犬を飼っている家に赤ちゃんが生まれた時、犬の反応はいろいろあります。
今回のご相談者さんの愛犬は、赤ちゃんが寝ていたころは仲良くしていたのに、ハイハイをするようになったら威嚇するようになり本気噛みをしてしまいました。
赤ちゃんに威嚇する犬にどうような対応をすればよいのか、犬のしつけのプロが解説します!
記事:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
LINE無料相談への相談内容
犬種:ペキニーズ
月齢:2歳7ヶ月
【相談内容】ペキニーズ 月齢:2歳7ヶ月 赤ちゃんの事も威嚇する!
私が去年出産して今1歳になった子供がいます。
生まれたばかりの頃は愛犬も赤ちゃんの隣で寝たりなど、赤ちゃんと仲良くしてくれていました。
ですが赤ちゃんがハイハイをするようになってから、赤ちゃんの事も威嚇するようになり、1回顔面を噛まれてしまい、小さいのですが傷が残ってしまいました。
それから赤ちゃんを自由に歩かせて愛犬を抱っこした状態で近づけても威嚇します。
赤ちゃん抱っこして愛犬も抱っこした状態だと威嚇しません。
赤ちゃんが動いて近づいてくると威嚇するのかな?って感じです。
今は赤ちゃんがベビーサークルで愛犬を自由にしています。
それもよくないと思いケージに慣れさせようと少しずつしています。
でも愛犬のストレスも気になるので、ほんとに少しずつしかケージに入れたりしていません。
適切なケージ時間と赤ちゃんと犬が快適に仲良く過ごせるにはどうしたらいいか知りたいです。
訓練所も考えていますが、いつもワクチンなどでお世話になっている病院にあまりいい噂は聞かないと言われ悩んでいます。
ほぼワンオペなので、子供産まれる前よりは愛犬と過ごす時間が減ったのもあります。
愛犬との時間はとるようにしています。
お散歩も毎日行ってます。
この先ずっと仲良くなれないのかなと考えると不安です。
長々とすみません。
ペキニーズの特徴
愛犬が突然威嚇をするようになってしまったという飼い主さんから、ご質問をいただきました。
推測になりますが、アドバイスをさせていただきます。
まずは、ペキニーズという犬種の特徴をお話いたします。
もともと気性が荒い犬種ではありませんが、頑固な面が見られます。
威嚇行為や噛みつくといった行為が出るかどうかは、性格によります。
頑固な性格から、決められたことや自分自身が思い込んでいることはつき通すケースが多くみられます。
ペキニーズの特徴から予測できる威嚇する2つの理由
1.飼い主さんに対する支配欲
頑固な性格から、飼い主さんを自分の物にしたいという思いが強くなることがあります。
赤ちゃんや後から迎え入れた犬などに対して、飼い主さんを取られたくないという自己主張が出ているのではないかと思います。
相談者さんの犬は飼い主さんに対する「支配欲」が出ていることが予測できます。
飼い主さんを独り占めしたいという気持ちや赤ちゃんに対する嫉妬心から威嚇をしてしまっている可能性があります。
2.赤ちゃんに対する意思表示
単純に赤ちゃんの行動が気に入らないということも考えられます。
突然叩かれたり、しっぽを掴まれるなど犬にとって不快なことをされることがあるため、「やめろ」という意志表示である可能性もあります。
どちらの理由であっても、飼い主さんに愛犬の管理をしていただかなければ、現在お困りの行動が今後も出てしまう可能性が高いでしょう。
犬が噛まない環境作り
愛犬が「噛む」という行動をする必要のない生活空間を作りましょう。
赤ちゃんがケガをしてしまうと大変なので、気を付けていただきたいと思います。
ご相談者さんがお考えのケージやクレートでの管理は、犬のしつけハグでもおすすめしています。
犬と遊ぶ時間もあり、赤ちゃんと遊ぶ時間もあるという生活です。
赤ちゃんがお昼寝をしている時間は犬の時間として、ケージやクレートから出して遊んであげる時間にします。
犬が赤ちゃんに対する嫉妬心を持つということは、不満があるということです。
今まで100%自分の愛を受け止めてくれていたのに、急に赤ちゃんに手がかかるようになったことによって自分が構ってもらえなくなると「なんで?」と思うことは当たり前のことです。
しかし、今後は赤ちゃんのお世話をする時間もあるということを犬にも教えなければならないので、犬が一人で過ごせるように自立心を養うことを今から行っていただきたいと思います。
もう2歳なので、出来るだけ早く慣れさせる必要があります。
できれば、赤ちゃんが生まれることがわかった時にトレーニングを行うことが最適です。
赤ちゃんが生まれたら、犬との時間が短くなることは事前にわかっていることなので、生まれる前にトレーニングを行うことがベストです。
愛犬にもそれなりのストレスがかかりますが、赤ちゃんがいる生活になり環境が変わったことを知ってもらいましょう。
現在、犬と赤ちゃんを一緒に生活させることは危険な場合、個々に可愛がる時間を作っていただきたいと思います。
犬が赤ちゃんに対して攻撃を仕掛けなくなり、一緒に過ごすことが出来るようになれば、一緒にしていただいても問題ありません。
ただし、もし犬が赤ちゃんに攻撃を仕掛けようとした時には、いつでも制止できる状態にしましょう。
何かあったら困るので、コツコツと犬との一対一のトレーニングを行ってください。
犬が今までフリーで生活していた場合は、規制をする必要があります。
今後、犬と赤ちゃんが一緒に過ごすことができることを目標にしてトレーニングを進めていただきたいと思います。
とても危険な状態なので、できるだけ早い対応が必要です。
その道のプロに相談する
『動物病院から「犬の訓練所はあまりいい噂を聞かない」と言われた』という点にとても引っかかっております。
あくまでも「ウワサ」とお考えいただきたいと思います。
犬のしつけハグは訓練所ではなく「しつけ教室」ですが、病院は治療に対するプロであり病気に関するプロです。
しつけやトレーニングに関しても、その道のプロに相談することが確実な方法です。
犬のしつけ、行動学に詳しいプロに相談していただき、回答を得ることが最善の道だと思います。
獣医さんから聞くトレーニングのノウハウよりも確実な方法だと思います。
誰に相談するかは、とても大切なことです。
トリミングやシャンプーに関することはトリマー、病気に関しては獣医師、犬のしつけや行動に関してはトレーナー、それぞれのプロに相談しましょう。
まとめ
今回は、愛犬が赤ちゃんを威嚇するようになった飼い主さんからの相談にお答えしました。
現在、犬が赤ちゃんに威嚇している状態なので同じ空間に一緒にいることはとても危険です。
犬と赤ちゃんが一緒にいることは、避けてください。
犬に静止をかけられるようになったら、徐々に接点を持って行くことからはじめましょう。
赤ちゃんもしくは犬のどちらか一方をフリーな状態にして、もう一方を囲っていただくことをおすすめします。
赤ちゃんを構う時間と犬を構う時間を明確に分けるようにしないと、犬が飼い主さんの気を引こうという行動に出てしまう可能性があります。
犬は今まで100%構ってもらっていたのに、赤ちゃんがいることによってその割合が減ってしまうことで、自分の方に気を引きたいと思うことは当然です。
あえてトイレを失敗したり、いたずら行為が出てしまうと犬と良い関係が築けなくなってしまいます。
飼い主さんと遊ぶ時間、ケージやクレートの中で大人しく過ごす時間を明確に分けることで、犬も飼い主さんもストレスなく過ごすことができます。
制御ができるようになったら、全くのフリーで生活をしても問題なく過ごすことができるようになります。
本気噛みが出てしまっていると、飼い主さんで対応することは難しいでしょう。
近隣のドッグトレーナーにご相談いただくことをおすすめします。
犬のしつけのプロのご相談いただくことを検討していただきたいと思います。