犬は暑さに弱いということをご存知の飼い主さんも多いでしょう。
近年の暑さは人にとっても犬にとっても厳しく、体調管理が難しくなっています。
クレートを利用している場合に、熱中症予防のためにはどのような対策が必要なのかプロのドッグトレーナーが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたコメントの内容
夜はケージ、最近ではクレートで寝かせています。
夏のクレート管理の注意点や工夫の仕方を教えてください。
クレートとは
犬のしつけハグでは、クレートでの管理を推奨しています。
犬のしつけハグをご利用頂いている飼い主さんに説明しているクレート管理の方法を詳しくご紹介します。
クレートとは、移動時などの際に使用する箱型のケースです。
プラスチック製の物が多いです。
犬が自ら入っていくように、トレーニングを行っています。
ケースの中に入っている状態なので、部屋の中でフリーの状態でいるよりも温度管理が難しくなります。
クレートを使用する場合には、室内はもちろんクレートの中の温度や湿度に注意が必要です。
気を付けなければならない点はありますが、クレートを使用することのメリットは沢山あります。
- 落ち着きを教える
- トイレの失敗をなくす
- いたずら防止
などが挙げられます。
ペットショップでは、ケージの半分を寝床・半分をトイレとしてその中で管理をすることを勧められることが多いです。
犬のしつけハグでは、犬を迎え入れたら直ぐにクレートでの管理をすることをお勧めします。
クレート使用時の暑さ対策
本格的な夏を迎える前に、犬のしつけハグを利用して頂いている飼い主さんにはクレート管理をしている部屋についてのご質問をさせて頂いています。
- 部屋は暑くないか?
- エアコンは設置されているか?
- 長時間家を留守にする時があるか?
などについて、お聞きしています。
クレートの中は暑くなりやすいです。
クレート管理をする部屋で、エアコンの稼働は必須です。
エアコンの無い部屋でのクレート管理は、絶対に止めて頂きたいと思います。
日当たりのいい場所にクレートを置くことも厳禁です。
夏場に行う人はさすがにいないのですが、冬場にクレートの中で日光浴をさせようとする人がいます。
クレートを日なたに置くことは大変危険です。
クレートを日なたに置いたまま外出をしてしまうと、熱中症になる危険性があります。
犬をクレートの中に入れた状態で、陽当たりの良い場所に置くことは止めましょう。
クレート内での通気性について解説します。
クレートの中は、風通しの良い空間ではありません。
エアコンの風が適度に通るようにはしたいのですが、直接当たるような場所に置くことは避けてください。
エアコンの冷たい風が長時間、直接犬に当たってしまうと低体温になる可能性があります。
サーキュレーターや扇風機などを使用して、部屋全体を冷やすようにしてください。
クレートを直接冷やすのではなく、間接的に涼しくなるように室内の温度管理をしっかりと行いましょう。
涼しい空気が循環するようにして、クレート内が快適な温度になるように調節してください。
クレートの中に敷物をしている方がいらっしゃいます。
ふかふかの敷物を置くことも、暑さの原因になります。
クレートはプラスチック製の物が多いので、直接寝ると痛いのではないかと思うのでマットを敷くことは問題ありません。
マットは、季節に合ったものに換えて頂きたいと思います。
夏場は暑くなりすぎないものを敷いて、犬がクレートの中で快適に過ごせるようにしてください。
特に暑がりの犬種の場合には、厚手のマットは敷かないようにして頂きたいと思います。
暑がりの犬種
犬は基本的に暑がりの犬種が多いです。
犬は人間とは異なり、汗をかいて体温を下げることができません。
体全体を毛に覆われているのですが、汗をかくことが出来るのは肉球と鼻だけです。
犬が舌を出して「はぁはぁ」と荒い呼吸をしている姿を見たことがあるという方も多いでしょう。
これは、パンティングと言い、犬が体温を下げようとする行動です。
特に暑さに弱い犬種は、短頭種と呼ばれている犬です。
- パグ
- フレンチブルドッグ
- シーズー
- ボクサー
などが挙げられます。
また、ダブルコートの犬種も体温を逃し難いため、暑がりです。
- ゴールデンレトリーバー
- シベリアンハスキー
- 秋田犬
- 柴犬
など
他にも、肥満になってしまっている犬も暑さに弱いことが多いです。
体についた脂肪によって体温が下がり難くなってしまい、暑がりになるのです。
呼吸もし難くなってしまうので、肥満にならないように注意しましょう。
犬を冷やす方法
犬の体が暑くなってしまった時の対処方法をご紹介します。
夏場などの暑い時期に散歩や外出をして、犬の体が暑くなってしまったら冷やしてあげる必要があります。
毛色が黒の犬は、熱を吸収しやすいため身体が暑くなりやすいです。
外気温が高いと、呼吸をして体内に入る空気も暑いため、内側からも暑くなり熱中症のリスクが高まってしまいます。
外から帰ってきたら、冷やしたタオルなどで体を拭いてあげましょう。
水分補給も大切です。
水分補給をする際には、水道から出した水を与えるのではなく、冷やした水をあげるようにして下さい。
水道から出した水は、温まっている場合もあるからです。
冷たい水を与えることで、体の内側から冷やしてあげることができます。
ただし、冷たい水を大量に与えるとお腹を壊してしまう可能性が高いので注意が必要です。
https://youtube.com/shorts/oY6-PgHIFns
愛犬が下痢をしている、呼吸が洗い、体が異様に熱いなどの症状が見られた場合には、動物病院を受診することをお勧めします。
熱中症は早目の対策が重要なので、様子がおかしいと思ったらすぐに病院へ連れて行ってあげて下さい。
まとめ
夏場のクレート管理に関する注意点について解説しました。
クレート管理をする場合には、必ずエアコンを使用してください。
クレートの中は暑くなりやすいので、空気が循環するようにサーキュレーターや扇風機を使用するようにしてください。
その場合、クレートに直接風が当たるようにするのではなく、間接的に風が当たるようにしましょう。
クレートは日差しが強く当たる場所には、置かないようにしましょう。
クレート内の温度が高くなってしまい、熱中症になるリスクが高くなります。
犬がクレートに入っている状態で放置してしまうと、熱中症になるリスクが高くなってしまいます。
クレートの中にマットを敷く場合には、厚さにも注意が必要です。
プラスチックの容器の場合が多いので、何か敷いた方がようのですがもこもこ素材のものは暑くなってしまうので、夏場は使用しない方がよいでしょう。
夏場は脱水症状なども怖いので、いつも以上に水分補給が大切です。
水分補給をする時には、水道水を与えるのではなく氷水などにして与えてあげましょう。
冷たい水で体の中から冷やしてあげて下さい。
犬の様子がおかしい、熱中症のような症状がみられる場合には、直ぐに動物病院を受診してください。
愛犬の安全を守りましょう!