エビは、てんぷらやエビフライ、お寿司など日本食には欠かせない食材のひとつです。
しかし、エビが使われているドッグフードを見たことはないのではないでしょうか?
では、犬にエビを与えてはいけないのでしょうか?
犬にエビを与える前に知って頂きたい事や、注意点についてご紹介します。
エビの栄養素
エビは種類が沢山あるので、含まれている栄養素に多少違いはありますが、主な栄養素についてご紹介します。
たんぱく質
エビには、三大栄養素のひとつで、犬の健康にも必要不可欠な栄養素であるたんぱく質が含まれています。
たんぱく質は、筋肉や血液、内臓などの器官を維持するために、必要な栄養素です。
生命を維持するためには、重要な栄養素の1つです。
ビタミンE
エビには、抗酸化作用を持つビタミンEが含まれています。
特に、伊勢エビや甘エビには、ビタミンEが豊富に含まれています。
ビタミンE には、犬の健康維持にもなる、様々な病気を予防する効果が期待できます。
ビタミンB12
犬の健康に欠かせない栄養素、ビタミンB12が含まれています。
葉酸とセットになり、赤血球の中に含まれているヘモグロビンを作る助けをします。
B12が不足すると、赤血球が作られなくなってしまったり、脱毛や胃腸炎などの症状が出る恐れがあります。
銅
銅は、赤血球のヘモグロビンが作られる時に、必要な成分です。
ヘモグロビンは、鉄分だけでなく銅も不足すると、正常に作られなくなるので、重要な栄養素です。
銅は、酵素の原料にもなるため、骨の形成も助けています。
リン
リンには、カルシウムやマグネシウムと一緒に、骨や歯を作る作用があります。
ただし、摂りすぎてしまうと、腎臓に負担がかかったり、カルシウムを奪ってしまうので注意が必要です。
タウリン
タウリンは、肝臓の働きを活発にする作用があり、更に肝臓の解毒能力も強化してくれます。
他にも、血圧を保つ効果や、血液中の中性脂肪を減らす効果も期待できます。
キチンキトサン
がん予防に効果がある栄養素です。
キチンキトサンは、食物繊維の1つで、コレステロールの吸収を妨げる効果があるので、食することでコレステロール値を下げてくれます。
犬にエビを与えても大丈夫?
犬は、加熱した物であればエビを食べても大丈夫です。
しかし、犬にエビを与える際には注意して頂きたい点があります。
生のエビを与えない
生のエビを食べてしまうと、健康を害する可能性があるので、犬にエビを与える場合には、加熱する必要があります。
生のエビには、チアミナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれています。
生のエビを食べると、ビタミンB1欠乏症になる可能性があるので、犬に生のエビを食べさせる事は、やめましょう。
万が一、生のエビを食べさせてしまった場合には、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
治療を行うことで、1日程度で回復が見込めます。
生のエビを与えることは、ビタミンB1不足になる可能性があるので、加熱していないエビを犬に与える事は、避けてください。
ビタミンB1欠乏症の症状
■食欲低下
ビタミンB1の初期症状として、エビを食べた後に、元気がなくなりご飯を食べなくなる事があります。
普段からあまりご飯に興味がない犬の場合には、気づきにくいかもしれません。
しかし、普段は残さずによく食べる犬が、エビを食べた後に食欲が低下していたら、ビタミンB1欠乏症の可能性があります。
■嘔吐・下痢
生のエビを大量に食べてしまった場合、数時間後に嘔吐・下痢などの症状が現れます。
小型犬の場合、大きめのエビを1本食べただけでも、症状が出てしまう事があるので、十分に注意して下さい。
■神経障害
重症化してしまうと、痙攣を起こすことがあります。
エビを食べた後に、犬が震えたり異常な様子で吠えたり、痙攣をおこしてしまったら、落ち着くまで様子をみて、できるだけ早く動物病院を受診して下さい。
万が一、生のエビを大量に食べてしまったら、症状が出ていなくても、動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
甲殻類アレルギーの犬には与えない
エビは、甲殻類なので、甲殻類アレルギーの犬には、絶対に与えないで下さい。
甲殻類は、アレルゲンになりやすい食材なので、加熱したエビをはじめて与える場合には、まずは少量を与えて症状が出ないかどうか注意深く観察するようにして下さい。
嘔吐や下痢、発疹が出たり赤くなって痒がるような場合には、甲殻類アレルギーの可能性が高いでしょう。
甲殻類アレルギーは、アナフィラキシーショックが起こりやすいので、充分な注意が必要です。
甲殻類アレルギーの犬にエビを食べさせると、命にかかわる可能性があるので、与えないで下さい。
殻やしっぽは与えない
エビは、生でなければ食べても大丈夫なのですが、殻やしっぽは消化しにくいので、取り除いてから与えるようにしましょう。
また、殻やしっぽは口の中や食堂を傷つけてしまう可能性もあります。
エビを与える時には、殻やしっぽは取り除いて、柔らかい身の部分だけを与えるようにして下さい。
エビの加工品は与えてもいいの?
エビの加工品の中には、犬に与えてはいけない物があるので、ご紹介します。
エビフライ・エビのてんぷら
エビフライやエビのてんぷらに限らず、犬に揚げ物を与える事は避けて下さい。
揚げ物を与えてしまうと、脂質の過剰摂取になり下痢を起こしてしまったり、肥満の原因にもなるので、やめましょう。
エビチリ
エビチリは、犬には刺激が過ぎますし、味も濃いので与えるのはよくありません。
また、エビチリには犬が食べてはいけない食材のネギ類が使われていることがよくあります。
万が一、犬がエビチリを食べてしまったら、ネギ類の中毒症状がないかどうか、様子を見てください。
異常が感じられる場合には、すぐに動物病院へ行きましょう。
犬用のエビを使用した加工品
エビせんやエビのふりかけなど、犬用に作られているエビの加工食品は、与えても問題はありません。
しかし、人間用の物は味も濃く殻が入っていて消化に悪いので、与えないで下さい。
エビを使用した加工食品は、犬専用の物を与えるようにしましょう。
まとめ
犬にエビを与える前に、知っておいて頂きたい事について、ご紹介しました。
生のエビは、犬にとって有毒な成分が含まれているので、与えないようにしましょう。
また、エビは甲殻類なので、甲殻類アレルギーがある犬に食べさせる事は危険です。
アレルギーや疾患のない犬には、加熱したエビを与えても問題はありませんが、愛犬の様子をよく観察して、健康な体を維持できるように、気を付けてあげて下さい。