育犬(犬の世話)ノイローゼの症状や対処方法、ノイローゼに対する考え方などを紹介していきます。「育犬ノイローゼになること」は何もおかしい事ではなく、真剣に犬に向き合っている人ほどかかりやすいと言えます。だからこそ一人で抱え込まず、肩の力を抜いて友達や専門家などに相談してみましょう。
1:育犬ノイローゼで出やすい症状とは?|肩の力を抜いて犬の世話を!
犬の世話(育犬)で悩んだり疲弊したりして、気持ちが酷く沈む症状のことを「育犬ノイローゼ」と言います。無気力、不眠症などの症状に襲われる可能性もあるので、辛いときはプロに相談することをおすすめします。
また、犬を飼う以上、誰でも多かれ少なかれ悩むものですから、ご自身を追い詰めないようにしましょう。
これって育犬ノイローゼ?症状と対策
育犬(愛犬の世話)で精神的に疲れたり、悩んだりして気持ちが暗くなる症状のことを「育犬ノイローゼ」と呼びます。
真面目な方、心配性な方、育犬初挑戦の人などは育犬ノイローゼになりやすいです。
真面目過ぎると、マニュアル通りに世話ができないと心が沈む。
心配症だと、ちょっとしたトラブルだけで不安になる。
育犬初挑戦だと、とにかく戸惑いがち。
などといった感じです。
具体的な症状としては、
- 無気力
- 動悸
- 不眠症
- 摂食障害
- 下痢
- 嘔吐
などがあり、最悪の場合犬の虐待などに繋がります。
しかし、育犬ノイローゼになっているのはあなただけではありませんから、
「飼い主失格だ……」「全部私のせいだ……」などと思う必要はありません。
むしろ、犬の飼い主であれば、一度は犬のお世話で悩むものです。
育犬について悩みがあれば専門家に相談するのもおすすめです。
育犬に関するスクールなどもあり、そこで「犬の飼い主友達」ができることもあります。
「そこまでしなくていいかな」と感じるのであれば、友人と話してみたり、SNSで少し愚痴を言ってみたりするだけでも十分です。
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2:育犬ノイローゼの症状を防ごう|犬の世話に確かなマニュアルはない
愛犬の世話をするにあたって育犬ノイローゼになったり、その具体的な身体症状を防いだりするにはどうすればいいのでしょうか。重要なのは「マニュアルだけではうまくいかないということ」「一人で全てを背負い込もうとしないということ」などです。
ご自身を追い詰めず、ある程度気楽にワンちゃんとの生活を楽しみましょう。
飼い犬の世話に悩んでいるあなたへ。ノイローゼになっていませんか?
育犬をするということは、犬が家族に近い存在になるということです。
ですが、どれほど長生きでも20年ほどでこの世を去りますし、言葉も通じませんから犬の世話をするのは大変です。
そこで、以下のことを意識しましょう。
飼い主さんに、いわゆる「育犬ノイローゼ」の症状が出る可能性が低くなります。
まずは「マニュアルだけでは犬の世話はできない」ということ。
それぞれの犬は全て違いますから、予想できない行動も取ります。
また、犬にも感情があります。
人間の都合だけで犬をコントロールすることはできません。
そして、犬は「人間の感情を読み取る生き物」でもあります。
あなたの機嫌が悪いと何となく分かりますし、逆に機嫌が良ければ犬としてもホッとします。
それから、事前に犬の成育歴や性格も把握しておきましょう。
何かと役立ちます。
そして、とにかく「一人で背負い込まないこと」が大事です。
育犬の専門家などのアドバイスをもらうのももちろん良いですし、家族、友人などと話すだけでも心が落ち着いて、ノイローゼになりにくくなります。
詳しく読む→飼い犬の世話に悩んでいるあなたへ。ノイローゼになっていませんか?
3:育犬(犬の世話)でのNG行動集|ノイローゼの症状を防ごう!
「育犬(犬の世話)のストレスでノイローゼになりそう!」「もう症状が出ている気がする」「ノイローゼを防ぎたい」という皆さんに向けて、育犬における主なNG行動を紹介します。健全に、楽しくワンちゃんと過ごしていくためにも、ぜひ最後までご覧ください。今日から改善できるものばかりとなっていますよ。
犬の問題行動は飼い主さんのダメしつけが原因かも?!ダメしつけ4選
・叱るときに大きな音や声に頼る
「単にビックリして問題行動をやめるだけ」です。
冷静に、「無駄吠えをしてはダメである」と分からせる必要があります。
・飼い主が感情的になる
犬の世話は冷静に。
そうでないと、犬も「何が悪かったのか」が分かりません。
また、感情的になると飼い主さんがノイローゼになったり、ストレスが溜まって具体的な身体症状に襲われたりする可能性があります。
・ご褒美でしつける
「ご褒美でのしつけ」に頼ると「ご褒美がないと、言うことを聞かない」などのトラブルが起きるかもしれません。
また、犬が「飼い主が○○をしているときは必ずエサがもらえる」などの、おかしな学習をする恐れがあります。
・甘やかしすぎる
「リーダーは飼い主」です。
甘やかしすぎると、逆に犬が「ぼくがリーダーだ」と思って迷惑行動に出やすくなります。
・犬に責任を押し付ける
何らかの失敗があったときに犬に責任を押し付けてもどうにもなりません。
犬の世話の仕方に問題があったと考え、反省し、次に活かしましょう。
ただ、犬の世話は非常に大変です。
「完璧にできないのが当然」など、ある程度気楽に考えておいたほうがノイローゼなどのリスクを下げることができます。
詳しく読む→犬の問題行動は飼い主さんのダメしつけが原因かも?!ダメしつけ4選
4:育犬(犬の世話)ノイローゼの症状等で飼えなくなった犬はどうなる?
「育犬(犬の世話)ノイローゼの症状が出た」などの理由で、これ以上犬を飼育できなくなったとします。その犬を保護施設に連れていくとすると、その後、犬が殺処分される可能性があります。ですから、できる限り「別の引き取り手を探す」「飼い続けられるように環境を変える」などの方法を採りましょう。
飼えなくなってしまった犬はどうなるの?
東京都に限って言えば、平成30年度に「猫・犬の殺処分数0」を達成しています。
ですが日本全体で考えると、いまだに件数が多いと言わざるを得ません。
そして「育犬(犬の世話)ができない」という理由などで犬を捨て、
それが保健所に保護されると、「動物愛護センター」に行きます。
里親探しなどをしますが、1週間以内に引き取り手が見つかるなどの進展がないと、基本的に殺処分されます。
もちろん犬を捨てるのは厳禁です。
そのため最初から保護施設に犬を引き取らせる人もいますが、辿るルートは同じです。
ですから、
- 転勤する
- 飼い主の死去
- 自分や家族の犬アレルギー
- 自分や家族に育犬ノイローゼの症状が出ている
- 近隣からの苦情
- 経済的理由
- 子犬が産まれたことにより全頭は飼えなくなった
などの理由で愛犬の世話ができなくなった場合は、「すぐに保護施設に連れていく」のではなく、できる限り「このまま飼い続けられる方法を模索する」もしくは、「犬を引き取ってくれる人を自力で探す」などの選択をしましょう。
それこそが「犬を飼う責任」です。
飼い始めた時点で、犬の一生、つまりその犬が亡くなるまで責任を持つという事になります。
詳しく読む→飼えなくなってしまった犬はどうなるの?
5:育犬(犬の世話)ノイローゼの症状の発生・克服事例を紹介します
育犬(犬の世話)をしているとノイローゼの症状が出る・出そうになることがあります。
そのようなときは「犬ときちんと向き合う」ことを考えつつ、犬の世話の仕方や接し方を見直してみましょう。そうすると犬と過ごす時間が楽しくなったり、「余命わずかな犬と健やかに過ごすこと」ができるようになったりするはずです。
育犬ノイローゼ【事例紹介】と克服方法【体験談】
ある飼い主さんに育犬ノイローゼ症状が出る・出そうになった流れを2つ挙げてみます。
- トイプードルが可愛すぎてしつけをしなかったところ非常にワガママに
- 老犬の世話(夜3時間ごとに起きてマスクをつけかえるなど)により、飼い主さんがノイローゼ直前に
トイプードルが可愛すぎてしつけをしなかったところ非常にワガママに
1の飼い主さんは、犬の「無駄吠え」「噛むこと」「排泄」などが理由で育犬ノイローゼの症状が出そうになったようです。
ですが、
無駄吠え→「怖いから吠える」ので「怖くないよ」と教え込む
噛むこと→これも「怖いから噛む」ので「柔らかい声で撫でる」など優しく接する
などと犬のしつけをきちんと行いました。
また、排泄については、
「一度どこかで排尿させ、尿をトイレシーツにしみ込ませる」という方法で安定させました。
犬にとって「自分のおしっこの臭いがする=自分の場所」ですからね。
やはり「ちゃんとしつけすること」こそが大事です。
老犬の世話(夜3時間ごとに起きてマスクをつけかえるなど)により、飼い主さんがノイローゼ直前に
2は言ってみれば「介護の辛さ」です。
しかし「犬がときどき見せる優しい顔」に癒されて、自分をコントロールしながら犬の世話をしたとのことです。
また、犬が亡くなりペットロスになりましたが、新しく飼い始めた犬と健全に生活することで克服したそうです。
詳しく読む→育犬ノイローゼ【事例紹介】と克服方法【体験談】
6:犬の健康状態の確認方法|育犬(犬の世話)ノイローゼの症状の対策
犬の健康状態を知らないと、「ウチの犬は大丈夫だろうか……」などといたずらに焦ってしまい、飼い主に育犬(犬の世話)ノイローゼが出やすくなるかもしれません。健康状態の確認方法を紹介しますので、「犬との関わりを深める」という意味も込めて、日々の健康チェックを習慣にしてみてはいかがでしょうか。
犬の健康状態をチェック!日常的、定期的に確認すべきポイントとは?
1~5は毎日チェックすべきことです。
1:食事
食欲がないのも、あり過ぎるのも心配です。
2:水分摂取
飲みすぎも、飲まなさすぎも良くありません。
また、水を飲む際の涎が多い場合も要注意です。
3:排泄
うんち・おしっこの回数、ニオイ、硬さ、色、量などをチェックしましょう。
4:呼吸
犬の呼吸は通常1分で15~30回ほどです。
その他、呼吸時の胸の動き方や、呼吸音も確認しましょう。
5:睡眠
犬の正常な睡眠時間は12~15時間ほどです。
また、中途覚醒や「起きてから丸くなって身動きを取らない」などのことが多くないかもチェックします
6:耳関連
6以降は定期的に確認すればOKです。
耳垢が多い・湿っている・ニオイが強い、頭を良くゆする、などの症状があるときは外耳炎等を疑いましょう。
7:鼻関連
いびきが大きい、鼻水が多い、鼻が乾燥しているなどの症状があれば要注意です。
8:目関連
かゆそう、充血、目ヤニ。
これらの症状の有無をチェックします。
9:口関連
口臭、よだれ(血液が混ざっていないか)、唇や口内のただれのチェック。
10:肌
かゆそう、フケ、しこり、腫れ、湿疹など。
異変があればすぐに動物病院に行きましょう。
詳しく読む→犬の健康状態をチェック!日常的、定期的に確認すべきポイントとは?
7:犬の世話で疲れた人におすすめの映画|育犬ノイローゼの症状対策にも
「犬と飼い主の関係性」がテーマのある映画について紹介します。登場する犬が単純に可愛らしく、そして色々と考えさせられることも多い素晴らしい作品です。
犬の世話(育犬)で毎日ヘトヘトになっている……という人も、映画を観てリラックスしてみてはいかがでしょうか。育犬ノイローゼの症状対策にもなるかもしれません。
犬 映画『犬と私の10の約束』短編詩「犬の10戒」が元になっている可愛さと感動ストーリー
この映画に出てくる「10の約束」とは、
- 犬の気持ちになる
- 話を聞く
- 喧嘩しない
- 信じる
- 理由もなく反抗することはない
- 一緒に遊ぶ
- 「心がある」と意識する
- 犬には飼い主しかいない
- 老犬になっても仲良く
- 死ぬときも飼い主が近くにいる
などです。
実際、この映画でも犬(ソックス)が亡くなるところが描かれます。
映画の感想として「とにかく犬がかわいい!」とシンプルに思えるからこそ、この世を去るのはやはり悲しいですね。
ですが、飼い主(あかり)はずっとソックスと一緒にいるわけではなく、離れることもあります。
そこがまさに「犬は飼い主しかいないけれど、飼い主には他にも関わる人がたくさんいる」という対比になっていると思います。
「犬と人間の関係性」について色々考えさせられる映画です。
常に犬の世話(育犬)で気を張っているとノイローゼになることもあります。
たまには映画を観るなどして癒されましょう。
詳しく読む→犬 映画『犬と私の10の約束』短編詩「犬の10戒」が元になっている可愛さと感動ストーリー
8:映画「HACHI約束の犬」の紹介|犬の世話(育犬)ノイローゼ症状の防止に
リチャード・ギア主演の映画「HACHI約束の犬」の紹介をします。「忠犬ハチ公」を題材にしたストーリーであり、秋田犬のことや「犬の飼い主を探すことの難しさ」などが分かる作品です。全体的に癒される雰囲気であり犬もかわいいので、犬の世話(育犬)ノイローゼの症状の防止のためにも観てみてはいかがでしょうか。
犬 映画【おすすめ】リチャード・ギア主演の海外で映画化「HACHI 約束の犬」あらすじ
「HACHI 約束の犬」は、あの「忠犬ハチ公」のストーリーを海外で映画化した作品であり、主演はリチャード・ギアです。
「ハチの目線」を表現する時はカメラがローアングルになるなど、犬を可愛らしく見せるための工夫が随所で伺える作品です。
また、登場人物が秋田犬について知るために、インターネットで色々と調べるシーンなども愉快です。それから、「秋田犬は人間を喜ばせることへの意欲が薄い傾向にあるが、一度忠誠を誓った人物のことはとことん大事にする」という点もしっかりと表現されています。
それから、この映画を観ることで「犬の飼い主探しの大変さ」も分かります。
保健所の事情が分かったり、「可愛いとは思っても飼い続けるのは難しい」という現実が見えてきたり……。
飼い主探しが最終的にどうなるのかは映画で確認してほしいと思います。
全体的にとにかく温かく、牧歌的な雰囲気の映画です。
毎日の育犬(犬の世話)で疲弊してノイローゼになりそう、そこまではいかなくても悩みが多いなどといった方は、プロフェッショナルに相談するだけでなく、映画鑑賞で気持ちをリフレッシュするのも良いのではないでしょうか。
詳しく読む→ 犬 映画【おすすめ】リチャード・ギア主演の海外で映画化「HACHI 約束の犬」あらすじ
9:犬にも音楽の好き嫌いが?|育犬(犬の世話)ノイローゼの症状対策
犬にも当然耳がありますから、「音楽」によって癒されるのかもしれません。今回は「犬の音楽の好き嫌い」について少しお話しします。
もし、飼い主さんがワンちゃんと一緒に音楽を聴いて楽しむことができれば、ストレス解消にもなって、育犬(犬の世話)ノイローゼの症状の防止・緩和にも役立つかもしれませんね。
【獣医師 検証】犬にリラックス効果のある音楽を探してみた!
育犬(犬の世話)ノイローゼの症状に悩んでいる方、ノイローゼになりそうで心配という方は生活の中に音楽を取り入れて癒されてみてはいかがでしょうか。
そして、人間だけでなく犬も音楽でリラックスする場合があるとされています。
犬に色々なジャンルの音楽を聴かせてみた結果を紹介します。
レゲエ:あまり落ち着いた様子はありませんでした
ヒップホップ:効果音などに反応してしまうようで、むしろ落ち着きがなくなるくらいでした
日本のバラード曲:「普段から飼い主が流しているのを聴いている」という理由で、比較的リラックスできるようでした。ただ、「慣れているから」こそ、落ち着けるのだと思います。
クラシック:基本的にずっとリラックスしていましたが、音楽が盛り上がるパートでは目を開けるなどして多少反応を見せました。
それから、いわゆるヒーリング音楽は犬も好むようでした。
ただ、大きな川の音などは、やはり「慣れていない」ため落ち着かないようでした。
ちなみに、「犬向けのヒーリング音楽」もあるので聴かせてみましたが、こちらはバッチリとリラックスできるようでした。
結局のところ「慣れているか」が大きいと感じました。
詳しく読む→【獣医学生 検証】犬にリラックス効果のある音楽を探してみた!
まとめ
育犬(犬の世話)ノイローゼの症状や対策を紹介しました。ノイローゼのような症状が出ても悲観することはありません。色々な考え方を取り入れつつ、少しずつ元気になっていきましょう。困ったときはプロに相談すれば、必ず力になってくれるはずですよ。