おやつもおもちゃも使わない犬のしつけ

怖がりなわんこにしてはいけない事

怖がりなわんこにしてはいけない事

怖がりな愛犬を迎え入れた際、
早く仲良くなりたい一心で「良かれ」と思ってしていることが、
実は逆効果になっているかもしれません。
本記事ではプロドッグトレーナーが、
臆病な犬に対して「やってはいけないこと」や、
信頼関係を築くための正しい距離感、お家でフリーにする際の注意点を詳しく解説します。

Kawashima

Profile 川島 恵 ドックトレーナーとして12年目の令和元年に東京の世田谷区と文京区にあるドッグトレーニング犬のしつけ教室をオープン。 『スッキリ』(日本テレビ系)犬のしつけ専門家として出演電話出演。 テレビ東京「どうぶつピース!!」に出演。「おやつ、おもちゃ無しのしつけ」でドッグトレーニングする犬のしつけの専門家

怖がりなわんこの特徴と背景を理解する

怖がりなわんこの特徴と背景を理解する

まず、どのような状態を「怖がり」と呼ぶのでしょうか。

プロドッグトレーナーの視点では、以下のような行動が見られるわんちゃんを、比較的怖がりな傾向があると考えます。

  • ケージやクレートの扉を開けても、積極的に外に出てこない
  • 部屋の隅でじっとしていることが多い
  • 新しい環境や人に対して、自分から近づこうとしない

こうした性格の背景には、大きく分けて二つのパターンがあります。

1. 先天的な気質(生まれ持った性格)

怖がりなわんこの特徴と背景を理解する

人間と同じように、犬にも生まれ持った性格があります。

パピーの頃から慎重で、刺激に対して敏感なタイプです。これは個性のひとつであり、決して悪いことではありません。

2. 後天的な要因(過去の経験やトラウマ)

怖がりなわんこの特徴と背景を理解する

元保護犬などの場合、過去に虐待を受けたり、人に対して怖い思いをしたりした経験があるケースです。

特に野犬出身の子などは、人に対して心を閉ざしがちで、警戒心が非常に強い傾向にあります。

こうした過去の「闇」を抱えている子の場合は、より慎重なアプローチが求められます。

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怖がりなわんこに「絶対にしてはいけないこと」

怖がりなわんこに「絶対にしてはいけないこと」

怖がりなわんこと接する上で、最も注意しなければならないのが「飼い主側の焦り」です。

早く慣れてほしい、仲良くなりたいという気持ちが先行しすぎると、わんちゃんとの距離はかえって開いてしまいます。

飼い主が焦ってグイグイ近づくこと

怖がりなわんこに「絶対にしてはいけないこと」

「このまま一生、人に慣れないのではないか?」と不安になり、無理にスキンシップを取ろうとするのは逆効果です。

犬は飼い主の焦りや緊張を敏感に察知します。

わんちゃんがまだ心の準備ができていない、あるいは「この人は大丈夫かな?」と疑っている段階で、人間側からグイグイと距離を詰められると、犬にとっては恐怖でしかありません。

過度な刺激は拒絶反応を引き起こし、せっかくの信頼構築をゼロ、あるいはマイナスにしてしまう可能性があります。

最初から厳しいトレーニングを行うこと

怖がりなわんこに「絶対にしてはいけないこと」

「しつけをしなければ」という思いから、警戒心が強い時期にビシバシと厳しいトレーニングを始めるのも避けるべきです。

萎縮している子に強い刺激を与え続けると、さらに心を閉ざしてしまいます。

まずは「安心できる環境」を作ることが最優先です。

信頼関係を築くための正しいアプローチ

信頼関係を築くための正しいアプローチ

「こっちから行かないでください」と言うと、全く何もしなくていいのかと思われがちですが、それは違います。

人間が全く何もしなければ、犬が自分から変わるきっかけも生まれません。

犬との信頼関係を築くための3つのコツ

「触ること」だけがコミュニケーションではない

信頼関係を築くための正しいアプローチ

多くの飼い主さんは「撫でる=コミュニケーション」と考えがちですが、怖がりな子にとっては触られることがストレスになる場合もあります。

大切なのは、以下のステップで「人への安心感」を育てることです。

  • 日常の声掛け: 「おはよう」「今日のご飯だよ」など、何気ない言葉をかけ続けましょう。人間が穏やかに話しかけることで、「この人は攻撃してこない、大丈夫な人だ」という認識が徐々に芽生えます。
  • 同じ空間で過ごす時間を増やす: お散歩や食事の時だけでなく、何もしなくても同じ部屋にいる時間を長く作ります。「一緒にいても何も悪いことが起きない」と理解させることが、共同生活の第一歩です。
  • 「良いこと」と結びつける: 「この人が近くに来ると良いことがある(ご飯が出る、おやつがもらえる)」と思わせることで、自発的な興味を引き出します。

お家での「フリー」と「自由」の考え方

お家での「フリー」と「自由」の考え方

怖がりなわんちゃんを部屋でフリーにする際、単に放任するのではなく、その子のペースを見極めることが重要です。

変化を焦らず、小さな進歩を見守る

お家での「フリー」と「自由」の考え方

最初はケージから一歩も出られなかった子が、人がいない時だけ少し出てきたり、部屋の隅から少しずつ活動範囲を広げたりすることがあります。

これは、わんちゃんがその環境に慣れてきている証拠です。

わんちゃんのペースに合わせてあげることが、結果として一番の近道になります。

人がリードしようとするのではなく、わんちゃんが「自分で選んで一歩踏み出す」のを待ってあげてください。

環境作りと飼い主のスタンス

お家での「フリー」と「自由」の考え方

飼い主ができることは、以下の2点に集約されます。

  1. わんちゃんが安心して過ごせる「環境作り」
  2. 「この人は無害である」と感じさせる飼い主の「立ち位置(スタンス)」

この土台ができて初めて、本格的なトレーニングやしつけがスムーズに入るようになります。

【Part.3 管理方法】飼育環境は1種類じゃない!犬の性格+飼い主の日常に会ったベストな生活スタイルを見つけよう!

まとめ:時間は解決してくれる

まとめ:時間は解決してくれる

怖がりなわんちゃんとの生活は、時に忍耐が必要です。1年経ってもなかなか進展がないと感じることもあるかもしれません。

しかし、多くのケースで最終的には「時間が解決してくれる」ことが多いのも事実です。

焦らず、比べず、その子の個性を尊重しながら、まずは同じ空間にいるだけで幸せだと思える関係を目指しましょう。

わんちゃんの性格や状況によって最適なアプローチは異なるため、不安な場合はプロのアドバイスを仰ぐことも一つの方法です。

今回ご紹介した「やってはいけないこと」を避け、愛犬が心を開いてくれるのをゆっくりと待ってあげてください。