今回は、トイレの失敗の解決方法について解説します。
トイレの成功率が30%しかないと、飼い主さんにとってはかなりのストレスになっていることでしょう。
トイレトレーニングは正しい方法を行うことで、成功率120%を叶えることができます。
トイレを成功に導く方法を犬のしつけ専門家が解説します。
記事:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
LINE無料相談への相談内容
犬種:チワワ 年齢:8ヶ月
【相談内容】
おトイレが覚えられません。
先住犬はすぐに覚えてくれたのですが、今の犬は成功率30%くらいで特にカーペットやベッドの上でおトイレしてしまうのが本当に困っています。
ずっと見ていることもできないのでどのようにトイレトレーニングしたら良いのか悩んでいます。
犬の管理をケージで行っている場合
よくある犬の管理方法
トレイの成功率が30%程度ということで、あまりにも低すぎます。
現在、生後8ヵ月ということですが、何歳で迎え入れたのかが文章から読み取ることができなかったのですが、様々な角度から説明させていただきます。
ペットショップやブリーダーから迎え入れた場合は、生後3ヵ月くらいで迎え入れるケースが最も多くなっています。
仮に生後3ヵ月で迎え入れた場合、ご相談者さんの犬は8ヵ月なので現在5か月が経過しているということになります。
これまで、どのような管理をしていたのかというところが気になります。
成功率30%でずっと失敗をし続けているのか?
よくあるケージの中で管理するスタイルをとっていて、寝床とトイレを半々に分けて管理をすれば上手くいっていたのに表に出すと成功率が下がってしまうのか?
などの状況によっても対応が変わってきます。
表に出すと、トイレの成功率が下がってしまう方が多いので、そのパターンでお話をさせていただきます。
犬をケージの外に出すと排せつを失敗する理由
犬をケージの中で管理している場合、大体みんなトイレが上手くいきます。
ケージの中ではトイレがうまくいっていた犬でも、外に出すと成功率が半分以下、中にはゼロになってしまうケースも多くみられます。
なぜなら、ケージの中でも犬がトイレとして認識していない可能性があるからです。
ケージの中できちんとトイレの認識をして排せつをしているのか、寝床以外の場所で排せつをしているのかによって、対応が変わってきます。
単純に、寝床で排せつをしたくないから他の場所で排せつをするという意識でやっている場合には、トイレとしての認識があるとは言えません。
その場合、表に出してしまうと所かまわず排せつをしてしまうのは、仕方がないことです
トイレの認識について
ケージの中ではトイレの認識がついている場合、犬にとってケージの中は閉じ込められる認識がつきやすい場所です。
そのため、犬が自らケージの中に入ることはありません。
外に出た時には、トイレはあって無いようなものになってしまいます。
ケージの中のトイレはあって無いような物なので、トイレを新設する必要があります。
犬にとって不信感のないトイレ(閉じ込められるような認識が場所)を新しく作ってあげなければならないのです。
ケージの中のトイレと外のトイレは別空間として認識させましょう。
クレートトレーニングについて
トイレトレーニングとクレートトレーニング
お留守番時にケージの中で過ごす場合、トイレの我慢があまりできない子に関しては、
犬のしつけハグではクレートトレーニングをおすすめしています。
生後3~4ヵ月の犬は、8時間もトイレを我慢することはできません。
幼犬は、膀胱の発達を待ってケージの中で管理をして、成長したらクレートで管理をするというように、成長に合わせて管理の仕方を変えていきます。
今、生後8ヵ月なので6時間くらいであれば、トイレの我慢が出来るようになっていると思います。
お留守番の時間が6時間程度であれば、クレートトレーニングを初めていただきたいと思います。
クレートトレーニングの始め方
例として、普段犬にお留守番をさせる時間が6時間だったとします。
いきなり6時間のクレートトレーニングを行ってしまうと、クレートに対して悪いイメージを持ってしまう可能性が高くなります。
クレートの中で騒いでしまい、代謝が上がることでクレートの中でトイレの失敗をしてしまうことも考えられます。
クレートトレーニングは、最初は30分から1時間程度からはじめていただき、徐々に時間を延ばすという方法で行ってください。
犬のケージ管理の問題点
犬の生活の「オン」「オフ」について
ケージの中は、犬にとって「オン」と「オフ」の両方の場所です。
ケージの中で落ち着かせたいと思っても、難しいと言えます。
もし、ケージの中で落ち着かせたいと思ったら、犬がケージの中にいる時は一切かまわない、人の動向が見えないようにタオルなどをかけて落ち着く場所にする必要があります。
ケージの中で、寝床とトイレに分けて管理をすると、トイレの我慢をする必要がないので、自分のペースで排せつをすることになり、我慢の練習にはなりません。
犬の食糞について
ケージ管理の問題点として、犬が排泄物を食べてしまう可能性があるということも挙げられます。
犬の飼い主さんのお困りごとの一つとして、排泄物を食べてしまうということがあります。
こういった問題行動に繋がりやすいと言えます。
犬のしつけハグでは、犬の排せつは人が見ているところで行うようなトレーニングを行っています。
人が見ている時に排せつをすれば、排せつ後すぐに取り除くことができるため、食べてしまうという問題行動は起きません。
犬のしつけハグでは、
- 寝る場所→クレート
- 排せつをする場所→トイレ
- 遊ぶ場所→クレートの外
と、完全に分けて生活をするトレーニングを行っています。
このように生活することで、完全に「オン」と「オフ」を分けることができます。
犬の正しいトイレトレーニングの方法
犬の排せつ日記をつけましょう
トイレの成功率が30%ということなので、トイレの認識がかなり薄目だと思います。
まずは、愛犬のトイレのサイクルを把握しましょう!
そのためには、日記のようなものを付けていただくとわかりやすくなります。
これを10日間から2週間ほど続けて下さい。
おしっこの時間とウンチの時間を記録すると、どのタイミングで一日何回排せつをしているのかがわかります。
愛犬の排せつのタイミングになったら、人がトイレに促して排せつをさせるという方法でトレーニングを行います。
おしっこに比べてウンチの方が回数が少ないはずなので、おしっこを基準にすることがお勧めです。
犬がクレートの中で過ごす時間
犬のおしっことおしっこの間隔は、だいたい2~3時間は空くと思います。
2~3時間であればクレートの中で管理をしても問題ない長さなので、その時間をクレートの中で過ごす時間に当ててもらうといいと思います。
クレートの中でトイレの失敗がないように、我慢をさせる習慣をつけていただきたいと思います。
犬がトイレに行くタイミングでトイレに促し、その後はクレートの中で大人しく過ごすということを何度も繰り返し行うことで、寝床とトイレの認識をさせることができます。
人がトイレのコントロールをする
人がトイレに促してあげることで、トイレのコントロースができます。
表にいる状態で、犬が自らトイレに行って排せつをするようになってほしいと思った時には、ただ時間的なトイレの我慢だけでは足りません。
運動をして代謝を上げる必要があります。
代謝を上げたほうが、おしっこやうんちが出やすくなります。
犬は、クレートの中で大人しくしていた後にトイレに促しても排せつはしにくいので、「運動させながら」というのが理想的な方法です。
成功率が30%だと、トイレ以外の場所で排せつをしてしまう可能性が高いので、クレートやケージの外に出して遊ばせている時には、絶対に目を離さないでください。
ちょっと目を離したすきにするのが犬です!!
少しでも人の視界から外れようとしたら、呼び戻してください。
人から見える場所で20分くらい遊ばせて代謝を上げて、におい嗅ぎが増えるなど動きが怪しくなったらトイレに促しましょう。
そこで、成功できたら沢山褒めてあげてください。
トイレトレーニングにはリードを活用
トイレトレーニングをしている時には、リードを必ずつけておくようにしてください。
なぜなら、トイレへの誘導時に必要になるからです。
特に指示語が通らない場合には、リードを軽くツンツンと引いて、トイレに促すときに有効です。
犬が自分の足でトイレに行く、自分でトイレにいくようにしないとトイレの認識ができません。
飼い主さんが抱っこして連れて行ってしまうと、トイレにワープできると勘違いしてしまいます。
人の指示やリードで合図するなどの方法で、犬がトイレの場所を認識して自分の足で行くようにしましょう。
目指せ!トイレの成功率120%
トイレに出たり入ったり、トイレの出入りを繰り返す子は、ちゃんとする確率が高いです。
その辺で匂い嗅ぎをはじめて、その辺で踏ん張りだすということは、トイレに行って排せつをしようという意思がないということです。
トイレに促す作業が必要です。
犬の行動を見ていると、トイレの認識ができてくると明らかに行動が変わってきます。
犬の様子をよく見て、判断していただきたいと思います。
成功率30%はちょっと低いので、成功率120%を目指しましょう!!
99%でもダメです。
1%でも失敗する可能性を残してしまうと、成功率が下がってしまいます。
成功率120%を維持するためには「褒める」ということが必要不可欠です。
成功することが当たり前だと思ってしまいがちですが、成功したら必ず褒めてあげてください。
当たり前になっても成功したら褒めてあげるようにしないと、失敗をした場合に軌道修正ができなくなってしまいます。
【重要】必ず褒めてあげて下さい。
まとめ
トイレのトレーニング方法について
トイレを覚えるには成功を褒めることが最も大切です。
失敗しても、絶対に叱らないようにしましょう。
「人は失敗から学び 犬は成功を褒める」を心がけて下さい。
犬の排せつやマーキングを叱ってしまうことはNGです。
トイレの場所を決めて、誘導しましょう。
犬をケージで飼っている人は、必ずケージの外にトイレを新設しましょう。
ケージの中をトイレと寝床の半々に分けて管理している方は、ケージの中はそのままでいいので、ケージの外に外用のトイレを新設してください。
トイレトレーニングを始める前に、犬の排せつサイクルを把握することが大事です。
トイレへ促すタイミングの把握や、健康管理などにも役立ちます。
『トイレトレーニングの正しいしつけ方法』をYoutubeで配信しておりますので、是非参考になさってください!