おやつもおもちゃも使わない犬のしつけ

花火や雷大きな音を慣れさせる方法

花火や雷大きな音を慣れさせる方法

夏が近づくと増えてくる「花火」、そして突然の「雷」。
これらの大きな音を聞いて、愛犬がパニックになったり、
震えて隠れたりすることはありませんか?
飼い主さんとしては「大丈夫だよ」と声をかけることしかできず、
胸を痛めている方も多いはずです。
実は、こうした「突発的な大きな音」に慣れさせるのは、
ドッグトレーニングの中でも非常に難易度が高い分野です。
しかし、適切な環境づくりとトレーニングを行えば、
愛犬の不安を最小限に抑え、落ち着いて過ごさせてあげることが可能です。
今回は、プロの視点から「大きな音に慣れさせるための考え方」と「今日からできる具体的な対策」を詳しく解説します。

Kawashima

Profile 川島 恵 ドックトレーナーとして12年目の令和元年に東京の世田谷区と文京区にあるドッグトレーニング犬のしつけ教室をオープン。 『スッキリ』(日本テレビ系)犬のしつけ専門家として出演電話出演。 テレビ東京「どうぶつピース!!」に出演。「おやつ、おもちゃ無しのしつけ」でドッグトレーニングする犬のしつけの専門家

【自由は大事なのか?】お家でのフリー中の注意点 プロドックトレーナーが解説

【自由は大事なのか?】お家でのフリー中の注意点 プロドックトレーナーが解説
犬をしつける上で、多くの飼い主さんが「お家の中では自由にさせてあげたい」と考えます。

もちろん、愛犬がリラックスして過ごせるのは素晴らしいことですが、実は「自由(フリー)」の状態が、音に対する恐怖心を増大させているケースがあるのをご存知でしょうか。

お家の中で完全にフリーにしていると、犬は「この家全体を自分が守らなければならない」という警戒心を持ちやすくなります。

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その状態で、外からドーンという花火の音やゴロゴロという雷鳴が聞こえてくると、どこから敵が来るかわからない恐怖に陥り、逃げ場を失ってパニックになってしまうのです。

大きな音に慣れさせる、あるいは音の影響を最小限にするためには、まず「家の中での過ごし方」を見直すことが重要です。

プロの現場では、音の悩みを持つワンちゃんに対して、まず「環境の管理」からスタートします。

大きな音への耐性をつける難しさ

【自由は大事なのか?】お家でのフリー中の注意点 プロドックトレーナーが解説
そもそも、なぜ花火や雷の音に慣れさせるのが難しいのでしょうか。

それは「頻度が低い」ことと「自然現象である」ことが関係しています。

例えば、毎日鳴るインターホンの音であれば、繰り返し練習することで慣れさせることができます。

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しかし、雷や花火は年に数回しかありません。

また、自然現象であるため、いつ鳴るかを人間が完全にコントロールして、トレーニングのステップ(小さな音から徐々に大きくするなど)を組むことが難しいのです。

そのため、音そのものに慣れさせる「脱感作」という手法だけでなく、愛犬が「どんなことが起きても不安に陥らないための土台作り」を並行して行う必要があります。

大きな音から愛犬を守る「クレート・ケージ管理」の重要性

大きな音から愛犬を守る「クレート・ケージ管理」の重要性
大きな音を怖がる子に対して、最も有効で即効性がある対策は、意外にも「クレートやケージでの管理」です。

「狭い場所に閉じ込めるのはかわいそう」と感じる方もいるかもしれませんが、本来、犬は穴ぐらのような狭くて暗い場所を好む習性があります。

パニックになった犬が、机の下や家具の隙間に潜り込もうとするのはそのためです。

安心できる「マイルーム」を作る

大きな音から愛犬を守る「クレート・ケージ管理」の重要性
あらかじめクレートトレーニングを行い、そこを「自分だけの絶対に安全な場所」として認識させておくと、外で大きな音がしても、犬は自分からその中に入ってやり過ごすことができます。

リビングでフリーにしている状態でパニックになり、暴れ回ってしまうような子でも、クレートの中にいることで「ここは守られている」という安心感を得られ、そこまで過剰な反応を示さなくなるケースは非常に多いです。

飼い主との信頼関係と安心感

大きな音から愛犬を守る「クレート・ケージ管理」の重要性
クレート管理は、単に閉じ込めることではありません。

「飼い主さんが管理してくれている」という安心感を犬に与える行為でもあります。

「自分がリーダーとして家を守らなきゃ!」と気を張っている神経質な犬にとって、クレートという守られた空間に入り、主導権を飼い主さんに預けることは、精神的な解放につながります。

大きな音がしても「飼い主さんが大丈夫と言っているし、この場所は安全だ」と思える心の余裕を作ってあげましょう。

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YouTubeや音源を活用したトレーニング方法

YouTubeや音源を活用したトレーニング方法
環境を整えた上で、音そのものに対する耐性をつける練習も行いましょう。

現代では、YouTubeや環境音を収録したCDなど、便利なツールがたくさんあります。

音源トレーニングのステップ

YouTubeや音源を活用したトレーニング方法

  1. 小さな音から始める: 犬が全く反応しない、あるいは「何か鳴ったかな?」と少し耳を動かす程度の小さな音量で再生します。
  2. 良いことと結びつける: 音が鳴っている間にオヤツをあげたり、お気に入りの知育玩具で遊ばせたりします。「この音が鳴ると良いことが起きる」と学習させます。
  3. 徐々に音量を上げる: 数日、数週間かけて、ごくわずかずつ音量を上げていきます。犬が怖がる仕草を見せたら、すぐに音量を下げて、前のステップに戻ります。

このトレーニングの目的は、「この音を聞いたことがあるし、自分に危害はない」と記憶させることです。

音源トレーニングの限界と注意点

YouTubeや音源を活用したトレーニング方法
ただし、注意点があります。YouTubeの音と本物の雷では、空気の振動や気圧の変化、臭いなどが全く異なります。

家でスピーカーから流れる音には慣れても、本物の雷には反応してしまうこともあります。

しかし、全く聞いたことがない子に比べれば、「あ、あの時の音に似ているな」という経験があるだけで、パニックの度合いを下げることができます。

特にインターホンや車の音など、日常生活で頻繁に鳴る音にはこの方法が非常に有効です。

警戒心からくる吠えと神経質な性格への対応

警戒心からくる吠えと神経質な性格への対応
大きな音に反応する際、ただ怖がるだけでなく、激しく吠え立てる子もいます。

これは「警戒心」からくる本能的な行動です。

吠えの種類を見極める

警戒心からくる吠えと神経質な性格への対応
犬の吠えにはいくつかの種類があります。

  • 要求吠え: 「構って」「ご飯ちょうだい」という時の声。これは他の犬に伝染しにくいです。
  • 警戒吠え: 「何か来たぞ!」「怪しいぞ!」という時の声。これは周囲の犬も「自分も警戒しなきゃ!」と便乗しやすい、本能的なものです。

大きな音に対して吠えるのは、後者の「警戒吠え」です。

神経質で常に周囲に気を配っている子ほど、この傾向が強くなります。

「守らなくていいよ」を伝えるトレーニング

警戒心からくる吠えと神経質な性格への対応
こうした神経質な子に対しても、やはり基本は「クレート管理」と「環境設定」です。

外の刺激(音や光)が見えにくい、聞こえにくい部屋の奥に安心できる場所を作り、「君が警戒しなくても、パパとママが守るから大丈夫だよ」というメッセージを日々の生活の中で伝えていく必要があります。

飼い主さんがパニックになって「大丈夫!?大丈夫!?」と騒いでしまうと、犬は余計に「やっぱり大変なことが起きてるんだ!」と確信してしまいます。

大きな音が鳴った時こそ、飼い主さんは努めて冷静に、普段通りに振る舞うことが最大のトレーニングになります。

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まとめ:愛犬の安心は飼い主さんの準備次第

まとめ:愛犬の安心は飼い主さんの準備次第
花火や雷の大きな音に慣れさせるには、一朝一夕にはいかない忍耐が必要です。

しかし、以下の3点を意識するだけで、愛犬のストレスは劇的に軽減されます。

  1. クレートトレーニング: 物理的・精神的に「安全な逃げ場所」を確保する。
  2. 音源活用: 日頃から小さな音量で様々な音を聞かせ、経験値を積ませる。
  3. 飼い主の冷静さ: 「音が鳴っても何も起きない」という態度を背中で見せる。

愛犬の性格(臆病、神経質、好奇心旺盛など)に合わせて、無理のない範囲で少しずつステップアップしていきましょう。

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もし、具体的な方法で悩んだり、自分ひとりで進めるのが不安な場合は、プロのドッグトレーナーに相談するのも一つの手です。

愛犬がどんな音の時でも、あなたのそばで安心して眠れるような環境作りを、今日から始めてみませんか?