子犬が手にじゃれながら甘噛みしてくる姿は可愛いですよね。
遊んでいるといつの間にか本気になってきて、少し痛いとさえ思う時はありませんか?
実は、じゃれ噛みや甘噛みでも噛むという行為は要注意なのです。犬の噛み癖について、プロのドッグトレーナーが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
我が家に来て今日で10日目です。
昨日から抱っこすると手を噛みます。
元々手で遊ぼうと甘噛みがひどく、しつけ中ですがそれとは違い本気で怒って噛みつこうとしているように見えます。
実際とても痛いのですが、原因は何でしょうか?
教えてください。
ちなみに、手を噛んで遊ぼうとするときは「NO」と低い声で言って強って立ち去る、無視をする方法を繰り返しているところですが、まだ効果はありません。
噛むことはNG?
生後3ヵ月の噛み癖について、ご質問を頂きました。
ご相談者さんの愛犬の噛み癖は、そのままにしておくと良くないものだと推測できます。
「甘噛み」や「じゃれ噛み」は、何の対応もしなくても成長と共になくなるという話をよく耳にします。
川島トレーナーの経験上、人の手を噛むという行為を許してしまうと、人の手を噛む事で意思表示をするようになるケースが多いです。
何の対処もせずに成長と共に噛まなくなるということは、ありません。
犬のしつけハグでは、噛むという行為はもちろんですが、人に歯を当てることでさえもしないようにトレーニングを行います。
幼少期のじゃれ噛みや愛情表現であったとしても、やらないように教えています。
犬を抱っこした時に犬に触れている手を噛んできたり、体を触られたら噛んでくるような行為はよくありません。
犬が噛む原因
犬の性格
生後3ヵ月の時期に本気で人を噛む場合には、犬の性格に原因があると考えられます。
子犬期に本気で噛む場合には、気性が荒い性格であることが予測できます。
特に柴犬などの日本犬は、気性が荒く自分勝手であることが少なくありません。
出来るだけ早く対処をしなければ、人や周りの犬にケガをさせてしまう可能性が出てしまいます。
持って生まれた性格が頑固であったり、気性が荒い場合には飼い主さんが対応することは難しいと言えます。
早いうちにプロに見てもらうことをお勧めします。
歯が痒い
犬も人間と同様に歯が生え変わる時期があります。
乳歯が生え揃う時期が大体生後2ヵ月頃です。
乳歯から永久歯に生え変わるのは、生後4ヵ月から6ヶ月の間くらいです。
人間の赤ちゃんも歯が生えて来る時期には歯茎が痒くなるため、何かを噛むようになります。
犬も人間と同様に歯茎が痒くなるため、物を噛むようになることがあります。
甘噛みをすることは自然なことではありますが、噛み癖が残ってしまうことがあるため注意が必要です。
愛情表現
子犬の時期は、飼い主さんへの愛情表現の1つとして噛むことがあります。
飼い主さんに限らず、自分が好きな人や親しい人を噛んでしまうことがよくあるのです。
犬に悪気があるわけではありません。
愛情表現として噛む場合には、強く噛む事はあまりないので優しく「やめて」と伝えましょう。
痛みがなくても噛むという行為はあまりよくないので、ケガをする前に教えてあげてください。
噛み癖を治す方法
噛み癖に関する対応はとても難しいです。
叱って止めさせるという方法もありますが、叱り方を間違ってしまうと症状を悪化させてしまう可能性があるからです。
乳歯が生える頃の甘噛みの対象方法がいくつかあります。
歯茎のかゆみを和らげるためのおもちゃが市販されています。
ゴム製やナイロン製で、噛み応えがあるおもちゃがあるので、それを与えると良いでしょう。
他にも、犬が噛んでも良いものを一つ与えるのも良い方法です。
噛んでもいいものを与える場合の注意点として、与えっぱなしにしないでください。
飼い主さんが出してあげて、使い終わったら必ずしまうようにしましょう。
出しっぱなしにはしないようにしてください。
自分のものであるという意識が強くなってしまうと、物を取ろうとした時に威嚇して噛まれたり、守ろうとしてしまうからです。
また、あまり小さい物を与えてしまうと噛みちぎってしまい誤飲などの危険性があるため、注意して下さい。
噛んでも良いものを与えることで痒さを和らげることができ、人を噛むという行為を辞めさせることが出来るようになります。
しかし、本気噛みの場合には対処することが困難になってしまいます。
口頭や文章だけで解決することは、厳しいと言えます。
犬の状態を見てもらい、プロに判断してもらうことが最善の対策です。
噛み癖に関する対応は、間違えてしまうと今後のお世話にも響いてしまいます。
犬を飼うにあたり、お世話する項目が沢山あります。
犬の体に触れなくなってしまうと、様々なお世話項目が出来なくなってしまいます。
インターネット上では、犬の噛み癖を治す方法に関する情報が溢れています。
犬のしつけハグでもご紹介していますが、それらの情報を一から試していくと、どこかのタイミングで逆に犬の噛み癖が悪化してしまう可能性があります。
やみくもに様々な方法を試して悪化させてしまうと、改善することが更に困難になりかねません。
ドッグトレーナーが見ると、その犬に適した方法・適さない方法がわかります。
犬の健康維持のためには、犬にとって苦痛な場合でも我慢をさせなければなりません。
犬が嫌がるからといって、歯磨き・耳掃除・爪切りなどのお手入れをしないわけにはいきません。
普段から落ち着いてお手入れが出来るように、教えなければならないのです。
犬に噛むきっかけを与えないということも大切です。
犬が興奮している時に手を出したり、歯磨きなどのお手入れをするわけではない時に口の周りを意味なく触るなどの行為は避けてください。
犬が興奮するシチュエーションを作らないことも、噛むきっかけを与えないことに繋がります。
まとめ
犬の噛み癖は、成長と共になくなるという可能性はゼロに近いです。
きちんと対応をすることが必要です。
子犬期のじゃれ噛みや甘噛みであっても、犬が人を噛むという行為は辞めさせることをおすすめします。
子犬期は愛情表現や歯が痒いという理由から噛むことがあります。
犬のしつけハグでは、噛むことはもちろんですが人に歯を当てることもしないようなトレーニングを行っています。
本気噛みになってしまった場合には、無理に飼い主さんが対応することはお勧めできません。
叱って止めさせるという方法もありますが、飼い主さんが行うことはかなり難しいです。
プロのドッグトレーナーに現状を見て、対処方法を判断してもらうと良いでしょう。
噛み癖に関しては間違った対応をしてしまうと、改善することが難しくなったり状況を悪化させてしまう可能性さえあります。
人がけがをしてしまう前に、出来るだけ早くプロのドッグトレーナーに見てもらいましょう。