人間の手助けをしてくれる犬と言えば、真っ先に思い浮かぶのは「盲導犬」ではないでしょうか?
目の不自由な人のお手伝いをしてくれる、本当に賢い犬です。
盲導犬は、かなり昔から電車に乗ることが出来たり、ペットが入れない場所への出入りが許可されていることがあり、認知度が高い犬です。
では、介助犬をご存知でしょうか?盲導犬と比較すると、介助犬はまだ認知度が低いのが現状です。そこで、介助犬について詳しくご紹介します。
身体障碍者補助犬について
日本では、体に障害があり助けを必要としている人の補助をするために育成された犬「身体障碍者補助犬」が3種類います。
- 盲導犬
- 聴導犬
- 介助犬
この3種類です。
では、それぞれの仕事内容を見ていきましょう。
盲導犬
目が不自由な人が、街中を安全に歩くことが出来るように、サポートする犬です。
特別な訓練を受け、盲導犬に向いているとみなされた極一部の犬が、盲導犬として活躍することが出来ます。
聴導犬
耳が不自由な人の生活に必要な、音の情報を伝える犬です。また、耳の不自由な人は、「耳が不自由である」という事が周囲にわかりにくいため、聴覚障害者であることを他の人に知らせるという役割もあります。
介助犬
介助犬は身体が不自由な人の、日常生活の手助けをしてくれる犬のことです。ドアを開けてくれたり、物を取ってくれるなど、様々な場面でお世話をしてくれるだけでなく、介助犬の存在がユーザーの心を支えるという大きな役割も果たしています。
日本の介助犬の歴史
介助犬が日本に導入されたのは、1992年です。
車いす生活を続けていた、千葉れい子さんが、アメリカで訓練された介助犬を日本に連れ帰ったのが最初でした。
日本での介助犬の知名度が低いのは、歴史が浅いという点が理由の1つではないでしょうか。
2019年3月の時点で、盲導犬は928頭に対して介助犬は65頭です。(引用元:厚生労働社会・援護局障害保健福祉部 )
介助犬に出来る事とは?
介助犬の指示語は、Goなどの動詞は英語、テーブルなどの名詞は日本語で行います。
動詞は約60語、名詞は約30語あります。
介助犬は、ユーザーの生活環境や身体の状態によって、仕事の内容は異なります。
例えば
- ドアの開け閉めをする
- 落とした物を拾う
- 車いすを引く
- 緊急事態が起きた時に、助けを呼ぶ
など、様々な事が出来ます。ユーザーの話をきちんと聞いて理解し行動することが出来るのです。
もちろん、面倒だからやりたくないとか、今は機嫌が悪いからやらないなどと言うことは、ありません。
介助犬に適した犬種
介助犬は、ある程度の力を必要とするため、それなりの大きさが求められます。
また、指示語を覚える能力が必要なので、賢くてしつけがしやすい犬が向いています。
特に、決められた犬種はありませんが、ラブラドールレトリバーが多いのが現状です。
街で介助犬を見かけた時の注意事項
外出する際には、介助犬は『介助犬』と表示されたケープ(胴着)を着用するので、介助犬の目印になります。
食べ物をあげない
街中で介助犬を見かけた場合は、仕事中です。食べ物を上げると気が散ってしまい、仕事の妨げになります。
思わぬ事故の原因にもなるので、絶対に食べ物を上げないでください。
じっと見ない
犬は、じっと見られることを嫌います。これも、仕事の妨げになるので、どうしても犬が好きで見たくても、じっと見たりしないで下さい。
まとめ
落ちた物を拾う事やドアの開閉など、健常者にとって簡単に出来ることが、障害がある人にとっては困難な事がいくつもあります。
そのお手伝いをするのが、介助犬です。街中で介助犬を見かけることは滅多にありませんが、もし見かけたら、触ったりしないで静かに見守りましょう。
そして、もし助けが必要な場合には、飼い主さんに手を差し伸べましょう。