犬には、人間よりも優れた能力が沢山あります。その能力を生かして様々な仕事をしています。その中の1つが「警察犬」です。特別な訓練を受けて合格した犬だけが、実際の現場で活躍しています。
警察犬がどんな仕事をしているのか?また、どのような訓練を受けているのか?警察犬についてご紹介しましょう。
警察犬とは?
警察犬とは、事件を解決するために訓練された犬の事です。犬の優れた嗅覚などの能力を使って、犯人を追跡したり、時には襲撃も行います。
日本の警察犬は、各都道府県警察で飼育されている直轄警察犬と、民間の訓練所で訓練される委託警察犬の2種類があります。どちらも、厳しい訓練を受けて認められた犬のみが警察犬として活躍することが出来ます。
警察犬として認められている犬種
警察犬と聞いて、イメージするのはシェパードではないでしょうか?日本では、警察犬として認められている犬種は次の7種です。
ジャーマン・シェパード・ドッグ
ドーベルマン
ラブラドールレトリバー
ゴールデンレトリバー
ボクサー
エアデールテリア
コリー
日本警察犬協会から認定されている犬種は7種ですが、他にも嘱託警察犬という制度があります。
民間の訓練所で訓練される委託警察犬には、トイプードルやダックスフンド、チワワなどの小型犬も警察犬認定を受けて、活躍しています。
警察犬の仕事
跡追及犬
刑事ドラマや映画などにも登場する、事件の現場に残された遺留品の匂いから、犯人の居場所を探し出したり、行方不明の人を探し当てたりする仕事をしています。
警戒犬
警戒犬は、警察官と共にパトロールを行います。警戒犬は、シェパードのような強いイメージを持つ犬種が多く、パトロールを行うだけで犯罪の抑止力になります。
パトロールだけでなく、不審者を見つけた場合、警察官の指示によって足に噛みつくこともあります。犯人逮捕の手助けもしてくれるのです。
麻薬探知犬
麻薬探知犬は、様々な種類の麻薬のほんのわずかな匂いを嗅ぎ分けて、探知できるように訓練された犬です。主に、空港の税関などで働いています。犬の優れた嗅覚を生かした仕事です。
訓練によって、麻薬の匂いを探知すると、係員にわかるような行動を起こして知らせてくれます。
警察犬になるための訓練
基本
トレーナーの指示に正しく従うことが出来るような訓練を行います。
・お座り
・待て
・伏せ など
跡追及犬の訓練
決められたコース上に、犯人役の人によって何カ所かに所持品を残します。
所持品の匂いをもとに、犯人の足跡の追及が出来るように訓練します。
警戒犬訓練
警察官の指示に従って、犯人の足に噛みつく訓練をします。
麻薬探知犬の訓練
麻薬探知犬は、主に空港などで働いています。また、貿易船の検査の際にも同行するため、空港内の人や貿易船などの乗り物に慣れる訓練を行います。人混みや賑やかな状態の場所でも、集中して匂いを嗅ぐことが出来るように、約4週間訓練します。
筒状に巻いたタオル(ダミー)を使った訓練を行います。遊びの一環の中で、ダミーを使って褒めながら訓練を行います。麻薬の匂いを覚えさせながら、「麻薬を見つけると遊べる」という意識を植え付けながら訓練を進めます。
遊びの中で、数多くの麻薬の匂いを嗅ぎ分けることが出来るようになっていきます。
いくつかのステップを経て、麻薬の嗅ぎ分けテストに合格すると麻薬探知犬としての仕事をすることが出来るようになります。
まとめ
警察犬になるためには、長い時間をかけて、厳しい訓練に耐えて合格しなければなりません。犬の優れた能力を生かして、日々頑張ってくれている警察犬の活躍にこれからも期待しましょう。