犬のしつけがうまくいかない」とお悩みの方に向けて、主な理由として考えられることを紹介します。
「知識を得ないのはダメだけれど、知識を得るだけでもダメ」「犬の心を見ないのはダメ」など、ちょっと難しい話もしますが、どうぞ最後までお付き合いください。
今日から実践できる事もきっとあるかと思います。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
犬のしつけがうまくいかない理由1:知識を得ただけで満足する
「犬のしつけ」に関する本は多いですし、インターネット上にも情報が溢れかえっています。
ですが、
- 本を読んだだけで満足してしまって実践できない
- 本の情報に支配されて柔軟な対応ができなくなる
というケースが少なくありません。
犬のしつけがうまくいかない理由2:知識を得ようとしない
「1」と矛盾するようでいて、実は矛盾しない話です。
まず、「犬を飼う前に勉強する」というのは必須だと考えてくださいね。
(もちろん飼い始めてからも勉強を続けるべきですし、『勉強しないまま飼い始めてしまった!』という場合は今からでも頑張りましょう)
ちなみにドイツのいくつかの州では、基本的に「犬を飼うのは免許制」となっています。
きちんと勉強をして「犬を飼うための許可」を正式にもらってからではないと、「ワンちゃんとの生活」は実現しないというわけですね。
日本では、ご存知のとおり誰も犬を飼うことができます。
このこともあってか、「日本はペット後進国だね」と言われる場合もあるようです。
犬のしつけがうまくいかない理由3:どの犬も同じだと思っている
単に「犬」と言っても、犬種次第で「性格」や「習性」が違います。
ただ、この犬種ですが「見た目」や「体格」だけで決まるわけではないので気を付けましょう。犬種について調べてみると、「こんな大きな犬と、こんな小さな犬が同じ犬種!?」なんて驚く事もあるかもしれませんよ。
また、例えば
サモエド:社交性が高い、有効性が高い
柴犬:勇敢、警戒心が強い
などなど、もっと細かく見ていくこともできます。
犬のしつけがうまくいかない理由4:運動量が少ない
色々な犬種がありますし、当然犬一匹ごとに性格や特徴も違いますよね。
ですが、「運動量が少ないのはダメ」というのは、全ての犬に共通しています。
人間だって「運動不足」はよくありませんが、それと一緒です。
ただ、人間の場合は「運動してなくてなんかイライラするな」と感じるだけで、それが問題行動に繋がる人はまずいないはずです(でも身体には悪いので気を付けてくださいね……)。
しかし、犬と人間は違います。
散歩などの運動が不足していると、ストレスが蓄積して、
- 無駄吠えが増える
- 穴を掘ろうとする
- 攻撃的になる
などの問題行動が発生する恐れがあります。
これでは「本来は有効なしつけ」であっても、ほとんど無意味になってしまいます。
「しつけ自体のことばかり考えて、全然散歩してなかったな……」と感じた方は、
これからはできる限り毎日犬を散歩させましょう。
1日1~2時間が理想ですが、人間側が潰れてしまっては困りますから可能な範囲でOKです。
犬のしつけがうまくいかない理由5:病気を見過ごしている
もはや「しつけ」どころの話ではないような気もしますが、
犬の病気を見過ごしてしまう飼い主さんも少なくありません。
- 異常に散歩を嫌がる
- ほとんど動かない
- エサを食べない
- その他異常行動
- (飼い主から見て)とにかく気になることがある
などの場合は、すぐに動物病院に行きましょう。
特に「てんかん」などを見逃したまましつけをして、
「全然しつけの効果がない!」などと嘆くパターンが少なくないようです。
犬のしつけがうまくいかない理由6:犬の「心」と向き合っていない
別にスピリチュアルな話ではありません。
簡単に言えば、犬一匹一匹に
- 性格
- その日の気分
- なんとなくの特徴
などがあるので、それと向き合ってしつけをしていきましょう。
という意味です。
例えば、近年よく「犬のしつけは『褒め』が大事」と言われていますが、
犬の心に向き合うことができていないと、
「実は褒められることに慣れ始めていること」や、
「実は大げさに褒めすぎてビックリさせている(怖がりな犬種に多い)」
などの事に気付くことができませんよね。
言わば、「心を向き合っている」のではなく「知識に向き合っている」状態ですので。
犬のしつけがうまくいかない理由7:「人間とは違う」ことを理解していない
「人間と違うなんて当たり前!」と感じるかもしれませんが、
それが心から理解できない場合は、
- 言葉に頼ろうとする(吠えちゃだめよ!など)
- 「人間のルール」を守ってくれると思い込む
- 「人間に気を使ってくれる」と思い込む
などの状態になるかもしれません。
犬のしつけに「絶対の正解」はありません
極端に言えば「ほとんどの犬に有効なしつけ」が、1パーセントの犬には逆効果かもしれません。また、「昨日はこのしつけで上手くいったのに、今日は全然反応が違う」なんて可能性もあります。
つまり、絶対の正解はない!
ということですね。
「だいたいの正解」はあるかもしれませんが、「犬のしつけは常に手探り」という事を意識しておくことをおすすめします。
だからこそ、犬を飼うのは楽しいんですけどね。
まとめ
犬のしつけがうまくいかない人の多くは、「知識不足」か「知識だけで満足している」のどちらかに分類できると感じます。心当たりがある方は今日から頑張りましょう。
また、「心」「絶対の正解はない」なんて少し難しい話もしましたが、「とにもかくにも運動が大事!」ということも忘れないでくださいね。