お散歩は、犬にとって運動になるだけではなく、気分転換にもなるので毎日の楽しみでもあります。
沢山の刺激をもらうことも出来るので、とても良いことです。
しかし、最初から上手にお散歩ができるとは限りません。
犬のお散歩について、プロドッグトレーナーが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
犬種:柴犬
月齢:4ヵ月半
性別:メス
お散歩デビューして二週間ほど毎日お散歩チャレンジしていますが、歩いてくれません。
尻尾が上がっていることが多いので怖がっている感じもなさそうです。
他の犬や人が通ると構って欲しくて寄って行ったり走り寄ったりはしていますが、いなくなると座り込むか伏せてしまいます。
オヤツで立ち上がるよう促したり、歩いたら褒める&おやつをあげるも試しましたがダメです。
ハーネスをつける時は逃げたりしないのでハーネスが嫌というわけでもなさそうです。
散歩に出ても犬が歩かない理由
恐怖心から歩かない
4ヵ月でお散歩デビューした子犬について、ご質問を頂きました。
お散歩に出ても歩かない、歩けない理由の1つに恐怖心が挙げられます。
恐怖心がある場合には、犬は尻尾が下がります。
怖がっている時、犬は尻尾を股に挟んでいるように見えるくらいに尻尾が下がる場合もあります。
飼い主さんから見て、怖がっているということが一目瞭然です。
不安や恐怖心があっても尻尾が下がらない犬もいるので、一概にはいえませんが尻尾が下がるケースが多いです。
文章から予測すると、ご相談者さんの犬は尻尾が上がっているということなので恐怖心から歩けないのではないと思います。
わがまま
お散歩に出て歩かない場合、恐怖心ではないのであればわがままである可能性があります。
他の犬や人が来ると寄っていくということなので、立ち止まればおやつが貰えるのではないかという期待をしているなど、悪知恵が働いている可能性があるのではないかと思います。
自分が行きたくない方向に向かわせられるのが嫌で、わがままを言っているということも考えられます。
お散歩デビュー
ご相談者さんの愛犬は生後4ヵ月の子犬です。
ハーネスやリードを着けられて、室内とは異なる外の刺激が多い環境で歩くことに慣れていません。
例えハーネスを着けることを嫌がらなくても、普段とは違う状態です。
アスファルトにも慣れていません。
外にはニオイや音などの刺激が沢山あるため、どうしたら良いのかわからずにフリーズしてしまう子も少なくありません。
いきなり刺激の多い場所に連れ出すのではなく、準備をすると良いでしょう。
犬のしつけハグでは「室内ウォーキング」を行っています。
室内でリードやハーネスを着けた状態で、人の横について歩けるかどうか試してみて下さい。
人の横について歩く練習をせずに、いきなり外に出て人と歩調を合わせて歩くことはなかなか出来ません。
まずは室内の慣れた場所で、リードやハーネスを着けて歩く練習をして下さい。
室内できちんと歩くことが出来るようになったら、外に連れ出してあげましょう。
お散歩デビューをするためには、少しずつステップアップをしていくことが大切です。
雨の日の犬の散歩は必要?雨の日のお散歩は、必要ありません。普段から室内での運動不足の解消法や室内でまったり過ごせるように
いきなり外に連れて行って、問題なく歩くことは難しいと言えます。
犬の状態を見ながら進めて下さい。
怖がっているのではなく、わがままで歩かない場合にはリードで合図を送るなどの方法で、歩かせて下さい。
犬が立ち止まっても飼い主さんが進もうとすれば、犬は諦めて着いてきます。
人が主導権を握ることがとても重要です。
お散歩のポイント
お散歩のポイントは「人が主導権を握ること」「犬に気を遣いすぎない」この2点です。
怖がっている犬に対しては、不安なことは無いということに気付いてもらえるようにすると良いでしょう。
いきなり大きな音がする場所、大通りや工事現場の近くなどを歩くことは避けて下さい。
怖がっている場合には、静かな場所まで抱っこして連れて行き、着いたら下ろしてあげて下さい。
静かな場所で歩けるようになったら、少しずつ刺激を与えてあげましょう。
刺激とは音だけではなく、ニオイや視覚などもあります。
時間をかけて、徐々に慣らしてあげて下さい。
お散歩デビュー時のテンション
4ヵ月の子犬がお散歩デビューをする場合は、優しく声かけをすると良いでしょう。
あまりスパルタで教えることはお勧めできません。
特に、ご相談者さんの愛犬は柴犬なので、頑固な性格である場合が多いです。
飼い主さんが少し楽しい雰囲気を作ってあると、犬も着いてきます。
ただし、最初からテンションが高い犬にやってしまうと逆効果です。
飼い主さんがあまり楽しい雰囲気を作ってしまうと、更にテンションがあがってしまいパニック状態になる可能性があるからです。
走り出してしまうなど、危険なのでご注意下さい。
犬の様子をみて、飼い主さんが雰囲気を作ってあげるようにしましょう。
室内ウォーキングのやり方
犬のしつけハグでウォーキングのトレーニングを行う場合、犬は人の左側について歩くように教えます。
犬のことを引っ張らずに、リードはたるませた状態で歩きます。
ポイントは、犬が自ら歩くことです。
人が引っ張らずに、犬が自分で人の左側を歩くことが出来るようにトレーニングします。
最初は、ゆっくりと歩き徐々にスピードを上げて行きましょう。
スピードを上げても犬がついてくることを確認したら、またゆっくり歩いて下さい。
スピードを変えても、人についてきちんと歩けるようになるようにトレーニングをしていきます。
出来たら、沢山褒めてあげることを忘れないで下さい。
「おいで」などと声をかけてあげると良いでしょう。
室内で練習をする際は、同じ場所をぐるぐると何周も回っても良いですし、室内でいろいろな場所に行ってもどちらでも構いません。
普段過ごしている慣れた室内での練習をしっかりと行い、しっかりと歩けるようになったら、外でのお散歩デビューです。
お散歩は、ただ一緒に歩くだけだから難しくないと思われがちです。
しかし、実際には刺激の多い外でしっかりと人に着いて歩くことは簡単ではありません。
大きな音や匂いなど、犬が気を反らせてしまう物が沢山あります。
室内でトレーニングをしておけば、外でお散歩をしても短い時間で慣れる可能性が高くなります。
お散歩を楽しむために、しっかりと準備をすることをお勧めします。
多頭飼いのお散歩
多頭飼いの方がお散歩に行く場合、1頭ずつではなく全員一緒にお散歩に行く方が殆どです。
何度も行くには時間も労力もかかるため、一度に行く方が多いと思います。
しかし、お散歩デビューをしていない犬がいる場合には、慣れるまでは別々にお散歩する方が良いです。
お散歩に慣れている先住犬がいる場合には、まだお散歩に慣れていない犬とは別でお散歩に行き、一緒に行けるようになるようにトレーニングをして下さい。
ある程度、きちんと人の横に着いて歩けるようになったら先住犬と一緒に連れて行きましょう。
最初から先住犬とお散歩に慣れていない犬を一緒に操ることは難しいです。
時間がかかってしまうかもしれませんが、慣れてから一緒にお散歩を楽しんで下さい。
まとめ
お散歩デビューに関するご質問に回答しました。
お散歩に出ても歩かない場合には、2つの理由が考えられます。
「恐怖心」「わがまま」の2つです。
室内とは異なり、大きな音や様々な匂いなど犬が怖いと感じる物が沢山あります。
怖がっている場合には、飼い主さんが怖くないということを教えてあげると良いでしょう。
わがままである場合には、立ち止まっても飼い主さんが歩こうとすれば犬は諦めて着いて来ます。
人が主導権を握ることが大切です。
お散歩デビューをする際には、いきなり外に連れて行くのではなく室内でトレーニングを行うことをお勧めします。
室内で人の左側について、人のペースに合わせて歩くことが出来るように練習してから外に出ると良いでしょう。
事前準備をしっかりと行い、愛犬とのお散歩を楽しんで下さい。