トイレトレーニングの方法は、様々なサイトで紹介されています。
しかし、その多くが子犬用のトイレトレーニングの方法です。成犬のトイレトレーニングについて紹介しているサイトはなかなか見つかりません。
今回は成犬のトイレトレーニングについてご質問を頂きましたので、プロのドッグトレーナーがお答えします!
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
兵庫県
犬種:ポメラニアン
月齢:3歳
性別:オス
もすぐ3歳になるオスのポメラニアンをお迎えすることになりました。
室内犬ははじめてです。
子犬のトイレトレーニングはよく見ますが、成犬のトイレトレーニングは少なく、どうすれば良いのかわかりません。
Youtubeの動画で見たように、100均ゲージのトイレとクレーの往復で良いのでしょうか?
トイレをした後数時間部屋で一緒に遊んでも大丈夫ですか?
ちなみに現在飼っている所ではトイレは出来ていなく、オムツのようです。
マーキング有り。
近々去勢手術後お迎えという流れになります。
家族皆心待ちにしていますが、トイレトレーニングに不安がありますので、どうかよろしくお願い致します。
生活環境とトイレトレーニング
ご相談者さんが迎え入れようとしている犬は、ペットショップやブリーダーからではなく、保護犬など別のお宅などで飼われていた犬を里親として引き取ることになったと仮定して、解説致します。
ご相談者さんの犬は、3歳です。
トイレトレーニングは、今までどのような環境で生活をしてきたのかが重要です。
オムツをしていたということなので、トイレの認識は出来ていなかったのだろうと思います。
トイレの認識がないのであれば、1からトイレトレーニングをする必要があります。
マーキングについて
ご相談者さんが迎え入れる犬は、マーキングがあるとのことです。
マーキングをすると排せつ物をする必要がなくなってしまいます。
おしっこに関してはマーキングで済んでしまうこともあるため、注意が必要です。
マーキングは辞めさせましょう。
マーキングは、自分のテイトリーを主張するための行為です。
臆病で警戒心が強い性格の犬は、マーキングをしやすい傾向にあります。
犬は、自分の縄張りを守らなければならないと思った時に、マーキングをします。
マーキングをしなくなるためには、人の手が必要です。
出来るだけ縄張りを意識しないような環境を作ってあげて下さい。
迎え入れて直ぐに家の中で自由にさせてしまうと、家中にニオイをつけてしまう可能性があります。
マーキングをしてしまうでしょう。
犬を迎え入れて数日の家に慣れるまでは、怖がってしまうかもしれませんが1ヶ月程度で環境に慣れてきます。
本性が出始めると、マーキングを始めるでしょう。
マーキングをさせないために、ケージやクレートの中で管理をすることをお勧めします。
ケージやクレートの中だけが自分の縄張りであるということを教えてあげて下さい。
遊ぶ時だけケージやクレートの外に出してあげて、休む時には中に入れるようにしましょう。
臆病な性格の場合には、マーキングだけでなく警戒心から吠えるなどの行動に出ることがよくあります。
ケージやクレートの中で管理することで、警戒心から吠えるという行動も出なくなります。
マーキングの予防だけでなく、臆病な犬の問題行動の防止にもケージやクレートでの管理をおすすめします。
トイレトレーニングを成功させるポイント
犬のトイレトレーニングは、「トイレに促し成功したら褒めてあげる」というとても簡単な方法です。
まずはトイレを我慢させなければ、排せつをすることが出来ません。
ケージの中で、トイレと寝床を半々で生活させてしまうと、飼い主さんは犬がいつ排せつをしたのかを知ることが難しくなります。
飼い主さんが犬のことを24時間監視することは出来ません。
人が見ていな間に失敗してしまうことがあるでしょう。
犬のしつけハグでは、クレート管理を推奨しています。
クレートというプラスチックの移動用の入れ物があります。
クレートの中では、犬は落ち着いて静かに過ごすことができ、安心できる場所になります。
クレートの中ではトイレを我慢させます。
ある程度時間が経ったらクレートから出して、トイレへ促します。
トイレが成功したら、遊んであげたり構ってあげて沢山褒めてあげるということを繰り返すことで、トイレを覚えることが出来ます。
トイレをさせる場所を作り、トイレに促したら排せつに集中出来るようにしてあげて下さい。
排せつをする時に犬を凝視したりはしないようにしましょう。
トイレに集中できるような環境を整えてあげることが大切です。
トイレの失敗は叱って止めさせることが出来ません。
成功を褒めてあげて固めてあげるという方法しかありません。
犬のオムツについて
トイレの失敗をさせないためには、オムツを付けさせるということも一つの方法です。
オムツを付けていれば、トイレを失敗することはありません。
犬のしつけハグにも「オムツを付けさせてもいいですか?」という質問を頂くことがあります。
犬のトイレトレーニングとしてオムツを付けても、トイレで排せつが出来るようにはなりません。
家を守るためには、オムツは適しています。
家を汚されることを防ぐことは出来ます。
オムツを付けることは、トイレトレーニングにはなりません。
オムツを付けっぱなしにすると、かぶれてしまいます。
オムツを付けるのであれば、頻繁に交換してあげる必要があります。
皮膚が弱い犬の場合は、擦れてかぶれてしまうため注意が必要です。
トイレ日記
犬のトイレ日記を付けることをおすすめします。
いつ排せつをしたのかを日記に付けると、犬のトイレのタイミングを把握することが出来ます。
犬がいつ排せつをしているのかがわかれば、トイレに促すことが出来て成功を増やすことができます。
どのようなシチュエーションでトイレに行くのかも知ることが出来ます。
例えば、食事の後や運動した後などのタイミングがわかれば、トイレに促しやすくなります。
成犬の場合には、一般的にトイレの回数は1日に3~4回です。
トイレのタイミングを知ってトイレに促すことで、成功率を上げることが出来るため、トイレトレーニングを行う際には是非トイレ日記を付けてみて頂きたいと思います。
まとめ
成犬のトイレトレーニングについてご説明をしました。
オムツをして生活をしていたようなので、まずはトイレの我慢が出来るようにクレートでの管理をすることをお勧めします。
クレート内でトイレを我慢させることで、マーキングも防ぐことが出来ます。
お留守番が7~8時間である場合には、クレート管理をおすすめします。
日中のお留守番の時間が10時間を超えるようであれば、クレートでの管理をすることが出来ませんのでご注意下さい。
オムツを付けることもトイレの失敗を防ぐことが出来ますが、家の中を汚されないためには適していますが、トイレトレーニングにはなりません。
クレートの中でトイレを我慢させて、外に出した時にトイレに促し成功したら褒めてあげるという方法を繰り返すことで、トイレを成功させることが出来ます。
少し時間がかかることもありますが、成犬でもトイレを覚えることが出来る方法です。
根気強く教えてあげて下さい。