お散歩は犬の運動や気分転換として、必須項目の1つです。
落ちつきが無くて、お散歩に連れて行くと疲れてしまう飼い主さんもいます。
お散歩トレーニングの方法をプロのドッグトレーナーが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
7ヶ月目の子犬を迎えて8ヵ月目になりましたが、落ち着きがなく困り果てています。
二足歩行が得意で、その姿勢で飼い主(夫婦二人)やお散歩中に他のわんちゃんにも飛びつきます。
時々私の顔にひっかき傷が出来るほどです。
とにかく落ち着きがなく、お散歩もしつけもまともに出来ません。
左を歩かせようとしても、信じられない力で前へ前へあちこちと進んでいきます。
ご飯は遊びの延長で食べます。
散らかしてバラバラにして、1つ1つ選択しながら食べて行きます。
ボールの中で普通に犬らしく食べて欲しいです。
私か主人が隣にいないと食べなくて、カリカリ食べながら食べ終わるまでに1時間くらいかかります。
お散歩中の引っ張り
ご相談者さんの愛犬は8ヵ月のパピヨンです。
未だ月齢が若いので、お散歩中に興味があるものが目に入ると突っ走ってしまっているのではないかと思います。
お散歩に関するしつけをきちんと行っていない場合には、自由行動をしてしまうことは自然の流れだと言えます。
人の左側について歩調を合わせて歩くことは無いでしょう。
お散歩に関するしつけが完了していると、人の左側について歩き横断歩道や信号待ちの時には座って待つことが出来るようになります。
他の犬とすれ違う時にも吠える、飛び掛かるなどをすることはなく、素通りするまたはお行儀よく挨拶をすることが出来るようにもなります。
生後8ヵ月の子犬でもお散歩に関するトレーニングは、難しくありません。
当たり前のことですが、犬の持って生まれた感覚として、人の左について歩くということはありません。
人の左側について歩かせるためには、人の左側について歩くことに関するイメージを良くする必要があります。
犬は、自分の思うままに自由に動ける方が楽しいと思うことは当然のことです。
外を歩くと気分転換になります。
匂い嗅ぎをしたり、珍しい物が落ちていたら拾い食いをするなど、犬にとって楽しいことがあると思います。
それ以上に人の横に着いて歩いた方が良いことがあると教えてあげましょう。
飼い主さんが犬に引っ張られている光景を見ることがありますが、犬の首に負担がかかってしまうので、よくありません。
飼い主さんとしては、犬が自分の行きたい方に向かって勝手に歩かせてしまうと、危険なことが沢山あります。
スピードを出して走っている自転車に弾かれそうになったり、人に踏まれてしまうなどの事故が起きてしまうこともあります。
犬の安全は、飼い主さんが守ってあげなければなりません。
人の横30cm程度の場所を歩かせることで、危険なことから守ってあげることが出来ます。
お散歩のトレーニングはきちんと行うことをおすすめします。
お散歩トレーニングの方法
理想的な犬のお散歩は、外に連れて行っていきなり出来るわけではありません。
人の横に着いて歩くことは、犬にとって大変なことです。
外は犬にとって刺激が多い場所で、色んな匂いがする場所で人に集中を向けることは難しいのです。
犬のしつけハグでは、まず家の中出来ちんと歩けるようにトレーニングを行っています。
家の中で理想的な歩き方が出来なければ、外にお散歩に出た時に出来ることはないでしょう。
家の中のような目新しいことはない慣れた場所で、人の横に着いて歩けるかどうか試してください。
家の中でさえも最初から人の横に着いて歩ける犬は、ほとんどいません。
雨の日の犬の散歩は必要?雨の日のお散歩は、必要ありません。普段から室内での運動不足の解消法や室内でまったり過ごせるように
家の中で人の横に着いて歩くことができたら、沢山褒めてあげて下さい。
まずは家の中で人の横に着いて歩くという認識が出来たら、外に出た時の基礎が出来たことになります。
基礎を作ってあげて、外の刺激の多い環境の場所でも歩くことが出来るのか試してみて下さい。
練習をせずにいきなり本番を迎える方が多いです。
トイレに関しても同じことが言えます。
家の中で自由な生活をさせていても、トイレを覚えることはできません。
まずは、刺激の少ない家の中で練習をして、お互いに感覚を掴んでから本番である外に出てきちんとお散歩が出来るか試してみることをお勧めします。
刺激の多い外に出てみたら匂い嗅ぎをしてしまうのであれば、リードを引っ張る・声を掛けるなどの方法でこちらに意識を向けさせるなどの方法を取って下さい。
家の中で出来るようになっても、いきなり人の行き来が多い場所やお散歩わんちゃんが多い場所に行ってしまうことは避けてください。
最初から刺激が多い場所に行っても成功させることは難しいでしょう。
なるべく人の通りが少ない場所や、静かな時間を選んでお散歩に行くようにして下さい。
トレーニングは段階を踏んで行うことを忘れないで下さい。
犬のしつけハグでは、室内で行うお散歩のトレーニング方法をご紹介しているので、是非参考にしてみて下さい。
外にお散歩に行く前に、家の中でしっかりとトレーニングをしてから本番を迎えるようにすることはとても大切です。
犬が人の左側に着いて歩くことが出来るようにすることには、意味があります。
犬が何かに反応をしてもリードで合図を送るなどして、危険なことから未然に防ぐことができます。
例えば、お散歩が大好きな犬の場合、リードを見せただけで吠えるなど喜ぶ場合があります。
興奮した状態でお散歩に出てしまうと、走ったりリードをぐいぐい引っ張るなど危ない可能性があります。
その場合は、まずは家の中で落ち着かせてから外に出て欲しいと思います。
室内で歩く練習をする時には、左回りです。
遊び食べの予防方法
遊びながら食事をする場合、ご飯に対して集中が出来ていない可能性があります。
これは、どんな犬にも起こり得る状況です。
まずは犬が食事に集中できる環境と作ってあげて下さい。
広いリビングにフードを置いても、食事に集中させることは難しいかもしれません。
遊び食いをしてしまう場合には、ケージの中などの狭い空間に食事をセットしてあげましょう。
視覚での誘惑もあるのであれば、ケージをタオルや段ボールなどで覆い周りが見えないようにしてあげて下さい。
それでも食べないのであれば、フードを変えてあげる必要があります。
少しでも食べるのであれば、あまり神経質にならずに様子を見て下さい。
水でふやかす、電子レンジで温めてニオイを強くさせるという方法も有効です。
まずは、ご飯に集中できるような環境にするところから始めて見てください。
犬の食事の注意点
犬は、味覚はあまり優れていませんが、嗅覚が優れています。
そんな中でも、犬にとっても好みか好みではないかという問題があります。
犬の好みを尊重してあげたいのですが、限度があります。
犬によっては、食べなくなればより美味しいものが出てくると思っていることがあります。
食べなくなったら違うものを与えていたら、最終的に食べられるものが無くなってしまうのです。
犬の好みに合わせてしまうと、健康管理をすることが難しくなってしまいます。
月齢に合ったドライフードを与えて下さい。
飼い主さんが続けられるのであれば、犬用に手作りのご飯を作って与えることも悪くありません。
ただ、飼い主さんが手作りのフードを作れなくなった時、災害時などに困ります。
困るのは犬です。
日常的にドライフードを与えることが、手に入りやすい、コストパフォーマンスが良いという点でベストであると考えています。
遊び食いの改善としては、犬の食いつきの良いフードを見つけてあげることが一つの方法です。
よくある方法として、食べない場合には食器を下げることが有効です。
犬は、お腹が空いたら好みではなくてもフードを食べます。
ご飯を与えても興味を示さない場合には、下げてしまって構いません。
子犬の時期は、一日に3回、成犬になったら1日に2回程度のご飯の時間を作って下さい。
まとめ
外にお散歩に行く前に、まずは家の中でトレーニングを行いましょう。
外と比較すると刺激の少ない慣れた家の中で、人の左側を歩く練習をして上手に出来たら褒めてあげて下さい。
家の中できちんと歩くことが出来るようになったら、まずは一通りが多くない場所や時間を選んでお散歩をしましょう。
慣れてきたら、徐々に人が多い場所に連れて行くと良いでしょう。
遊び食いは、食事に集中できる環境を作るところからスタートしてみて下さい。
時間をかけても食べないのであれば、食事に興味がない可能性があるあので、食器を下げましょう。
食事に集中出来る環境を整えても食べない場合には、フードを変えてみて下さい。