「犬の仰向け抱っこのやり方」と「落ち着かせ方」について、ご質問をいただきました。
「犬の落ち着かせ方」に重点を置いて、仰向け抱っこのトレーニング方法をお伝えしていきます。
仰向け抱っこが初めてのわんちゃんですので、どんな反応を示すかちょっとドキドキしながらの進行になりますが、一緒に学んでいければと思います!
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
愛犬の仰向け抱っこのやり方と落ち着かせ方
まずはわんちゃんを仰向けに寝かせる準備から
まず、わんちゃんを仰向けに寝かせるときの姿勢についてお話しします。
椅子に座ったままでも、床に座ってもらっても大丈夫です。
わんちゃんの大きさやあなたのやりやすさによって、選んでくださいね。
- 大型犬の場合:膝の上に収まらないことが多いので、床に座って行う方が安全でやりやすいです。
- 小型犬や中型犬の場合:膝の上でも問題ありませんが、椅子に座って膝の上に乗せると、わんちゃんが動きにくく、よりスムーズに進められるかもしれません。
どちらの方法でも、わんちゃんが安定してリラックスできるようにすることが大事です。
無理に押さえつけることは避け、わんちゃんが自然に仰向けの状態になれるように導いてあげましょう。
わんちゃんの脇に手を入れて抱き上げる
次に、わんちゃんを持ち上げる手順です。
まず、わんちゃんの脇の下に手を入れて持ち上げてください。
そして、そのまま仰向けの姿勢に寝かせます。
この時、無理に力を入れたり、強く押さえつけるのは避けてください。
わんちゃんがリラックスできるように、優しくゆっくり進めていきましょう。
前足の肘部分に手を当て、軽く押さえるように固定します。
無理に動きを制御しようとすると、かえってわんちゃんが抵抗してしまいますので、あくまでリラックスできる環境を作ることが大切です。
わんちゃんを徐々に落ち着かせる方法
最初はわんちゃんも驚いて抵抗するかもしれませんが、ゆっくりとした動作で前胸を撫でてあげると、徐々にリラックスしてきます。
始めたばかりのわんちゃんは何が起こっているのか理解できず、前足で少し抵抗することもありますが、続けているとだんだんと体の力が抜けていきます。
足が完璧に突っ張っている状態から、少しずつリラックスしてくると、足が下がり始め、最終的には完全に広がっていくようになります。
この状態になれば、わんちゃんが落ち着いている証拠です。
わんちゃんが抵抗したときの対処法
わんちゃんが抵抗して動き始めたときは、無理に力で押さえつけないようにしましょう。
前足の肘を押さえることで、自然に動きを止められるので、それ以上の力は必要ありません。
また、両手を離すのは危険です。
わんちゃんが暴れて逃げようとする可能性があるため、片手は常にわんちゃんの体を支え続けましょう。
慣れてくるまでは、わんちゃんが動かないように固定することが重要です。
愛犬とトレーニングを続けるためのポイント4つ
初めての仰向け抱っこでは、1日で完全に落ち着かせるのは難しいこともあります。
- わんちゃんの押さえる場所と力加減
- 身体を徐々に触る場所を増やす
- 腹筋の状態を確認
- ブラッシングやお手入れ
無理をせず、1週間から2週間程度のスパンで徐々に慣れさせていくのがベストです。
トレーニングの間に、わんちゃんができたことを褒めてあげることも忘れずに。
ポジティブな体験を積み重ねることで、わんちゃんも次第にこの体勢にリラックスできるようになります。
わんちゃんの押さえる場所と力加減のポイント
暴れた時には、足を床や膝に密着させるイメージで押さえてください。
そうすることで、わんちゃんは起き上がれなくなります。
また、腕だけで固定しようとすると、わんちゃんを痛めてしまう可能性があるので、しっかりと肘を押さえるようにしましょう。
小型犬の場合、片手で前胸を押さえるだけでも十分に固定できますが、力が強い大型犬や中型犬では、しっかりと肘を押さえながら進める方が安全です。
わんちゃんの身体を徐々に触る場所を増やしていく
わんちゃんが少しずつリラックスしてきたら、前足や後ろ足、胸のあたりを軽く触っていきます。
最終的には尻尾や背中など、体全体をリラックスした状態で触れるようになるのが目標です。
この体勢でお手入れができるようになると、ブラッシングや爪切りなどもスムーズに行えるようになります。
焦らず、少しずつわんちゃんが力を抜いていくのを見守りながら、進めてください。
わんちゃんの腹筋の状態を確認しよう
仰向け抱っこでわんちゃんの腹筋を軽く触ってみると、最初は固く緊張していることがわかります。
これが完全に柔らかくなってくると、わんちゃんがリラックスした証拠です。
この状態を目指して、ゆっくりとトレーニングを続けていきましょう。
体に力が入っていてもお手入れが全くできないわけではありませんが、可能であれば、完全にリラックスした状態で進めるのが理想です。
少しでも力が抜けてきたら、その都度褒めてあげることがポイントです。
わんちゃんのブラッシングやお手入れ
まずは、前足からブラッシングを始め、徐々に後ろ足や胸のあたりを進めていきます。
ブラッシングが終わったら、今度は顔周りのお手入れに移りましょう。
わんちゃんは、顔を触られると少し嫌がることがありますが、慣れてくると徐々に抵抗が少なくなってきます。
片方の手で顔を押さえながら、もう片方の手で歯や耳の中、目やにを軽く触る練習をしていきましょう。
愛犬の仰向け抱っこを始める前に大事なこと
いきなりお手入れに進まず、まずはわんちゃんがリラックスできるよう、体全体に優しく触れることが大切です。
焦らずに少しずつ、段階を踏んで進めていきましょう。
しつこいようですが、目的はわんちゃんをリラックスさせることです。
スピーディーに進めると、わんちゃんが落ち着けないまま終わってしまいます。
寝かしつけるイメージで、ゆっくりと進めることがポイントです。
わんちゃんを撫でる時の3つのポイント
- 撫でる際は、とにかくゆっくりと。わんちゃんが落ち着けるようなテンポで、焦らずに。
- シャカシャカ撫でたり、わしゃわしゃと動かすと、興奮してしまいます。
落ち着かせるためには、ゆっくりが一番です。 - 暴れた場合は、しっかりと押さえつけて、再びリラックスさせましょう。
暴れてしまうと、わんちゃんは「逃げられる」と勘違いしてしまいます。
しっかりと時間をかけ、わんちゃんがリラックスできるようにしてあげれば、お手入れもスムーズに進むはずです。
わんちゃんが落ち着いたら
ゆっくりとリラックスしたわんちゃんは、嫌な要素が少なくなるので、お手入れを嫌がることが減ります。
最初は少し不快に感じるかもしれませんが、徐々に慣れてくると良いコミュニケーションにもなります。
わんちゃんがリラックスしている時に、無理に声をかける必要はありませんが、しっかりリラックスできたら、「よしよし」「いい子だね」といった声掛けをしてあげると良いですね。
愛犬との環境づくりの大切さ
わんちゃんがリラックスできる環境で行うことも大切です。
もし暴れた場合、一度でも逃がしてしまうと、わんちゃんは「暴れれば逃げられる」と思い込み、ますます暴れるようになります。
そのため、絶対に逃がさないよう、しっかり押さえることが重要です。
お手入れよりも、まずはわんちゃんを起き上がらせないことに集中してください。
暴れたら一度中断し、しっかりと押さえ込みに専念します。
これはとても大切なポイントです!
わんちゃんの正しい仰向けのやり方
わんちゃんが暴れた場合、すぐに仰向けの姿勢に戻すことが大切です。
少しでも横を向いてしまうと、前足を抜かれてしまうことがあるので、しっかり真上を向かせてあげましょう。
わんちゃんを仰向けにするタイミングに注意
仰向けにするタイミングには注意が必要です。
特に、ご飯を食べた後や水をたくさん飲んだ後は、仰向けにするのは避けてください。
胃に物が入った状態での仰向けは、非常に危険な姿勢になりますので、絶対にやらないようにしましょう。
胃捻転などのリスクが高まるため、食後や飲水後は特に注意が必要です。
落ち着いた時間を見計らって仰向け抱っこをするようにしてください。
わんちゃんの仰向け抱っこを終えるタイミング
わんちゃんがリラックスし、力が抜けたら、そっと起き上がらせてあげましょう。
この時、起き上がるタイミングに注意が必要です。
「よし」と声をかけると、わんちゃんは自分で起き上がる方法を覚えてしまい、抱っこ中でも起き上がろうとするようになってしまいます。
そのため、人の手でそっと起き上がらせてあげることが大切です。
無抵抗な状態で、ゆっくりと起き上がらせて、終了しましょう。
愛犬の仰向け抱っこのポイント まとめ
今回、仰向け抱っこのやり方について詳しく解説しました。
以下のポイントをしっかり押さえて、わんちゃんにとって快適な抱っこを心がけてください。
わんちゃんの仰向け抱っこの重要なポイント
- 仰向けにしたら、絶対に起き上がらせない
- お手入れよりも、まずはわんちゃんをリラックスさせることが目的
- 撫でる時はシャカシャカせず、ゆっくりゆっくりが基本
- 仰向け抱っこは、少なくとも20~30分かけてリラックスさせることが理想
- 食後や飲水後には、胃捻転などの危険があるため絶対に仰向け抱っこをしないように
仰向け抱っこをする際は、わんちゃんをリラックスさせることを目的とし、焦らず、慎重に進めてください。
お手入れと仰向け抱っこが結びつくと、わんちゃんにとって不快なイメージが残りやすくなります。
そのため、まずはリラックスに専念し、少しずつお手入れを進めていきましょう。
わんちゃんのペースに合わせて、無理せず、リラックスした状態で進めることが大切です。
焦らず、じっくりと時間をかけてあげてくださいね。
仰向け抱っこは、繰り返し行うことで、わんちゃんも慣れてくれます。
何度でもこの記事を見返していただき、細かいポイントまでしっかりと確認しながら、練習を続けてください。
わんちゃんとの絆を深める大切な時間ですので、リラックスした環境で、ぜひ楽しんで進めてくださいね。