犬は「おいで」と言ったり名前を呼ぶとすぐに来てくれるイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか」?
実は必ず来てくれるとは限らないのです。
呼んでも犬が来ないことには、きちんとした理由があります。
犬を呼んでも来てくれない理由とその改善方法を、犬のしつけのプロが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeのコメント欄に頂いた質問
犬のしつけハグのYoutubeコメント欄に頂いた質問です。
「我が家のワンちゃんが呼んでも近づくどころか振り向いたりもしないんです。どうすればいいでしょうか?」
犬を呼んでも来ない理由
犬の呼び戻しに関する質問をいただきましたので、回答させていただきます。
犬を呼んでも来ないと嫌われているのかもしれないと心配になる方もいらっしゃるでしょう。
決して嫌われているわけではないので、ご安心ください。
言葉を理解していない、もしくはその言葉に対するイメージが悪いことが多いです。
犬を呼ぶ時の掛け声は、正直に言ってなんでもOKです。
「来るな」と言って、来させることもできます。
言葉の意味と行動が異なっていても、犬に理解させることはできます。
犬を呼ぶ言葉に対して反応をしない時は、何かしら原因があります。
まずは、原因をつきとめることがらはじめてください。
よくあるケースとして、「おいで」と言って来ないと捕まえることです。
犬は「おいで」と言われると捕まるという認識が付いてしまうため、近づきたくなくなります。
犬のしつけハグでは、「おいで」と言った後には絶対に捕まえないようにお伝えしています。
ドッグトレーナーをしている中で、人に触られることを嫌がる犬に出会ったことはありません。
触られることに対して悪いイメージを持っている犬はいます。
また、触られる場所によっては好きな場所、嫌いな場所はあります。
呼んでも来ない犬は、呼ばれることに対してよいイメージを持っていない可能性が高いので、イメージを変えていきましょう。
人が主導権を握る
犬を呼んでも来ないのに、気が付くと自分から来て触ってアピールをするケースはよく見受けられます。
つまり、人に対して触られたいという欲はあるということです。
例えば、犬の方から近づいてきた時に人は絶対に犬に触らないというルールを設けたとします。
人が呼んで来た時にだけしっかり触ってあげるようにします。
すると、人に呼ばれて行った時には触ってもらえると思い、呼ばれたら来るような習慣ができます。
犬の要求に人が従ってしまう習慣がつくと、人が主導権を握ることができません。
人が主導権を握ることによって、犬が自分から寄ってくるようになります。
しっかりと人が主導権を握ることで、指示語が入っていくようになります。
人が呼んで来た時にだけ触るという流れが出来ていれば、犬の方から近づいてきた時にも触っても問題ありません。
犬を呼んだ後の注意点
犬に「おいで」と言って来た時、抱っこして拘束していませんか?
せっかく来た犬をすぐに抱っこして拘束してしまうと、犬は自由を奪われてしまう、行くとなかなか離してもらえないと悪いイメージを持つ可能性があります。
「おいで」と呼んで来た時には、1~2秒可愛がって逃がすことで人の傍に来ることへの違和感が徐々に薄れて行きます。
呼んで来た時に抱っこして拘束することは、最初のうちは絶対にしないでください。
定着したら100回に1回くらいの頻度で抱っこする程度なら問題ありません。
人は可愛がっているつもりでも、犬にとっては煩わしく感じてしまう場合もあるため、呼んでも来ない要因になります。
少し物足りないと感じる程度でやめてあげることが理想です。
爪切りやブラッシングなどの犬のお手入れをする場合にも、犬が自分から来た時に行うことがベストです。
呼んだ時と同様に、お手入れもイメージが悪くなるとやらせてくれなくなります。
徐々に慣らしていく、犬がリラックスした状態で行うなどの工夫をすることをおすすめします。
愛犬の負担にならないように、行いましょう。
まとめ
犬の名前を呼んでも近づくどころか振り向いたりもしないので、どうすればよいのかという質問にお答えしました。
犬がその言葉を認識しているのか、言葉に反応すべきなのかわかっているのかを確認していただきたいと思います。
言葉の認識はしているにもかかわらず、時と場合によって無視をしているようであれば、犬の感情によって従うかどうかの判断をされている可能性があります。
犬が人の傍に近づいて来ないというのは、人の傍に近づくことに対するイメージがよくないのかもしれません。
犬を呼んで傍に来てくれた時、抱っこしたり犬を拘束したりしているのではないでしょうか?
抱っこしてケージの中に入れる、犬が嫌がるお手入れ項目を行う、クレートにしまわれるなど人の傍に行くといいことが無いので近づいて来ない可能性があります。
人に対するイメージが良ければ、犬は必ず近づいてきます。
犬は人に触ってもらいたい、愛でてもらいたいので近づいてきます。
犬が近づいてきた時ではなく、人が呼んで来た時にだけ触るようにしてください。
そうすることで、自然に犬は人が呼んだ時に来てくれるようになります。
更に、人が主導権を握るようにすれば呼んだ時に来てくれるようになります。
トレーニング中は、犬から来た時には触らないようにしてください。
最終的には、犬から近づいてきた時にも触っても問題ありません。
トレーニングが終了するまでは、人が呼んで来てくれた時だけ触るようにすると成功します。