その時はふと訪れた。いや、もしかしたらそうなるように少しずつ自分で仕向けていたのかもしれない。
私が犬を飼う理由は幼少期の環境が大きく影響しているように思う。少し過去を振り返ってみよう。
記事:雪丸崇一
Yukimaru
「リキ」
私が小さい頃にも実家では犬を飼っていて、その時の犬は保健所で引き取ってきた犬であった。
確か自分では「飼いたい!」と言った記憶は無いので、父の希望で飼ったような気がする。そう言うこともあって、実家で飼っていた犬は常に散歩に連れて行ってくれる父に誰よりも懐いていた。
恐らく犬にとって私の序列は、父>犬>私=母 のような感じだったと思う。
名前はリキ。ちなみに、名付けは私である。
当時なぜか所持していた「銀牙 -流れ星 銀-」(1980年代の週刊少年ジャンプで掲載されていた犬が主人公の漫画である。)のハンカチーフに描かれていた流れ星銀に登場した犬一覧の中から選んだ。
ちなみに「リキ」は主人公である銀の父親で、凛々しく逞しくて主人公の銀より好きだったのでその名前を選んだ記憶がある。
懐いていたのは父だったが、名付けは私ということもあり、リキへの思い入れはそれなりにあるし大好きだった。母が入院中に襲った豪雨で水害に遭い、その難局も共に生き抜いた愛犬である。
リキの名の由来に紛うことなき、タフな犬だった。(何度か事故に遭ったが、その度に回復して元気になった。水害でも泥水の中を泳いで生きていた。)
そんな実家での、犬がいる生活が当たり前であったこともあり、漠然といつかは犬を飼いたいなぁ。と言う思いは当然のように心の奥に潜んでいた。
ただ、東京に1人暮らしでサラリーマンをしている状態ではまず飼えないことは認識していた。いつか家族が出来たら、飼う時はその時なのかな。と。
犬の体感時間は人間が感じるものとはスピードが全然違うと言う。
週5日、朝10時から夜19時頃まで働いたとして、果たして愛犬に注げる時間がどのくらい残っているのだろうか?会えない時間は犬にとっては途方もなく長い時間なのではなかろうか?そう思うと無責任に手が出せない。
ターニングポイントがやってきた
その時はふと訪れた。いや、もしかしたらそうなるように少しずつ自分で仕向けていたのかもしれない。
バズを飼う前の当時、本業で勤めていた会社の経営があまりよろしく無くなってきて、そろそろこの職場も潮時か?と考えるようになってきたのと同時に、副業でやっていた仕事が少しずつ大きくなってきたことも重なって、一度在宅デザイナーとしてフリーランスで活動してみるか?と言う選択肢が出てきた。
足りない分は週1〜2回程度の派遣の仕事でなんとかなるかも。と割と軽い気持ちでフリーランスの道へ舵を切り始めた。
こうなってくると犬を飼えるライフスタイルが一気に現実味を帯びてくる。それからは飼うならどんな犬種かな?とか、今の家ではペットを飼えないから、ペット可の物件に引っ越しだな!と色々考え始め、犬や物件を見漁る日々が始まる。
当時は自分の動物愛護関連の知識も浅く乏しかったため、「ペットショップはあまりいい話を聞かないので、ペットショップ以外で」と言う程度の漠然とした情報の中、目当ての犬種を取り扱っているブリーダーさんを色々探し、とあるブリーダーさんの元へ辿り着いた。
同じ頃、地道に探し続けていた物件も、当時住んでいた家から徒歩5分ほどのところに、築年数はそこそこあるもののさほど家賃のグレードを無理に上げることなく住めるペット可の物件がポロっと出てきた。(しかも割と広い!)
ブリーダーさんのサイトをチェックしていると、「子犬が産まれましたよ!」との情報が!
そんな出来事が同時並行に起こったので、トントントンと流れるように事が進んでいき、あれよあれよとバズを新居で迎え入れるに至った。
「仕事」「ブリーダー」「物件」の条件が絶妙なタイミングでやってきたのが迎え入れる最大の要因となったことは違いない。
家族が出来たら飼おう
そんなことを当初は思ってはいたものの、例えば
「ディズニーランドには恋人が出来たら一緒に行くの(ハート)」
「食器は将来の家族分揃えたいから今は買わないの(キラキラ)」
と同じようなもので、そんなボヤッとした不確定な未来はただ願ってもいつまで経っても訪れないものだったりする。
そんな相手任せの未来に翻弄された結果、願った事のただの一つも叶わぬくらいなら、そんなものくそくらえだ。
と言うわけで、私は「家族が出来たら〜〜。〇〇が出来たら〜〜。」的な思考は捨てて、ただただ犬にとって不足の無い環境が用意出来て、自分自身も迎え入れる心構えが出来たらもう飼ってしまおう。と決めたのだ。
心構えの一つとして、きっとこれからは長期の旅行にはそうそう行けないだろうと思い、バズを迎え入れる前に、心残りの無いようにと思い切って1週間ほどアメリカはニューヨークへ旅行した。
今のところそれが最後の長期旅行となっている。が、特に後悔は無い。バズを置いて行っても結局気になってしょうがないし、心置きなく旅行と言うわけにはいかなくなる。
8回目の誕生日
そんなバズも少し前の出来事になるのだが、2021年7月29日、8回目の誕生日を迎えた。
これまではちょっと贅沢なオヤツを用意することはあっても、ケーキまでは用意したことが無かったのだが、今回は鎌倉へ引っ越しした祝いも兼ねて試しに犬用のケーキを注文してみることにした。
きっと手作りしてあげるのが一番と思うのだが、金で解決できることはそうする。と言う私のダメな一面が出た。
プラッキング(トリミングの手法の一つ)もそうだ。それ用のナイフは一応何本か持っているものの、自分でやるとどうしても時間もかかるし上手に出来なかったりする。多少お金を出してでもプロに上手にやってもらえて、その時間が浮くのならきっとそれが一番良い。
さて、ケーキだが、注文時にバズの写真をメールで添付して送ると、その写真をベースにケーキを作ってくれると言うサービス。
初めて注文したのでどんなものが届くのか、あまり想像が出来なかったのだが、冷凍のクール便で誕生日前日にそれはやってきた。
かわいい…。
そして、デカい。(笑)
注文したのは4号サイズだったのだけど、結局2日くらいにわけて食べさせた。
バズにはアレルギーがあって、肉系は顕著に反応が出易いので、頼んだケーキは無添加で野菜、サツマイモと鮭をベースに人が食べても大丈夫な素材で作られているとのことで安心して注文することができた。
やはりプロにお願いして正解である。自分ではこんなに上手いこと作れない。
そしてバズは犬ではなく豚になった。
ものすごい勢いで豚鼻を鳴らしながらケーキにかぶり付いた。
ケーキを下げようとするものなら、私の手を引き千切らんとする興奮っぷりだ。
まぁ、喜んではくれたようなので良かった。
自分で自分の顔を食べると言う、なんとも…な光景だが。
結局のところ、私が犬を飼う理由としては、犬の居る生活が私にとっては当たり前の風景だった。と言うところに帰結するのだろうか。
また、それを実現できるさまざまなタイミングが運良く訪れた。と言うことなのだろうと思う。
つまり、犬が大好き。と言うことなのだ。
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