トイレの失敗は、飼い主さんにとってストレスが溜まります。
せっかくトイレを設置しても、違う場所でしたり、上手に出来たと思ってもはみ出していたりするとがっかりしてしまいます。
お掃除するのも大変です。
でも、大丈夫です!
トイレトレーニングの方法をプロのドッグトレーナーが解説します!
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたご質問の内容
東京都にお住まいのポメラニアンのオス、6ヶ月です。
トイレシートを敷いておけば、ちゃんとするのですがはみ出します。
すのこの上ではやりません。
ベッド、タオル、布、紙を置いておくと、そこでトイレをしてしまいます。
たまに何もないところでもオシッコをしてしまいます。
うんちをしながら歩いてしまうことにも困っています。
少し前までは吠えなかったのですが、少し物音がすると少しずつ吠えるようになってしまいました。
特にケージに入れておくと吠えてしまいます。
ティッシュや紙、アルミや段ボールなど嚙み切れるものを飲み込んでしまいます。
一緒に飼っている猫に乗っかる
興奮すると手や足を噛んできます。
耳や手のお手入れは出来ますが、爪切りは嫌がります。
トイレについて
トイレの成功率は低いようです。
トイレの基礎知識をお話します。
犬のトイレは自分で覚えられるものではありません。
人がトイレトレーニングを行わなければなりません。
人が確実にトイレを教えて、トイレトレーニングが完了しているのであれば、今後失敗をしてしまっても理由の予測がつきます。
しかし、犬自身で奇跡的に覚えてしまっていた場合には、失敗の原因を突き止めることが難しいです。
トイレトレーニングは、月齢が低いうちにしっかりと行いましょう。
犬は、吸水素材の物の上でトイレをしたがります。
トイレシートも吸水素材なので、犬がトイレの場所と認識しやすくなっています。
ラグやマットなどの吸水素材の物の上で、トイレをしたがります。
犬が吸水素材の物の上でトイレをしたがる理由は、自分の体を汚したくないからです。
フローリングの床の上や大理石の上でトイレをすると、自分の体が汚れてしまう可能性があります。
ベッド、タオル、布、紙などは、置かないようにしましょう。
トイレシートの上で100%出来るようになってきたら、トイレの認識が出来たということになります。
ラグなどの吸水素材の物は、トイレの認識が出来てから置くようにしましょう。
吸水素材の物は、トイレシートのみにして下さい。
うんちやオシッコを歩きながらする、トイレの縁でしてしまうことがあります。
トイレの場所はわかっていても、ダックスのように体が長い犬種の場合にはトイレからはみ出していることがあるのです。
トイレシートの真ん中に排せつをするように教えることが出来ます。
トイレの認識がしっかりと出来ていれば、微調整をすれば良いのです。
やり方は、簡単です。
トイレシートを囲い、成功することしか出来ないようにしてあげればいいのです。
囲いの中にしか体が入らないので、失敗することが出来ません。
囲いの中に入ってしまえば、シートの上に4本の足を載せるしかないためです。
囲いの中に入って排せつをさせ、囲いの1面ずつ外してあげればシート上からはみ出すことなく排せつをすることが出来るようになります。
広い場所にトイレシートだけ置いてトイレを成功させることは、かなり難しいです。
トイレシートからはみ出した状態で排せつをしていれば、成功とは言えません。
100%トイレシートの上で出来るようにならなければ、成功とは言えないのです。
胴体が長いダックスでも、100%成功するように教えることが可能なので安心して下さい。
吠えに関して
物音に対する吠えとケージの中での吠えは、理由が異なると思います。
以前は吠えることが無かったということですが、生後6ヶ月を迎えて徐々に警戒心が出てきたのではないかと思います。
聞きなれない音がすると、怖がって吠えてしまっているのでしょう。
元々の性格が、警戒心が強い場合には吠えてしまう傾向にあります。
家の中で自由な生活をしてしまうと、家全体に縄張り意識がついてしまいチャイムの音に反応して吠えてしまうことはよくあります。
家の中に縄張り意識をつけないようにしてあげることで、吠えなくなります。
犬のしつけハグでは「クレートトレーニング」を推奨しています。
クレートの中に縄張り意識を付けることによって、家全体に縄張り意識を持たなくなります。
事前に来客の予定などがわかっていれば、クレートの中で大人しくすることでチャイムの音や外部の音に反応しなくなります。
クレートの外に出ると吠えてしまっても、中に入ると一切吠えなくなるのです。
吠えることがない安全な環境の場所を作ってあげてください。
チャイムや外部の音には、条件反射で吠えているわけではありません。
また、指示語が通るようにトレーニングをしてあげてください。
ケージの中にいる時の要求吠えに関しては、対応が異なります。
まずは、ケージやクレートを人の出入りが多い場所を避ける、または布を被せるなどして、犬がゆっくりと静かに過ごせるような環境にしてください。
ケージやクレートの中を居心地の良い落ち着ける場所にしてあげることで、中にいる時の要求吠えはしなくなります。
拾い食いの対処方法
ティッシュや紙、アルミや段ボールなど嚙み切れるものを飲み込んでしまう件の対処方法です。
拾い食いをしてしまうということですね。
人が見ているところで、対処するしか方法はありません。
試すことになってしまいますが、犬の目の前に食べられるものを置いておいてください。
もし、犬が臭いを嗅ぎに行ったり食べそうになったら、声をかけて注意しましょう。
まずは、制止を掛けて下さい。
落ちているものは、一切食べてはいけないという指導をします。
お散歩中に道端に落ちている葉っぱや石を食べてしまうという場合にも、リードを少し引いて辞めさせてください。
お散歩中の犬の意識を落ちている物に向けるのではなく、常に飼い主さんに向くようにしておくことが大切です。
その辺に食べ物が落ちていたら、犬は食べたくなります。
人が見ていない時に、食べないようにすることは難しいです。
拾い食いは危険です。
好奇心が旺盛な性格の場合には、家の中でフリーの状態で生活させることはおすすめできません。
犬を守るためにも、ケージやクレートの中でおとなしく過ごすことが出来るようにしてあげましょう。
誤飲、誤食をして体調を崩してしまわないように、犬の安全を確保してあげてください。
猫の上に乗ってしまう
猫の上に乗ってしまうという件ですが、まずは猫が逃げないことがすごいです。
関係性が良いように思えますが、猫に指示が通らないので犬に止めるように指示することがよいと思います。
猫が嫌がっているのであれば、逃げるハズです。
恐らく嫌がってはいないと思うので、様子を見て頂きたいと思います。
ケンカをしている場合には対処が必要になりますが、乗っかるだけで猫が逃げないのであれば、気にする必要はありません。
生後6ヶ月なので、猫に乗ることがブームである可能性があります。
ブームが去れば辞めるでしょう。
噛み癖の対処方法
月齢的に、構って欲しいという気持ちの現われだと思います。
また、噛みたいという欲求も残っている年齢です。
乳歯が生え変わる時期でもあるので、歯茎がかゆくて噛みたいのかもしれません。
噛んでもいいものを与えてあげると良いでしょう。
また、犬が噛んできた時の人の反応で犬が楽しくなってしまうことがあるため、注意が必要です。
低い声で冷たい反応をすると効果的です。
叱るよりも冷たい反応をする方が、犬には効果があります。
噛み癖が酷くなった場合には、他の対処方法が有効なのですが、未だその段階ではないように見受けられます。
犬のお手入れについて
犬のしつけハグでは、犬のお手入れ項目のほとんどを仰向け抱っこで行うことをお勧めしています。
目や耳、足先などは犬の神経が集中している部分なので、嫌がる犬が多いです。
いきなりお手入れをするのではなく、まずは仰向け抱っこが出来るようにして、犬の体の部分全体を触れるようになるところから始めます。
足先や耳裏、口の中など犬の体のどの部分を触っても嫌がることがないように、練習していきます。
一人が抑え係、一人がお手入れをする人と役割分担をして無理矢理お手入れをする人もいます。
無理矢理行っても、お互いの負担になるので、犬が全く抵抗しないくらいに触られることに慣れるように、日々トレーニングを行ってからお手入れをした方がお互いに楽です。
お手入れは絶対に行わなければならないことなので、普段から触る練習をしておくようにしましょう。
まとめ
トイレは、はみ出すことが出来ないようにトイレシート全体を囲い、1面ずつ外していくことで成功することが出来るようになります。
吠えは、クレートトレーニングを行うことで一人で静かにしている時間を覚えることで改善できます。
猫の上に乗ってしまっても、猫が嫌がっていないのであれば問題ありません。
お手入れ項目は、仰向け抱っこが出来るようになれば全て出来るようになるので、仰向け抱っこのトレーニングを行いましょう。