「犬を飼うということ」というテーマで、全8回にわたって紹介します。第2回目は「犬のトイレトレーニングについて」です。
ペットショップやブリーダーから犬を迎え入れる方が多いでしょう。
家に迎え入れて犬のトイレを設置すれば、犬は勝手にトイレで排せつをするというわけではありません。犬の排せつ事情について、詳しくご紹介します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
犬のトイレの認識について
犬はトイレで排せつをしてくれるの?
犬にトイレの場所をきちんと教えてあげなければ、いろんな場所で排せつをします。
犬には、必ず1からトイレを教えてあげる必要があります。
犬を迎え入れてすぐに、トイレシートの上でおしっこやうんちが完璧にできる犬は、大変珍しいといえます。
ペットショップやブリーダーから犬を迎え入れた場合、ケージの中でトイレと寝床を半々に分けて管理する方が多いでしょう。
ケージの中では寝床で寝る、トイレで排せつをするということが上手くいっているケースがほとんどです。
しかし、ケージの外に出すと
- ケージに戻ってトイレをしてくれない
- そこら中で排せつをしてしまう
など、トイレに関するお問い合わせを数多く頂いています。
トイレの失敗の原因とは?
なぜ、ケージの中ではトイレで排せつが出来ていたのに、ケージの外に出すとトイレで排せつが出来なくなってしまうのでしょうか?
理由の一つとして挙げられるのは「ケージに対して嫌なイメージを持っていることが多い」ことです。
では、なぜ犬がケージに対する嫌なイメージを持っているのかについてお話します。
飼い主さんが犬をケージに入れるのはどのような時か?を考えてみてください。
多くの方から
- お留守番させる時
- 飼い主さんが寝る時
という答えが返ってきます。
犬はケージの中に入ると何時間も出ることができないため、嫌なイメージを持っていることが多いのです。
そのため、ケージの中にあるトイレに自ら入っていくことは、自分から閉じ込められに行くようなものなのです。
入りたくても入れない状況かもしれません。
犬にトイレを覚えてもらうためには、ケージの中ではなく外に新たなトイレを設置してください。
ケージの中ではトイレが上手くできている場合でも、トイレの場所を認識しているとは限りません。
犬はきれい好きなので、寝床以外の場所で排せつをしているという理由で上手くいっていたという可能性もあります。
寝床以外の場所という理由でトイレで排せつしていた場合は、トイレの認識はゼロであるとお考えください。
ケージの外に出したら、ところかまわず排せつをしてしまうのは当たり前です。
トイレの認識ができている犬は、ケージの外に出してもトイレトレーを設置すればトイレに行こうとする傾向にあります。
トイレの認識ができている犬と出来ていない犬では、スタートラインが違ってきます。
でも、ご安心ください。
人がトイレをきちんと教えてあげれば、犬はトイレを認識することができます。
トイレに行きたそうなしぐさや行動をとったら人がトイレに促してあげる、排せつを済ませてからケージの外に出してあげるなどの方法でトイレの失敗を無くすことができます。
トイレに関しては、手取り足取りトレーニングを行うことが必須です。
トイレトレーニングに要する時間
トイレトレーニングは、とても時間がかかります。
犬のしつけハグでお預かりしてトイレトレーニングを行う際は、必ず飼い主さんに説明させて頂いています。
例えば、指示語を教える場合には20~30分程度の時間しかかかりません。
一方のトイレトレーニングは、「排せつ」という生理現象が伴います。
そのため、どうしても時間がかかってしまいます。
毎日同じことを繰り返し、成功したら褒めてあげる、失敗したら何も言わずに片付けてあげる日々が続きます。
犬が失敗をしたら人が学習をして、失敗しないように導いてあげます。
ドッグトレーナーがトイレトレーニングを行う場合は、仕事として行うためトイレを教えるための十分な時間があります。
しかし、飼い主さんが犬にトイレを教える場合には時間が足りないことがほとんどです。
日中は仕事に行き、帰宅すると排せつを失敗している状態である場合、犬にトイレを覚えさせることは難しいでしょう。
家でトイレトレーニングを行いたい場合は、土日など飼い主さんが十分に犬と一緒にいる時間を確保することができる時に行って頂きたいと思います。
犬が自分でトイレに行くよう、指示語でトイレに促してあげるなどの行為が必要です。
トイレトレーニングを家で行うことは不可能ではありませんが、時間や根気が必要となるため大変難しいです。
そのため、犬のしつけハグではトイレトレーニングのご依頼を頂くことが多くなっています。
まとめ
犬のトイレトレーニングについての解説をしました。
犬のトイレは1から教えてあげる必要があります。
排せつはきちんとトイレで出来ていたのに、自分で踏んでしまって汚してしまうという可能性もあります。
遊びの一環としてトイレシートを噛んで散らかしてしまう、おもちゃにしてしまうこともあるでしょう。
飼い主さんの気持ちとして、仕事で疲れて帰って来た時に癒されたいと思って迎え入れたのに、家の中が糞尿まみれになっていることでノイローゼになってしまうというケースも少なくありません。
しかし、犬のトイレはきちんとトレーニングを行わなければ認識することはできないということをご承知おき頂きたいと思います。
飼い主さんの留守中に愛犬が糞尿まみれになっていることもある、また排せつ物の片づけは飼い主さんが行わなければならないということは、認識しておいてください。
特に、仕事の時間が不定期である方、帰宅時間が遅くなる方は、犬を迎え入れる前によく考えてから決断して頂きたいと思います。
一人暮らしではなくパートナーや家族がいる方は、犬のお世話を協力して行うこともできるでしょう。
しかし、一人暮らしの方や一人で犬のお世話をしなければならない方は、少し厳しいかもしれません。
トイレトレーニングは簡単ではないという事をご承知おきください。
犬のお世話がストレスになる方は、少なくありません。
少し厳しい言い方になってしまいますが、「癒されたい」という思いだけで犬を飼うことは控えて頂きたいと思います。