犬のお困りごとの上位に挙げられるのが「吠え」「トイレ」「噛み癖」です。
犬のしつけハグでは、Youtubeのコメント欄で、飼い主さんからの質問を受け付けています。
今回は、吠え・飛びつきによる脱臼・トイレの悩みについてのご質問を頂きました。
プロのドッグトレーナーが回答致します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
生後3ヵ月と半月のポメラニアンを2頭迎え入れた方からご質問を頂きました。
トイレトレーニングについて
要求吠えについて
飛びついてくるのでパテラ(膝蓋骨脱臼)が心配
以上の3点について、詳しく回答していきます。
1.トイレトレーニング
トイレを済ませてからケージの外に出す
犬の月齢が3か月半と若いため、トイレが理解できていない可能性が高いと言えます。
ご相談者さんは、犬達をケージで管理されています。
ケージの中にトイレを設置しているので、そのままで問題ありません。
ケージの外に出してフリーの状態の時にトイレの失敗をするのであれば、トイレを済ませてから外に出してあげてください。
犬は何時間もトイレを我慢することができるので、トイレを済ませてから外に出してあげれば、すぐにトイレに行きたくなることはないでしょう。
定期的にトイレに導く
別の方法として、定期的にトイレに導いてあげるという方法もあります。
トイレトレーニングは、トイレの成功へ導いてあげるという方法しかありません。
1頭しか飼っていない場合には、犬のトイレの記録を付けてトイレのタイミングをしっかりと把握することで、スムーズにトレーニングを行うことができます。
しかし、多頭飼いの場合は少し難しくなります。
2頭を同じケージの中で管理すると、記録を付けることが難しいです。
どちらが排せつをしたのかわかりにくいため、トイレの成功率を上げることが難しくなってしまうからです。
可能であれば、2頭を同じケージの中で管理するのではなく、1頭ずつ別のケージで管理して頂きたいと思います。
個別にケージで管理すると、トイレの記録を付けることが出来るようになりタイミングを把握することが可能になります。
トイレのタイミングがわかれば、トイレに導いてあげることが出来るため、失敗がなくなります。
2.要求吠え
吠えている理由とは
ケージの中から吠える場合には、外に出して欲しいという意志表示の可能性が高いです。
ケージの外に出している時に吠える場合には、かまって欲しいのではないかと思います。
犬の月齢が3ヶ月半と若いという理由から要求吠えをすると考えられます。
愛犬が人に期待して吠えているのです。
犬が人に期待をするとは?
犬から人がよく見える場所に設置してしまうと、犬に期待をさせてしまいます。
ケージやクレートを設置する場所のことです。
吠えを改善させるためには、まず犬を管理している空間を確認してください。
多くの方は、リビングなど人が居る場所に設置していると思います。
犬は吠えることで、人がかまってくれると思ってしまうのです。
吠えたら人がこっちを見てくれると期待するのです。
リビングでの管理は、犬に期待をもたせてしまい要求吠えの原因になります。
要求吠えの改善方法
リビングにケージやクレートを設置するのであれば、犬から人の行動が見えないようにしてあげてください。
ケージやクレートに布などを使って目隠しをするという方法があります。
人の出入りがあまりない部屋にケージやクレートを設置するのも1つの方法です。
犬に、人が構ってくれるのではないかという期待をもたせないような環境下で生活をさせることで、無駄吠えを減らすことができます。
ご相談者さんの犬は生後3ヵ月半とまだ子犬なので、睡眠欲が高い時期です。
食事の後や散歩などの運動の後は、眠くなります。
眠くなる時間にケージやクレートの中で過ごすようにすれば、ケージやクレートの中でのイメージをアップすることができます。
なぜなら、ケージやクレートの中が自然と静かに過ごすための空間になるからです。
遊びたい元気がある時間にケージの中に入れてしまうと、犬に閉じ込められるという感覚がついてしまう可能性がありますが、眠くなる時間に入ればこのような心配はなくなります。
犬が興奮している時にケージの中に入れてしまうと、要求吠えがひどくなります。
犬にも個体差があるため、性格によってトレーニングの方法が異なります。
犬の性格に合ったトレーニング方法を選ぶことが最善の方法です。
ご相談頂ければ、個別での回答をしますので是非ご相談ください。
3.飛びついてくるのでパテラが心配
パテラとは?
膝蓋骨脱臼のことをパテラと呼ぶ人が多いのですが、実際はパテラとは膝蓋骨のことを指します。
膝蓋骨とは、膝のお皿のことです。
膝のお皿が外れてしまい歩くことが難しい状態になってしまいます。
トイプードルやチワワ、ポメラニアンなどの小型犬が膝蓋骨脱臼をしやすい犬種です。
大型犬でもゴールデン・レトリーバーやバーニーズ・マウンテンは、パテラになりやすいと言われています。
パテラには先天性と後天性の2種類あります。
小型犬は先天性の場合が多く見られ、内側に脱臼するケースが多いです。
後天性の場合、高い所から飛び降りる、滑りやすい床の上を走る、2本足で膝関節に負担がかかった際に発症するケースが多く見られます。
パテラの症状は、声を上げて痛がる、スキップのような歩き方をする、後ろ足を地面に着けることができないことなどがあります。
軽度の場合には、無症状の場合もあります。
しかし、重症化すると手術が必要になってしまうこともあるので、気を付けてください。
飛びつきを辞めさせる方法
パテラが心配というお気持ちはよくわかります。
犬は4足歩行をする動物です。
飛びつきや2本足立ちは、足腰に負担がかかります。
特に子犬の時期にパテラグレード1くらいの軽度のパテラになる犬は少なくありません。
犬種によってもパテラになりやすい犬もいるので、気を付けて頂きたいと思います。
飛びつきをさせないことが大事ですが、飛びつきをさせる環境にしないことが最も重要です。
天上が無いケージの中で管理している場合に、飛びつき癖がつきやすいと言えます。
天上がないことで、飛び跳ねることができるためです。
飛びつき癖がある場合には、クレートのような天上がある物の中で管理すると良いでしょう。
飛びつきずらい環境で生活をすることで、防ぐことができます。
飛びつくたびに叱るという方法もありますが、そもそも飛びつくことができない環境にすることが最善だと考えます。
飛びつき以外にも、滑る床の上での生活もパテラの危険性があります。
フローリングなどの滑る床は危険なので、カーペットを敷くなどの対策が有効です。
まとめ
Youtubeにご質問を頂きました
- トイレトレーニングについて
- 要求吠えについて
- 飛びついてくるのでパテラ(膝蓋骨脱臼)が心配
についての回答をしました。
トイレトレーニング
多頭飼いをしている場合は、1頭だけ飼っている場合と比較すると、トレーニングが少し難しくなります。
犬のしつけハグでは、トイレトレーニングを行う際にはトイレに行くタイミングを記録することをおすすめしています。
1週間程度、犬のトイレ日記のようなものを付けることで、トイレのタイミングを把握することができます。
犬のトイレのタイミングを知って、そのタイミングに合わせてトイレに促してあげる、成功を褒めてあげるという方法でのトイレトレーニングを推奨しています。
2頭以上の犬を同じケージの中で飼うと、トイレ日記を付けることが難しくなり、タイミングの把握がしずらくなります。
まずは、1頭に1つのケージやクレートを用意してどの子がトイレをしたのかが分かるように管理をしましょう。
何時にトイレをしたのかを記録します。
トイレのタイミングがわかったら、トイレに導いてあげて成功したら褒めてあげます。
これを繰り返すことで、トイレの成功率が上がっていきます。
トイレトレーニングのやり方は、褒めて固めて行く方法が最善です。
要求吠えについて
要求吠えが出てしまうのは、犬に期待を持たせるような環境が原因である場合が多いです。
まずは、犬がどんな期待をしているのかをつきとめて頂きたいと思います。
愛犬は飼い主さんに何をして欲しいのかということをつきとめて下さい。
犬の要求が出ないような環境下にケージやクレートを移動させて下さい。
人が近くにいる時に吠えるのであれば、別の部屋にケージを移動させたり、ケージに布をかけて目隠しをするなどの方法があります。
飛びつき・パテラについて
飛びつきは吠えと繋がっていることがあります。
犬が興奮することで、飛びつきが起こります。
二本足になって飛びつくことで、足腰に負担がかかりパテラになる危険性があります。
パテラとは、膝蓋骨脱臼のことです。
パテラは小型犬がなりやすい傾向にありますが、大型犬でもなることがあります。
軽度の場合には痛みもないこともありますが、重症化すると手術が必要になる場合もあります。
パテラを予防するためには、犬が飛びつくことができないような環境作りをすることが大切です。
例えば、ケージは屋根付きのものに換える、もともと屋根のあるクレートでの管理に変えるなどの方法があります。
飛びついた都度叱るという方法もありますが、犬には悪気がないためあまりおすすめ出来ません。
叱って止めさせるよりも、飛びつくことが出来ないような環境にする、犬を興奮させないという方法の方が良いでしょう。