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犬の血液型のお話|そもそもワンちゃんに血液型はあるの?

犬の血液型のお話|そもそもワンちゃんに血液型はあるの?

「犬に血液型があるのかどうか」から解説していきます。そして、犬の血液型のタイプ、犬の輸血事情などに関してもお伝えしていきます。特に輸血に関してはワンちゃんの命に関わりますのでしっかりとお読みください。
また、人間の場合は「血液型と性格は無関係」などと言われていますが、犬の場合はどうなのでしょうか。

そもそも犬に血液型はあるの?

犬の血液型は、血液中の「抗原」のタイプ次第で定まります。実は人間の血液型の決まり方と一緒です。

ですから、「犬に血液型はあるの?」という質問の答えはイエスです。

ですが、ワンちゃんの血液型の特徴は、人間のそれとはかなり違います。

犬の血液型は何タイプあるのか

「人間の血液型」にも色々な考え方がありますが、最もポピュラーな「ABO式血液型」で考えれば、A型、B型、O型、AB型の4タイプという事になりますよね。

ですが、犬の血液型は最低でも10タイプはあります。

「最低でも10タイプ」などというあいまいな言い方をしましたが、実は現在も研究が進んでおり「こんな血液型もある!」と徐々に発見されてきているんですよね。

(犬の情報を紹介するサイトでも、投稿時期によって血液型の数が違ったりします)

一例として、平成19年にはダルメシアンの研究によって、新規に「Dal」という抗原の存在が確認できました(新規の抗原を見つけた=新しい血液型を見つけた、と言えます)。

それから、赤血球たんぱくである「Kai1」と「Kai2」はこれまでとは大幅に違うタイプの血液型なのではないかと見られています。

ただし、世界的に認識されている犬の血液型は8タイプです。

「さっき最低でも10タイプって言ったじゃん……」と感じるかもしれませんが、「個体数が非常に少ないものを省くと8種類」という意味です。

血液型によって犬の性格が決まることはあるの?

結論から言いますが、血液型によって犬の性格が決まることはないと言われています。

犬の場合は、それよりも「社会化期の生活」や「犬種」によって定まる部分が多いと見られています。犬種によって~というのは例えば「プードルなら活発」などです。

ちなみに、人間の場合も現在は「血液型と性格は無関係」とされていますよね。

ただ人間に関しては、例えば「A型は○○な性格である」という話を聞いて過ごすことで性格がそちらに偏っていくことがあるかもしれません。そして、子孫を残すことで偏りが強化されて……という事がなくはないと言われています。

また、「この地域の祖先には○型の人が多く、この地域の人の祖先は環境的におおらかな性格の人が多かったと思われる。そのため○型の人は現在でもおおらかな傾向にある」などの考え方がないわけではありません。

ですが、いずれにせよ「血液型自体」で性格が決まることはないと言ってよさそうです。

犬に話を戻しますが、犬の場合は、例えば「ボクはA型だからきっと几帳面な性格なんだワン……」なんて考えながら生活する事はないでしょうから、やはり血液型は性格に関係してこないでしょうね。

犬の血液型を把握することにどんな意味があるの?

「じゃあ犬の血液型なんて知る意味ないじゃん」と感じるかもしれませんが、そうでもありません。

人間と一緒で、輸血のときに血液型が重要になるからです。

「その犬と、違う血液型の血液」を輸血すると、副反応が発生して、最悪の場合死に至る恐れもあるので注意してください。

犬の血液型の種類はたくさんありますが、輸血するときは抗原の一種である「DEA1.1」が「+」なのか「」なのかが大事になってきます。輸血の際の副反応として「急性溶結反応」というものがありますが、それにこの「DEA1.1」が密接に関わっているからです。

ちなみに具体的には、

  • 急性腎不全
  • DIC(播種性血管内凝固症候群)
  • ショック症状

などに襲われる恐れがあります。

だからこそ、犬の輸血前には血液型検査をする必要があるのです。

とはいえ、血液型検査を含む諸々の治療行為は全て医師が行ってくれるので、

飼い主さんとしては「冷静かつ迅速に対応する」という事さえ意識すれば問題ありません。

犬の輸血を十全に行える環境はあるの?

実は、今のところ日本には犬のためのしっかりした血液バンクが存在しません。

そのため、犬の血液型が判明しても血液が足りないせいで、迅速に輸血できない場合があります。

ただし、中央大学が平成27年に「犬用人工血液」の開発を果たしました。令和3年くらいには実用可能になると言われていますので期待しましょう。

さて、今のところ犬の輸血に関して、国内では次のような対応が採られています。

  1. 動物病院にいる供血犬から血を採る
  2. 医療用の代替血液を使う
  3. 動物病院間でサポートし合う

・ボランティアのドナー犬に助けてもらう

率直に言って、どれも「人間の輸血時」ほど確実性があるわけではありません。

ちなみに「ドナー犬」になると医療機関から特典を受け取ることが可能です。

ただし、「潜在的な心臓病に見舞われる恐れがある」「貧血になる可能性がある(ただし人間の献血時と同じくしばらく待てば治る)」などの欠点があるので気を付けてください。

また、「8歳以上だとドナー犬になれない」「そもそも『ドナー犬になれない血液型』がある」などの厳しい条件もあります。

まとめ

犬にも血液型があるのかについて解説しました。「ある」どころか、人間と比べて血液型の種類が多いということでしたね。また、人間と同じく犬の血液型は特に輸血時に重要ですので、「犬の血液型には意味がない」と考えるのは間違いです。

ただし、血液型によって犬の性格が決まる事はないので偏見を持たずに接しましょう。