犬は、飼い主さんのことが大好きです。
飼い主さんにとってとても嬉しいことですが、エスカレートすると飼い主さん以外の人に攻撃的になることがあります。
飼い主さんへの依存を無くすためにはどうすればよいのか、プロドッグトレーナーがお答えします!
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Youtubeに頂いたコメントの内容
犬種:コーギー
月齢:2歳5か月
性別:オス
飼い主(私たち夫婦2人)と一緒にいるときだけ、他の家族や来客者に吠えたり噛みつこうとしたり、とにかく調子に乗ります。
私たち夫婦がいないときは大人しく過ごしているようで、扉の前でひたすら私たち夫婦の帰りを待つそうです。
たまに他の家族に撫でられに行ったりして、吠えたり威嚇したりはせず仲良く過ごしているそうです。
私たち夫婦が揃っているか、夫婦どちらか1人でも犬と一緒の空間にいる場合に限って、その他の人物に対して敵対するような態度をとります。
私たちがいなければしないのにです。
気持ちがわかりません。
また、しつけの仕方もわかりません。
飼い主の前で自分の強いところを見せたいのでしょうか?
今すぐ辞めさせたいです。
犬の執着心
犬が飼い主さんの前でだけ、他の人に攻撃的になってしまうとのことがあります。
理由として、飼い主さんに対する依存度が高いと予測出来ます。
ご相談者さんの犬は、飼い主さん以外の人は敵だと思っているのでしょう。
飼い主さんに対して、変な執着がある可能性が高いと思います。
ただの執着心ではなく、変な執着があるという点が問題です。
飼い主に対する依存度が高い犬への対応
元々臆病な性格の犬は、飼い主に対して依存度が高くなりやすいと言えます。
ご相談者さんの犬は2歳5か月なので、2年程度一緒に過ごしてきたのではないでしょうか。
2年間、飼い主さんがいれば平和に生活が出来ていた場合、飼い主さん以外の人は必要ないと考えがちです。
そのため、飼い主さん以外の人は排除しようとする行動することがあります。
飼い主さんがいない時には攻撃的な行動に出ないのは、強気に出る必要がないからです。
犬が飼い主さん以外の人に攻撃的になった時、飼い主さんは犬を静止しようとするでしょう。
しかし、静止ではなく、犬にとっては応援されていると勘違いしている可能性があります。
犬との関係
飼い主さんと一緒にいる時に他の人に噛みついたり攻撃をする場合、ダメだという事を教えてあげる必要があります。
警戒心が強い犬は、自分で自分を守ろうとしてしまうので攻撃をしかけてしまうのです。
ご相談者さんの家では、犬が主導権を握っているように見受けられます。
犬を尊重してあげることと犬が主導権を握ることは異なります。
犬ではなく、人が主導権を握るようにして頂きたいと思います。
人が主導権を握っていると、人が「ダメ」と教えてあげると犬もダメなことだと認識することが出来ます。
言い方は良くないのですが、人にとって都合の良い犬になってくれます。
人と一緒に生活するので、人のルールに従ってもらわなければならないのです。
犬を危険から守るためにも、人に従ってもらうことは大切なのです。
他人に吠えたり噛むなどの攻撃をしかける犬は、生活がしずらくなります。
犬にダメだということを教えるためには、まずは人の言う事を聞くようになる必要があります。
指示が通るようにしておかなければ、悪いことをした時に叱っても応援していると勘違いしてしまいます。
犬のトレーニングをする前にやるべきこと
犬のトレーニングをする際、指示語を教えたり犬にやっていいこと・悪いことを教えて行きます。
トレーニングをする前には、人と犬との関係がきちんと出来ていることが前提になります。
トレーニングを始める前に、犬との関係性をきちんと築いておいてください。
犬が吠えるなどの問題行動をした時に、叱るという方法しかなくなってしまうからです。
叱っても、犬が納得出来ない場合には反発されるだけです。
例えば、犬が臆病な性格だった場合は自分を守ろうとする為攻撃的になってしまいます。
犬との関係がきちんと出来ていれば、犬は自分を守る必要がないため攻撃をしてくることもありません。
最初に、犬が自分を守る必要がないように人と犬との関係を作ってあげてください。
人が主導権を握る方法
人が主導権を握るためにはどうすればよいのでしょうか?
人が指示を出し、犬が従う側になるようにして下さい。
どんな時でも、人からの指示がきちんと通るようにする必要があります。
犬に「おて」「おかわり」などの指示をしている方も多いでしょう。
ご飯の前に「おて」が出来たら与えるなどの方法です。
ご飯やおやつ、おもちゃなどを使うことは悪いことではありません。
しかし、ご飯が欲しいがゆえにまだ指示を出していないのに犬が芸をするという場面を見ることが多々あります。
「おかわり」の指示を出していないのに、「おて」の後に「おかわり」の動作をしている場合、人の指示に従っているとは言えません。
人の言葉を理解して、行動を起こす必要があります。
指示語を出して、出来たら沢山褒めてあげて下さい。
出来たら褒めるという行動を繰り返し行うことで定着させることが出来ます。
犬のしつけハグでは、おやつやおもちゃを使ってトレーニングをすることはありません。
物を使わずにトレーニングをすることは可能ですが、あくまでもきっかけ作りとして物を使ってい頂いたほうが良いと考えています。
子犬の時期は、人に触られたり褒められたりすることを嫌がることはほとんどありません。
ただ、しつこく触られたりすると印象が悪くなり触られることを嫌がるようになることはあります。
何かきっかけが無ければ、触られたり褒められることを嫌がることはありません。
通常は、触って欲しくて犬の方から人に寄ってきます。
犬が落ち着いている状態で指示語がきちんと通ったら褒めてあげるというトレーニングが100~120%の確率で出来るようになったら、次の段階です。
犬が少し興奮している状態でも指示が通るようにトレーニングします。
同じように何度も繰り返し行いましょう。
犬が家全体に縄張り意識を持たないようにすることも大切です。
縄張り意識が強くなると、チャイムの音に過剰に反応して吠えるなどの行動に出てしまいます。
縄張り意識を持つ場所は、ケージやクレートの中だけにして欲しいと思います。
また、ケージやクレートの中で大人しく過ごす時間が出来ると、犬が自由に動ける時間がケージやクレートの外だけになります。
ケージやクレートの外に出すのは人なので、人が主導権を握る事になります。
人が主導権を握るようになると、犬は人の言う事を聞くようになります。
犬の依存を解消する方法
ご相談者さんの犬は、飼い主さんご夫婦への依存度が高いようです。
犬の依存は、一緒にいる時間が長くて犬を構うことが多いことが原因であるケースが多いです。
犬が自立出来ていないのではないかと思います。
犬の自立を促すことをおすすめします。
飼い主さんがいなくても安全・安心であると思えるようにしてあげましょう。
人と離れることに寂しさを感じたり、一人でお留守番が出来ない状態を「分離不安」と言います。
中には自傷行為に走ることもあるので、犬にとっても飼い主さんにとっても辛い状況になる危険性があります。
分離不安にならないように、飼い主さんと一緒にいる時間であっても一人で大人しく過ごせるようになる必要があります。
自立を促すためには、ケージやクレートの中で過ごす時間を作ってあげることが良いでしょう。
可能であれば、リビングなど人がいる空間ではなく別室に設置してあげてください。
なぜなら、人が過ごす空間と同じ場所に設置すると人の動向が見えるため気になってしまうからです。
もし別室に設置することが難しいのであれば、ケージやクレートは部屋の隅に置いて布などで目隠しをして人の同行が気にならないようにしてあげて下さい。
飼い主さんと一緒にいられる時間でも、ケージやクレートの中で静かに過ごすことが出来るようになれば、犬は自立することが出来るようになります。
お客さんに吠えなくする方法
お客さんに犬が攻撃的になることはよくあります。
解決する方法は、実はとても簡単です。
リビングにお客さんを招き入れる際、犬が先に部屋にいるのではないでしょうか?
お客さんをリビングに招き入れてから、犬をリビングに入れれば解決出来ます。
犬が後から入ることで、人の縄張りに犬が後から入っていくという認識になるため、追い払おうという気持ちにはなり難いです。
コーギーは、神経質ですぐに噛みつく性格の子が多いです。
頭の回転が早く、頑固な面もあるので難しいでしょう。
現在のお困りごとが起きてしまったのは、今までの生活に問題があると思われます。
このままではエスカレートしてしまう可能性もあるので、現在の行動が抑えられるようにして頂きたいと思います。
まだ2歳5か月なので、出来るだけ早く改善するための行動をして頂きたいと思います。
まとめ
飼い主さんへの依存度が高いのではないかと思います。
自立するために、飼い主さんと犬が一緒にいられる時間であっても、ケージやクレートの中で一人で大人しくする時間を作って頂きたいと思います。
また、人が主導権を握るようにして下さい。
人が主導権を握ることで、きちんと人の言う事を聞くようになります。
まだ、2歳5か月なのでトレーニングをする時期として遅くありません。
犬と人がお互いに心地よく生活が出来るようになる為に、ご紹介した方法を実行してみて頂きたいと思います。
犬のしつけ ハグ














