リチャード・ギア主演の『HACHI 約束の犬』は、秋田犬のハチの子犬時代から大人になってまでの「忠犬ハチ公」の物語を海外で映画化!世界中でも注目されている「忠犬ハチ公」のエピソードは涙無しでは見れない感動的なストーリーであり、愛らしいハチの姿が見どころですよ。それではあらすじから紹介しましょう。
1.あらすじ
子犬の秋田犬(ハチ)は日本から海外に運ばれる途中の駅でカゴごと落ちてしまいました。通りかかったパーカーは飼い主が見つかるまで泊めてあげようと家へ…部屋に連れて行ってから妻・ケイトに言おうとするのですが、ハチが部屋から抜け出したことでバレてしまうのです。パーカーは「明日には飼い主を探す」と約束し、朝になると飼い主募集のチラシを娘と用意します。出勤の際に駅までの道のりでチラシを貼ってもらったりしつつ、電車で務め先へ。ハチをリュックに入れて抱えながら、その日は帰宅するのでした。
ケイトはハチと共に戻ったパーカーをたしなめて、飼いたいと願う彼に困ります。ケイトの仕事の邪魔をするので反対していましたが、庭でハチと遊ぶパーカーの姿を微笑ましく思ったケイトは飼うことに賛成するのでした。
成長して大きくなったハチは、時おり出勤しようとするパーカーを追って家の塀の下の土を掘ったり、塀を飛び越えたりして駅まで追いかけるのです。ある日、根負けしたパーカーはハチに駅までの出迎えをしていいことにし、それから毎日のように朝は見送り、17時に出迎えするようになりました。
ある日、ハチが迎えに来ていないのに気付いたパーカーが家に帰ると、そこにはスカンクを威嚇するハチの姿が!パーカーはスカンクを捕まえようとして失敗。ハチと共にひどい臭いをつけられてしまい、一緒に風呂に入って共に寝ることにするのでした。
娘は彼氏のマイケルと結婚して子供を授かったこともあってパーカー一家は平和だったのです。しかしそれは突然、終わりを告げます。その日、ハチはパーカーの見送りをしようとはせず、パーカーは戸惑いながらも出発。駅に着くと、ハチがボールをくわえて来たためパーカーは喜びつつ、駅前で何回かボール遊びをしました。ハチは数回吠えて何かを伝えたそうにしますが、パーカーは仕事へ…その姿を最後に彼は戻ってきませんでした。パーカーの急死した数日後、ハチは娘一家の元に引き取られます。
ハチはそれでも家を抜け出して駅でパーカーの帰りを待ち続けました。ローカル紙の記者がハチの噂を聞いて「帰らぬ主人を待つ犬」と新聞の記事にすると、多くの人から募金が集まるようになるのでした。
10年後、ケイトと友人がパーカーの墓参りに来ると駅には老いたハチの姿が…ケイトはハチが待ち続けていたことに驚き、抱きしめました。その後、雪の降る日にハチは息を引き取ります。
ケイトは娘の家で孫にアルバムを見せながらハチの話をし、その子は学校で「忠実であることの大切さを教えてくれたハチは僕のヒーローです」と発表したのです。彼は飼い始めた子犬にハチと名付けて共に過ごすようになりました。
2.感想・見どころ
・映画『HACHI 約束の犬』のこのシーンが良かった!
ハチは子犬の時はカゴの鍵を頑張って開けようとしたり、リュックに収まっている姿がとてもキュート。つぶらな瞳でキョロキョロとする姿が良いですね。成長したハチがパーカーに駆け寄ると胸の高さ位ほどに立ち上がるのを見て「大きくなったな!」と感じさせてくれたのも印象的です。
そして、ハチとパーカーのシーンもほのぼのさせられて良かった!パーカーが子犬のハチを仕事場に連れて行く際に、大きなリュックにハチを入れて犬は禁止である電車にコッソリと乗せる姿も面白かったです。ミルクをコップに入れて座席の下で隠しながら飲ませたり、鳴き声を少し上げた際にはそれに合わせて咳ばらいをしたりするのは微笑ましさもありましたね。その後、講師を務めるがバレエ用のピアノの演奏の指導をする際に、リュックから出てきたハチがステージでくつろいでいるのには、ほのぼのさせられました。
そうしたハチの目線を表す際のカメラワークは視点が低くて、普段とは違った目線を楽しめるのが『HACHI 約束の犬』の見どころの一つでしたね。モノトーンになるのでちょっと違った雰囲気を味わえます。
・秋田犬についても知れたり、日本のシーンも見どころ
秋田犬のハチが首から提げていた名前は「八」。日本では縁起のいい数字だというエピソードがあったり、パーカーがケイトを説得する際にインターネットで秋田犬を調べて、「王族の犬なんだ」と伝えたりしていて面白かったです。
秋田犬は人を喜ばせることに関心が無く、パーカーを迎えに行くのはパーカーが好きだからというのにも「なるほど」と思わされました。というのも、パーカーがハチにボールを取ってこさせる練習をするのですが、ハチはやろうとはしなかったから…パーカーが一生懸命やり方を教えようと、自らボールをくわえて見せるのには思わず笑ってしまいましたね。
そうした中で、ハチがボールを持ってくるのはパーカーの最期の日だけ…ハチはパーカーの異変に気付いて吠えたり、ボールを持って来て「行かないで」と呼び止めようとしていたと思うと涙が再び込み上げてきそうです…忠犬としてのエピソードは映画の最後で字幕で語られ、渋谷駅前のハチ公像が映されていたのも印象的でした。
・飼い主を探すのは大変、でも愛されるハチ
パーカーはハチを預かってもらうために保健所に行きますが、2週間しか預かってもらえなかったり、友人の家では「かわいい!」と言われるものの既に飼っていたペットのネコがハチにネコパンチをしてきたり…簡単には飼い主が見つからないのだなという難しさが伝わってきましたね。一方で、チラシを見た人から電話が入ったことも考えると、
頑張れば飼い主候補も現れるのだなと思いました。
そして、駅員や駅前のホットドック屋台の店主、家の途中にある店の人が見守るのが温かさを感じさせます。ハチに「内緒だよ?」と言ってご飯をくれたり、「やぁ、ハチ」と挨拶をしてきたり…パーカーとのコミュニケーションはもちろん、ハートフルな映画でした。
3.まとめ
日本の「忠犬ハチ公」のエピソードを改めて知ることができる『HACHI 約束の犬』は、愛らしい秋田犬のハチの姿がとっても印象的な映画でした。雪の降る街を駆け回ったり、のんびりとしていたりするハチの姿に癒されつつも、忠犬としての生き様に感動するストーリーがとても印象的です。