古い毛を抜いて間引いて綺麗な状態を保つ、テリア系特有のトリミング方法。
プラッキングをすることで毛の退色を防ぎ(色が濃くなる)、毛質も硬くなる。(ゴワゴワな感じ)
実際にプラッキングをせずに普通のカットにすると、かなり白っぽい色の毛になってくるし、タワシのような剛毛も猫毛とまではいかないまでも、かなりフワフワの毛に変化してくる。
記事:雪丸崇一
Yukimaru
[プラッキング]
メリット、と言うか「テリア本来の毛並み・毛質を保持する」のようなニュアンスになるのだろうが、私個人としては最近はもうよく分からなくなってきた。
主にはドッグショー等に出るようなワンコはこのプラッキングを漏れなくしている。
ただ「テリア本来の…」と言うのには少々引っ掛かるところはある。
「本来」であれば手を加えずとも勝手に換毛するようなことを「本来」と言うべきなのでは…。そう思うと人の手によって敢えて毛を抜く作業は、今風に言えばルッキズムによる人のエゴなのでは?とすら思うこともある。
しかも通常のトリミングに比べて時間も長くかかる上に、サロンによってはトリミングの倍近い金額がするところもある。確かに技術が必要な方法ではあるので、それなりの金額が掛かってしまうことは致し方ない。
思考停止
我が家のバズはもう随分と長いことそのプラッキングによるトリミングを続けてきた。
「ノーフォクテリアはプラッキングをするもの」
と、半ば思考停止になっていたのかもしれない。
特に今でこそそれなりに見掛けるようになってきたノーフォークテリアだが、10年くらい前はなかなか見掛ける機会は少なく、それ故か当時見かけるノーフォークは熱心なノーフォーク愛好家の方も多く、どの子もほぼ漏れなくプラッキングをやっている子がほとんどだった。
その影響も少なからずあっただろう。
ただ、最近見かけるノーフォークの子はプラッキングをしていない子もかなり多い印象だ。
また昔は断尾をすることが慣習だったようだが、最近は断尾しない子も多い。
犬の世界でも時代に合わせて様々な慣習が変化しているのであろう。正に世はダイバーシティ。色んな子がいて良い。
むしろ「可愛い・慣習だから」と言って無理に身体的に負担をかけるようなことはあってはならないと思う。(決してプラッキングを否定しているわけではない)
だからと言うわけではないのだが、2022年の12月のプラッキングをもってプラッキングは最後にすることにした。
理由は主に、加齢による長時間のプラッキングは体力的にもそろそろ可哀想だろうということだ。
バズも今年で10歳、1ヶ月半〜2ヶ月くらいに1回の周期とは言え、3〜4時間もずっとはなかなかにしんどいことだろう。
サロンもインフレ
加えて昨今のインフレ事情。これはトリミングサロンにも漏れなく波及している。
昨年全コースが値上がりしたこともあり、なかなかに立派な金額になってきた。
私の散髪代の倍くらいしているのだ。笑
東京に住んでいた頃に一度、都内の某有名店にお願いしたことがあったのだが、その時はプラッキング代で2万近くいったこともあって、目玉が飛び出るかと思った。
昨今のインフレ事情を考えると更に値上がりしていることを考えるとゾッとする…。
今はまだ比較的納得できる料金ではあるのだが(丁寧なケアも含めて)、それでもなかなかお金がかかる。浮いた分は最近かかるようになってきた動物病院の医療費にまわすこととしよう。
ちなみにプラッキング、自分でやってみたらいいじゃない。と言う意見もあるだろうが、もちろん専用のプラッキングナイフは持っているし過去に何度か自分でやったことはある。
これはやったことのある人なら共感してもらえるだろうが、素人がやろうと思うと途方もない時間がかかる。抜いても抜いても終わりが見えないのだ。その割に「あれ?なんか変わったか?」と言う無力感。
だからこそのプロの技術であるし、それに見合った対価であることは承知しているのだ。
また、トリミングとは異なる技術が故に、プラッキングが可能なサロンも限られてくる。私の場合は鎌倉〜湘南界隈で通える範囲内にプラッキング可能なサロンがあるかどうかを調べた上で引っ越しを決めたくらいだ。
それ故にプラッキングをする(必要な)犬種をこれから飼おうと思われている方がもしいれば、サロンに限りがあること、金額もなかなかの負担になること、長時間かかること、これらは予め踏まえておいた方が良いだろう。
近々年明け初のサロンなのだが、数年振りに普通のトリミングとなる。バズもきっと幾分か気も体力も楽になるだろう。私のお財布も楽になる…。
膀胱結石と去勢
さて、サロンの負担が少し軽くなると思いきや、加齢による病院の費用も増加傾向にあり、結局のところマイナスである。
去年は外耳炎を治療し、本日その後の経過観察を診察しに行ったところ、状況は良好であった。
外耳炎とは別に、昨年発覚していた膀胱結石、こちらはやはり消える兆候はなく最近はたまに血尿が出ることもあったので、来月結石を取ることとなった。加えて前立腺の腫れも気掛かりと言うことで併せて去勢手術もすることに。
去年は日帰り入院だったが、今度は2泊3日程度の入院となるらしい。
流石にこれまでに経験のない大掛かりな手術らしい手術なので、不安ではあるが先生に聞いたところ、
「良くあるスタンダードな手術なのでそんなにリスクがあるものではないので大丈夫ですよ」
とのこと。
とは言えもうシニアの域に入っているので、少しでも麻酔や手術の負担の軽い内にと言うことで、あまり先延ばしせずに早々に手術することに決めた。
手術代もいよいよ10万を超え始めたか…と言う感じなのだが、昨年保険に加入しておいて良かった。とつくづく思う。
そんな自分も明日は我が身の経過観察の為の通院である。
飼い主飼い犬共に老化が止まらない。正に老老介護である。笑