー症状が見られたら何科に通ったらいいでしょう?

それぞれ対応できる診療科に行きます。

  1. 皮膚科→発疹や赤みが見られるとき
  2. 耳鼻咽喉科→くしゃみや咳、喉の痛み
  3. 内科→腹痛や下痢などの症状

症状が様々で何科に行けばいいのかわからない場合

アレルギー症状に専門的に対応する総合病院やアレルギークリニックなのどアレルギー科がオススメです。

アレルギーとは本来、様々な因果関係により発症しますので、アレルギー科であれば、それぞれのアレルギー症状に専門的に対応してくれます

犬アレルギーの検査方法や費用は?

犬アレルギーの検査は、耳鼻科・皮膚科・内科・アレルギー科などでできます。
検査には事前に予約が必要な場合があります。

  1. 皮膚テスト
    └ブリックテスト(スクラッチテスト)
    └パッチテスト
    └皮内テスト
  2. 血液検査
  3. 原因物質除去試験、負荷試験

皮膚テスト

プリックテスト(スクラッチテスト)

即時型アレルギーに対する検査として、その安全性や有用性、簡便さから本邦や欧米で推奨されている検査法です。
スクラッチ針と言われる特殊な針で皮膚を引っかいて、出血しない程度の穴をあけそこにアレルギーの原因とされる物質のエキスを少量皮膚に入れ、出現した膨疹径を測定します。15〜20分ほど待ち反応をみます

アレルギーがあるものには赤くなったり、かゆくなる、肌に虫刺されのような膨らみができるなどの反応が見られます。そのふくらみの大きさが5ミリ以上になると陽性と判断されます。

短い時間ですみ、痛みもほとんどなく安全性が高い検査ですが、特定のアレルギー反応以外にも反応をおこすこともあるため、血液検査ほどしっかりとした数値で確認する事はできません。

事前準備として、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、くすりの服用を、検査前数日間は、中止します。

パッチテスト

アレルゲンエキスを染み込ませたパッチや絆創膏を貼り付けて、反応をみる検査です。この検査は、2〜4日経過をみる必要があります。遅延型アレルギーである皮膚炎や、アトピー性皮膚炎の検査によく用いられます。小児から高齢の方まで、皮膚に接触する製品や成分、つまり、金属、外用薬、日用品(シャンプーやヘアカラー剤、香料など)、化粧品、職業性に触れる樹脂やゴム手袋など多岐にわたる物質を検査することができます。

皮内テスト

皮内テストとは、アレルゲンエキスを皮内に注射をし、15分後の反応をみる検査です。この検査は全身に強い反応(アナフィラキシーショック)が起こる場合や、副作用の危険性もありますが、1番反応が出やすいです。プリックテストで様子を確認してから実施する必要があります。

・費用

健康保険が適用された場合、ブリックテストは検査項目一つごとに420円前後加算、パッチテストは1項目ごとに200円ずつ加算となります。

血液検査

lgE値(アイ ジー イーち)とは、「IgE抗体」というアレルギーの引き金となっているタンパク質で、どのアレルゲンに対するIgE抗体がどれぐらいあるか(特異的IgE抗体価)を調べることにより、アレルギーの原因をみつけます。
注射器で血液を少量採取し、さまざまなアレルゲンに対するIgE抗体がどれぐらいあるか(特異的IgE抗体価)を調べます。

病院内に検査機器がある場合は、20分〜1時間ほどで結果がでますが、その病院にない場合には結果に1〜2週間程度かかるため、再度病院に行く必要があります。いずれも受診される予定の病院に電話して、受付にお尋ねください。

・費用

アレルギーの血液検査は、1項目800~1100円、保険適用では自己負担330円~で、項目が増えると費用が増えます。一般的な血液検査では5000~7000円程度の費用がかかります。

原因物質除去試験、負荷試験

アレルギーの原因となる犬のいる環境から離れて2週間ほど過ごし、症状が軽減したかどうかをみる「物質除去試験(アレルギー除去法)」をおこない、その後、最初の環境に戻る「負荷試験」で、症状が出た…場合に、犬アレルギーと断定されます。

原因を特定できるといったメリットはありますが、喘息持ちの場合や、もともとアトピーがある場合、投与量や期間をしっかりと確認しつつ実施をしないと、死に至ることもありますので、かならず医師と相談しておこなってください。

犬アレルギー検査を、自宅で簡単にできる方法は?

とはいえ、アレルギーチェックのための病院に行く時間がないなどの理由で、自宅で検査を手軽にできないの?という方もいるかもしれません。

動物アレルギーの原因となる、コナヒョウヒダニ、ハウスダスト、ネコ皮屑、イヌ皮屑をはじめ、食物アレルゲン・花粉アレルゲン・環境アレルゲンなどの36種類の項目が微量の血液(指先から3~4滴程)の郵送で検査できます。

アレルギー検査キット36項目のIgE抗体検査

¥26,460(税込)

IgE抗体検査のテストキット「MASTⅣ」は、医療機関と同じレベルの「血清」による検査が、自宅で簡単におこなえます。

ランセットにより指に針を刺します。意外とチクっとする程度で血が出ます。

犬アレルギーの治療、薬は?

現在では、アレルギーは不治の病です。免疫細胞が異物ではないものを異物と間違えて過剰に反応することで起こります。

一度アレルゲンとして認識すると、毎回反応してしまうのです。犬アレルギーも同様に完治はしないので、薬は一時的に症状を抑えるために使われます。

犬アレルギーの治療薬について詳しくはこちら

犬アレルギーだけど犬を飼いたい時の対処方法

犬アレルギーと検査結果が出てしまっても、実際には、飼い主さんの努力により愛犬をいっしょに暮らし続けているケースも少なくありません。

  1. 被毛のケア
  2. 掃除
  3. 服を分ける
  4. 免疫力の向上

被毛のケア

愛犬を毎日ブラッシングして、定期的にシャンプーすることで、皮膚や被毛の状態を健やかにします。アレルゲンの発生を抑えることができます。

掃除

アレルゲンとなる、皮脂、毛、フケ、唾液などが部屋の中を舞わないよう、拭き掃除を中心に部屋の掃除をします。

服を分ける

寝る時のパジャマと、愛犬と触れ合うときの部屋着を分けることで、アレルゲンと接する時間を減らすことができます。もちろん、そのパジャマと部屋着は洗うときも分けることをおすすめします。

免疫力の向上

アレルギーは免疫力が低下すると発症することがあります。免疫力が下がらないよう、食生活、早寝早起きなど、ストレスのなるべくない生活を目指し健康管理を徹底しましょう。

犬アレルギーの対策について詳しくはこちら

アレルギー症状が出にくい&出やすい犬種

犬アレルギーになりにくい犬種というのは抜け毛が少ないという意味でしかないので、必ずアレルギーにならないわけではありませんが、

  1. アレルギー症状が出にくい犬種
  2. アレルギー症状が出やすい犬種

をご紹介します。
犬アレルギーでも、飼い主さんの努力により一緒に暮らすことができます。
参考ください。

アレルギー症状が出にくい犬種

トイプードル
マルチーズ
ヨークシャーテリア
シュナウザー
シーズー

アレルギー症状が出にくい犬種をもっとみる

アレルギー症状が出やすい犬種

柴犬
ミニチュアダックスフンド
シェパード
ゴールデンレトリーバー
ポメラニアン

アレルギー症状が出やすい犬種をもっとみる

まとめ

犬アレルギーと思っていたら、犬の毛についているゴミや花粉、ハウスダストなどが原因のアレルギーだったというケースもあります。
その場合は、お部屋のお掃除とワンちゃんの毎日ブラッシングなど、犬のお手入れなどアレルゲンと接する時間を減らすことができます。
検査結果が犬アレルギーだった場合でも、症状の程度の差はあるでしょうが、お医者様からのお薬をキチンと飲んで、アレルギー症状が出ないよう家族全員で対策を考えてあげるよう心がけてください。

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