愛犬が下痢になったら焦りますよね。しかし、まずは冷静になって便の状態などを見極めましょう。また、下痢の原因に心当たりがある場合は改めなければなりません。「便」ですから、動物を飼い慣れていない人にとっては多少なりとも抵抗があるかもしれませんが、絶対に欠かせない知識ですのでぜひ最後までお読みください。
犬が下痢になったら飼い主はどう対応すべき?獣医に診せるべき?そもそも犬の通常の便ってどんな感じなの?
- バナナ型
- 人が掴めるくらいの硬さ
- つやがある
- 色は黄土色~こげ茶色くらい
というのが犬の普通の便です。
もちろんワンちゃんによって微妙に差があるので、一度しっかりと確認してみてくださいね。
犬の下痢のタイプ【硬さ編】
軟便:水分が普段より多く柔らかいが、「形がない」レベルではなく掴める
泥状便:泥のような便であり、掴めない
水様便:水に近い便
泥状便・水様便に関しては、すぐに動物病院に行くことをおすすめします。
軟便であれば自宅で様子を見ても構いませんが、なかなか治らないのであれば獣医さんに診てもらいましょう。
犬の下痢のタイプ【色編】
「下痢でも普段とあまり色は変わらない」という場合が多いわけですよね。
しかし、以下のような特殊な色になった場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
疾患が影響している可能性が否定できないからです。
基本的に「色がおかしいことは、柔らかさがおかしい事よりも重大」だと考えてくださいね。
粘血便:粘り気のある血や粘液が便に混ざっている
赤色の便:血液が便に混ざっている
タール便:ドロドロで黒っぽい(これも血便です)
白い便:白~灰色の淡い色の便
犬の下痢はなぜ起こる?
犬の下痢の原因のうち、主なものを挙げていきますね。
1:食べ物
これまで食べさせたことがないオヤツを与えたり、ドッグフードを変えたりすると、下痢になる場合があります。
「現状のドッグフードで問題なく生活できている」というのであれば、あえて変えないほうが良さそうですね。
また、一定以上の品質のドッグフードを与えているのであれば、本来オヤツなどを与える必要はありません。
それから、食べ過ぎなどでも当然下痢になるかもしれないので気を付けましょう。
犬の身体は小さいので、「人間の感覚」で「たまには多めにエサを食べさせてもいいかな」などと考えると大変なことになるかもしれません。
2:ストレス
- ペットホテルに泊まる
- 旅行に連れていかれる
- 気温の上下(季節の変わり目などですね)
- 来客
などなど生活環境が変化すると、ストレスやプレッシャーの影響で腸の調子がおかしくなって、下痢に見舞われる恐れがあります。
飼い主さんからすれば「犬に色々な経験をさせたい!」と思うのは自然な流れですし、それも大事なことではあるのですが、基本的には「犬の健康」を優先してあげてくださいね。
3:内臓の病気
消化肝腫瘍、IBD(炎症性腸疾患)、膵炎などの影響で下痢になることもあります。
4:ウイルス・寄生虫・菌
犬パルボウイルス、サルモネラ菌、寄生虫などの影響で下痢になる事があります。
特にシニア犬や子犬の場合は、これらによって下痢に見舞われやすく、重症化しやすいので気を付けましょう。
5:先天的な理由
先天的に消化管機能が弱い犬は、下痢のリスクがやや高いです。
また、アレルギー持ちの犬は腸の中のコンディションが悪くなりやすいため、一般的なドッグフードやちょっとした体調不良などによっても下痢になる恐れがあります。
該当する場合は、
- 一度安全なドッグフードが見つかったら安易に切り替えない
- 新しいドッグフードを試すときは医師に相談する
- オヤツは与えない(健康な犬でも本来必要ないものです)
などの事を心掛けましょう。
犬の下痢を自宅でケアする場合の方法・注意点は
- 便の色に異常がない
- 「軟便」の範囲でとどまっている
- 下痢以外の不調がない
- 食欲が落ちていない
- 普段通り活発である
- 老犬、子犬ではない
という6つの条件を全部満たしているのであれば、一時的な下痢なのかもしれません。
とりあえず、2~3日様子を見てみましょう。
食事の量はやや少なめにしましょう。また、半日程度エサ抜きにするのも良いでしょう。
それから、下痢止めを飲ませるのは絶対にやめてください。
人間の食中毒などと同じく「出してしまったほうがいい」場合もあるからです。
また、そもそも犬にとっては下痢止めは刺激が強すぎるかもしれません。
3日経っても下痢が完治しないのであれば、獣医さんに診てもらいましょう。
(『完治』している必要があります。『改善している』レベルでしかないのであれば、動物病院に行くべきです)
獣医さんに診てもらう前に飼い主がすべきこと
- 食欲はあるか
- 元気はあるか
- 下痢が始まった時期
- 下痢のペース
- 下痢の色
- 下痢の形
などを飼い主さんがメモなどにまとめてから、動物病院に行きましょう。
さすがに「下痢なんです!」とだけ言われても、対応しにくいですよね。
できれば、ペットシーツなどで便を覆い、ビニール袋に入れて持っていくことをおすすめします。
まとめ
「下痢以外の異変が全くない場合」を除き、すぐに獣医さんに診せることをおすすめします。
ワンちゃんは言葉を話さないので、「便の状態」も体調を知るための重要な手掛かりになります。
最初は抵抗があるかもしれませんが、日頃からきちんと愛犬の便をチェックしましょう。それも飼い主さんの重要な役目です。