愛犬が夜中に突然鳴き出したり、朝まだ暗いうちから鳴き始めたりして、
寝不足に悩まされている飼い主さんは少なくありません。
「寂しいのかな?」「お腹が空いたのかな?」と構ってしまうと、
実は逆効果になることも。
今回はプロのドッグトレーナーが、夜泣き・朝の早泣きの原因と、
愛犬も飼い主も安眠できるための解決策を詳しく解説します。
Kawashima
犬の夜泣き・朝の早泣きには理由がある!まずは原因を突き止めよう

犬が夜や早朝に鳴くのには、必ず何らかの理由があります。
特に子犬期と老犬期ではその性質が異なりますが、まずは愛犬がなぜ鳴いているのか、その「原因」を観察することから始めましょう。
子犬期の夜泣きは「要求」や「寂しさ」が中心

子犬が夜に騒いでしまう主な原因は、以下の通りです。
- トイレに行きたくなった、またはトイレを失敗して汚れたから片付けてほしい
- ふと目が覚めてしまい、寂しくて誰かに構ってほしい
- 遊び足りなくてエネルギーが余っている
これらは「要求吠え」の一種であることが多く、鳴けば飼い主さんが来てくれる、構ってくれると学習してしまうと、さらにエスカレートする傾向があります。
老犬期の夜泣きは「認知症」の可能性も

一方で、シニア犬(老犬)になってから急に夜泣きが始まった場合は注意が必要です。
人間と同じように、認知症による徘徊や、体内時計の狂いからくる夜泣きである可能性があります。
この場合は、しつけやトレーニングだけでは解決できないケースも多いため、獣医師への相談も視野に入れつつ、環境を整えることが優先されます。
ただし、成犬期までにしっかりトレーニングができていると、老犬になってもある程度コントロールがしやすいのも事実です。
夜泣きを改善するための具体的なトレーニングと環境づくり

夜泣きを改善するために最も効果的なのは、愛犬の「生活リズム」と「寝る場所」を整えることです。
睡眠欲を高めるスケジュール設定

特に子犬の場合、夜寝かせる時間が早すぎると、夜中に体力が回復して目が覚めてしまいます。
改善策として、以下の方法が有効です。
- 夜寝る時間を少し遅めに設定し、その分朝までぐっすり眠れるように調整する。
- 寝る前に少し頭を使う遊びをしたり、ご飯を食べさせたりして、適度な疲労感と満足感を与える。
- 「ご飯の30分後に眠そうにする」など、愛犬の個別のリズムを把握し、そこに合わせて就寝時間を決める。
クレート・ケージ管理の徹底が解決の近道

お家の中で完全に「フリー」の状態で寝かせていると、実は夜泣きのコントロールが難しくなります。
犬がどこでも自由に動ける状態だと、スイッチが切れにくく、飼い主さんのわずかな動きにも反応してしまうからです。
プロの視点からおすすめするのは、クレートやケージの中での就寝です。
「クレートに入れば今は休む時間だ」という習慣が普段からついていれば、夜になってもスムーズに脳が休息モードに切り替わります。
普段からクレートトレーニングを行い、「この中は安全で落ち着ける場所だ」と認識させておくことが、夜泣き対策の土台となります。
朝の早泣き対策!「朝=楽しいイベント」を分散させる

「朝4時や5時に鳴いて起こされる」という悩みも多いものです。
これは犬にとって「朝が待ち遠しすぎる状態」になっていることが原因です。
朝のビッグイベントを分散させる

犬にとって、朝は「飼い主さんに会える」「ご飯がもらえる」「散歩に行ける」「トイレに出してもらえる」といった、ビッグイベントが目白押しです。
遠足前の小学生のように興奮してしまい、少しでも早くその楽しみを味わいたくて鳴いてしまうのです。

これを防ぐには、イベントのタイミングをバラバラにするのが効果的です。
- 起きてすぐにご飯をあげるのではなく、まずはトイレだけ済ませ、少し時間を置いてからご飯をあげる。
- 飼い主さんが起きてからもしばらくはケージの中で静かにさせ、落ち着いてから出す。
このように、期待感を分散させることで、早朝の過度な興奮を抑えることができます。

外部刺激を遮断する工夫

また、音や光といった外部刺激がきっかけで目が覚めてしまうこともあります。
- 新聞配達のバイクの音
- 日の光が部屋に入り、明るくなる
- 家族がトイレに立った時の足音
これらに反応して鳴き始める場合は、ケージに厚手のタオルやカバーをかけて目隠しをし、光や視覚的な情報を遮断してあげましょう。
これだけで、「まだ寝る時間なんだな」と犬が理解しやすくなります。
絶対にやってはいけない!鳴いている時の「間違った対応」

夜泣きや早泣きに対して、良かれと思ってやってしまう「NG行動」があります。
それは、「鳴いている時に声をかけたり、構ったりすること」です。
一度でも「くんくん鳴いたら、飼い主さんが『どうしたの?』と来てくれた」という経験をすると、犬は「呼べば来るんだ!」と学習します。
これは強力な条件付けとなり、次からはもっと大きな声で、もっと長く鳴くようになってしまいます。

非常に心苦しいかもしれませんが、要求で鳴いている場合は「無視」が基本です。
鳴き止んで落ち着いている時にだけ構ってあげることで、「静かにしていれば良いことがある」と教えていきましょう。
まとめ:安定した生活リズムと「安心できる居場所」が大切

わんちゃんの夜泣きや朝の早泣きは、一朝一夕には治らないこともありますが、正しい原因の把握と一貫した対応で必ず改善に向かいます。
「自由(フリー)にさせてあげたい」という気持ちも大切ですが、犬にとっては「今は休む時間」という明確なルールがある方が、精神的に安定しやすくなります。
まずはクレートトレーニングから始め、愛犬が安心して朝までぐっすり眠れる環境を作ってあげてください。
もし、今回ご紹介した方法を試しても改善が見られない場合や、愛犬特有の癖で困っている場合は、プロのドッグトレーナーに個別に相談してみるのも一つの手です。
愛犬とのハッピーな生活のために、根気強く取り組んでいきましょう。
犬のしつけ ハグ



