犬のしつけハグでは、犬の歯磨きを仰向け抱っこで行う方法をご紹介しました。
仰向け抱っこが出来ない犬、大型犬や中型犬の場合は、正面で座らせた状態で歯磨きを行う方がやりやすい場合があります。
そこで、今回は正面で歯磨きをする方法をご紹介いたします。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
犬の歯磨きの必要性
犬は人間よりも虫歯にはなり難いのですが、歯垢が付きやすく、たったの4日で歯石に変わってしまいます。
歯垢がつくと、なぜ良くないのでしょうか?
答えは、歯垢は細菌の塊だからです。
歯垢の細菌は、虫歯や口臭の原因になるだけでなく、歯周病や歯肉炎、更には消化器疾患や顎骨骨折や心臓疾患を引き起こす危険性もあるのです。
歯垢のうちは歯磨きで取り除く事が出来ますが、歯石に変わってしまうと歯磨きで取り除く事は出来なくなります。
愛犬の健康維持の為には、毎日の歯磨きは必要不可欠です。
乳歯が生え始めたら歯磨きを開始して、習慣にしましょう。
犬の正面で歯磨きをする方法
それでは、犬の正面で歯磨きをする方法をご説明いたします。
まず最初に、犬を飼い主さんの正面に座らせた状態で「マテ」の指示を出します。
しっかりと「マテ」の状態が出来たら歯磨き開始です。
1.犬歯から奥へ磨く
犬の唇をめくって左手で押さえます。
歯ブラシを右手に持ち、犬歯から奥歯へ向かってスライドするように磨きましょう。
左右、どちらの犬歯から磨いて頂いても構いません。
歯ブラシが入る程度に唇をめくるだけで、犬の口は大きく空けずに磨いて行きましょう。
2.前歯を磨く
前歯を磨く時も、口は閉じた状態で唇だけめくって磨きます。
1本ずつしっかりと磨きましょう。
上下、どちらの歯から磨いて頂いても構いません。
前歯は鼻に近い部分なので嫌がるかもしれませんが、その時には「マテ」の指示を出しながら、磨いて行きましょう。
3.歯の内側を磨く
歯の内側は、口を開けた状態で磨きます。
犬の口を少し開けて、人差し指と中指を口の中に入れます。
親指と薬指を使って、上の顎と下の顎を固定した状態で歯磨きを行います。
歯の内側は、舌があるのであまり汚れていませんので、神経質になる必要はありません。
上下、左右、4方向磨きます。
注意して頂きたいのは、上の歯と下の歯が重なる部分です。
重なった部分の歯を磨く時のコツは、口を半開きにして磨く事です。
歯磨きが出来たら、沢山褒めてあげて下さい。
仰向け抱っこと正面お座りのメリット
仰向け抱っこ
仰向け抱っことは、飼い主さんの膝の上で仰向けに抱っこをする状態の事です。
仰向け抱っこが出来るという事は、脱力して飼い主さんに身を委ねている状態なので、信頼関係が出来ているとう証拠にもなります。
仰向け抱っこの姿勢が出来ると、歯磨き以外にもとても便利です。
例えば、お腹部分のブラッシングをする時には、仰向け抱っこが出来るととてもやりやすくなります。
毛が生え変わる時期は抜け毛が多くなるので、お腹はしっかりとブラッシングをしたいのですが、立ったままだとやりにくい部分です。
仰向け抱っこが出来るとケアがしやすくて、便利です。
また、爪を切る時にも役立ちます。
正面お座り
正面お座りの状態で「マテ」の指示が通り大人しく出来ると、仰向け抱っこと同様にお手入れがしやすいというメリットがあります。
歯磨き、目薬、耳掃除、爪切りなど、様々な犬のお手入れがしやすくなります。
ただ、お座りの状態だとお尻がすぐ動いてしまうというデメリットがありますが、大型犬や中型犬には、正面お座りが便利です。
正面お座りでも歯磨き出来なかったらどうすればいい?
犬は口を触られる事が苦手
犬は、口を触られる事は好きではありません。
動画に登場しているわんちゃんは、川島トレーナーのトレーニングを受けているので、とても大人しく歯磨きをさせてくれていますが、最初から動画のように上手くいくとは限りません。
「愛犬の健康のために毎日きちんと歯磨きしたいのに、歯磨きさせてくれない!」
「正面お座りの姿勢に挑戦したけど、それもダメ!どうすればいいの!!」
最初に、犬は歯垢が付きやすくたったの4日で歯石に変わり、歯石に変わったら歯磨きでは落とせませんと、申し上げましたが無理をしなくても大丈夫です。
むしろ、無理矢理歯磨きをする事は避けて下さい。
歯磨きが出来るまでは、別の方法でお口の中のお手入れをする方法があります。
歯磨きが難しい方におすすめのグッズ
歯磨きが苦手なわんちゃんや、毎日歯磨きをする事が難しいという方は、歯磨きガムやデンタルスプレーを利用するのも良い方法です。
歯磨きガム
唾液の分泌を促して、歯垢を落とす効果が期待できます。
また、口臭を予防する事も出来ます。
デンタルスプレー
犬の口の中にスプレーするだけで、口臭、歯石を予防する事ができます。
無添加の物を選んであげましょう。
歯磨きが出来るように慣れさせる
歯磨きガムやデンタルスプレーも効果はありますが、やはりきちんと歯磨きが出来るように慣れさせて下さい。
口の周りを触られる事を嫌がる犬は多いので、まずは体を触れるようになってから、顔周りを触ると良いでしょう。
焦らずにゆっくりと時間をかけて、行いましょう。
愛犬に「体を触られる事は気持ちいい」と感じてもらえるようにしましょう。
まとめ
お座りの姿勢で正面から犬の歯磨きをする方法をご紹介しました。
仰向け抱っこが苦手な犬や、大型犬・中型犬の歯磨きをする時には、正面から行う方法がおすすめです。
正面で座った状態で歯磨きが出来れば、目薬を差したり耳掃除をする時にも使えるので、とても便利です。
お口の中のケアは、犬の健康維持の為には欠かせません。
是非!毎日の歯磨きを習慣にしましょう。
【ドッグトレーナー解説】犬の健康管理は毎日の歯磨きから!正しい歯磨き方法 | 犬のしつけハグ (dog-hagu.com)