早食いについての質問を頂きました。
ビーグルは食いつきがよい傾向にあり、食いつきが良い犬は早食いに見られがちです。
しかし、意外と食事のスピードは普通である場合があります。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
うちのビーグルの食べるスピードが早くて、早食い対策のお皿を使っています。
ただ、がっついてる感じは変わらないです。
知り合いの飼い主も「うちの子より早いね」と言っていました。
何か別の対策があれば教えて頂けないでしょうか?
それとも今のお皿を使ったまま、様子を見た方が良いのでしょうか?
犬の早食いについて
犬の早食いの目安
犬は、基本的にガツガツ食べます。
人間のように、よく噛んで食べる生き物ではありません。
人間の唾液には食べ物を分解する酵素が含まれています。
しかし、犬の唾液には含まれていないため、食べ物をよく噛んで消化をしやすくする必要がないのです。
そのため多くの犬は、よく噛んで食べないため早食いに見えます。
早食いの中でもよくないものがあります。
食べた直後に吐いてしまう、のどに詰まらせるという様子が見えたら、早食いです。
早く食べ過ぎて咳こんでしまうなどの場合には、早食い防止グッズを使用して頂きたいと思います。
本当に早食い?
飼い主さんから愛犬をお預かりする際に「早食いだ」と言われることがあります。
しかし、早食いの犬はあまり多くありません。
飼い主さんから見たら早食いに見えているだけで、一般的であるケースが多々あります。
例えば100g程度のご飯を10秒以内で食べてしまっても、普通な場合もあります。
健康面で心配な場合には、食事風景を動画撮影して獣医師に見せ、判断を仰ぐのも一つの方法です。
早食いの後に問題が起きなければ、しばらく様子を見ても構いません。
犬の早食い対策
犬の早食いを防ぐ方法
相談者さんが使用している早食い防止のお皿は、効果的です。
犬のしつけハグでは、早食い予防の食器の使用は推奨していません。
「早食い防止の食器を使った方が安心ですね」と言う程度です。
犬のしつけハグで行っている早食い防止対策は、1回分のご飯を小分けにして与えることです。
小分けにすることで、早食いを防止することができます。
食べ終わったら次のご飯を出すという、わんこそばのような形式で食事をします。
飼い主さんには少し手間がかかってしまいますが、小分けにすることで早食いを防ぐことができます。
一口で大量に食べることができないような対策をすると良いです。
早く飲み込んでも問題がないように、ご飯をふやかして与えることで吐き戻しを防ぐことができます。
犬のしつけハグでは、早食い防止対策として小分けにして食事を与えることをお勧めしています。
早食い対策用のおもちゃ
最近、おもちゃの中にご飯を入れて食べさせるという物があります。
おもちゃの中にご飯を入れることで、ゆっくりと食べることができるというものです。
ただし、遊び感覚でご飯を食べさせてしまうと、食事の時間が長くなってしまいます。
遊び食いが習慣化してしまう可能性があります。
出来れば、地土できちんと食べさせることが理想的です。
早食い防止用の食器を使用する場合、早食いが改善しているにもかかわらず使い続けていると、犬がご飯を食べることを面倒だと思ってしまう可能性があります。
あまり複雑な食器を使うこともお勧めできません。
ご飯だけではなく、水の早飲みにも注意が必要です。
ボトルを使って飲ませると、吐き戻しが少なくなります。
器の蓋が浮いている、早飲み防止皿もお勧めです。
一定量の水しか飲むことが出来ない食器もあります。
一度に大量のご飯を食べたり水を飲んだりしなくても、満足感を得ることが出来るものがあります。
ペットショップなどには様々な種類の食器があるので、足を運んで見てみるのも良いでしょう。
犬の早食い関連の注意点
食いつき低下に注意
犬の早食いを予防するために様々な対策をすることは良いでしょう。
しかし、犬の食いつきが悪くなる可能性もあるので注意が必要です。
犬の様子をしっかりと観察して、対策をして頂きたいと思います。
拾い食いに注意
ご飯の食いつきが良い犬で心配なのは、拾い食いです。
目を離したすきにゴルフボールを食べている、絨毯を食べているというケースをよく耳にします。
食に興味がある犬は、食べることが好きな犬は拾い食いをするケースが多いので、注意深くみて頂きたいと思います。
早食いになりがちな犬種
食に強い興味を持つ犬、食べることが好きな犬が早食いになりやすい傾向にあります。
もちろん個体差はありますが、一般的に早食いになりやすい犬種がいます。
- ビーグル
- ブルドック種
- テリア種
- レトリーバー種
などが、挙げられます。
ご相談者さんの愛犬はビーグルなので、早食いになりやすい犬種の1つです。
早食いになりやすい犬種は、食欲旺盛な性格で食べ物に執着しやすい場合が多いです。
また、多頭飼いをしている場合に早食いになりがちです。
複数頭が一緒に生活をしていると、早く食べなければ奪われてしまうと思ってしまうからです。
犬の早食いのリスク4つ
1.誤嚥
早食いをすることは、誤嚥の危険性があります。
食べた物が、食道ではなく気管に入ってしまうと、誤嚥性肺炎になってしまう危険性もあります。
通常は食べ物が気管に入ってしまうと、せき込むことで出すことが出来ますが、シニア犬や嚥下機能が低下している際には気道を塞いでしまうこともあり危険です。
2.胃拡張
早食いをすると、食べ物と一緒に空気も沢山飲み込んでしまうため、胃が拡張してしまう可能性があります。
同時に大量の水を飲むと更に胃が膨らんでしまいます。
3.肥満
早食いは、犬が満腹感を得る前に沢山食べてしまうため、肥満になりやすいと言えます。
短い時間で食べてしまったからと言って、フードの量を増やすことはしないようにしましょう。
また、犬は与えれば与えただけ食べてしまう可能性があるため、月齢に合った量だけを与えるようにして下さい。
4.吐く
犬は、早食いした時に食べた物をそのまま吐き出すことがあります。
吐き出した後も犬が元気であれば、問題はありません。
しかし、あまり頻繁に吐き出しが続くようであれば心配です。
胃に負担がかかってしまいます。
また吐き出してしまう訳ですから、栄養を摂ることができないため注意が必要です。
犬はみんな早食い?
犬の習性として、よく噛んで食べるのではなく丸飲みしがちであると言えます。
犬の祖先であるオオカミは、群れで暮らしていました。
多頭飼いの場合と同じですが、のんびり食べていると、どんどん自分の食べる分が無くなってしまいます。
野生時代は、次にいつ食事が出来るかわかりません。
そのため、食べられる時にしっかりと食べておかなければならなかったのです。
早食いになってしまうのは、犬の習性なのです。
食事の後の危険信号
犬が早食いをした後、注意していただきたい危険信号があります。
- いつもよりもよだれが多い
- 吐きそうになっているのに吐くことができない
- 落ち着きがなくソワソワしている
- 呼吸が荒くなっている
早食いをした後に嘔吐したり、ぐったりして元気が無い場合には動物病院へ連れて行き医師の指示を仰ぐことをお勧めします。
まとめ
犬の早食いについて、ご質問を頂きました。
犬は早食いに見えていても、あまり早食いではないケースが多く見られます。
ご飯をあげるとすぐに食べてしまう様子は、人から見ると早食いに見えるかもしれません。
しかし、犬にとっては普通のスピードなのです。
食欲旺盛な犬種や食に興味を持っている犬種は、早食いになりやすいと言えます。
ご相談者さんの愛犬のビーグル、ブルドック種、テリア種、レトリーバー種は早食いになりやすい犬種です。
とても食いつきがよく、がつがつ食べます。
犬にはそれぞれペースがあるので、個々のペースを考えて見て頂きたいと思います。
犬の早食いのポイントとしては、食べた後に吐き戻しがある、気管に詰まらせるなどの様子があれば早食いです。
対策としては、早食い防止の食器を使用する、小分けにして与えるなどの方法があります。
早食いには4つのリスクがあります。
- 誤嚥
食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう。 - 胃拡張
食べ物と一緒に空気も沢山飲み込んでしまうため、胃が拡張してしまう可能性があります。 - 肥満
犬が満腹感を得る前に沢山食べてしまうため、肥満になりやすいと言えます。 - 吐く
胃に負担がかかる、栄養が摂れない
体に異常が現れたり、のどに詰まらせるなどが見られる場合には獣医師に相談しましょう。
飼い主さんご自身で対策をすることも良いのですが、早食いではなかった場合にご飯の食いつきを落としてしまう可能性があります。
他にも、ご飯に対する興味が減る、遊び食いをするなどに悪い影響が出ることがあります。
今までしっかりと食事が摂れていたのに、摂れなくなるという心配が出てきます。
一度の食事の中での調整が必要になります。
食べにくくなる食器を使ったら、面倒になり食事を摂らなくなったら大変です。
犬のしつけハグでは、小分けにして食事をすることをお勧めしています。
飼い主さんにとっては少し手間がかかりますが、わんこそばのように小分けにして与えることで、早食いを防ぐことができるので、お試し頂きたいとおもいます。