鏡や窓ガラスに移った自分に向かって吠えている犬を見かけることがあります。
鏡に映っている姿を自分だとわからず敵だと思っているのでしょうか?
威嚇するように激しく吠えていることもあるのですが、なぜ吠えてしまうのでしょうか。
わんちゃんが鏡に向かって吠える理由やその対処方法について、ドッグトレーナーが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeのコメント欄に頂いた質問
犬のしつけハグのYoutubeコメント欄に頂いた質問です。
鏡に向かって吠えたり威嚇するワンちゃんの姿を何度か見かけた事が有りますが、ワンちゃんは鏡を見た時や映像を見た時にそれが自分の顔、姿だとわかっていますか?
犬の視覚について
鏡だけでなく、夜暗くなってから反射して窓ガラスに移った自分の姿を見ると、怖がって吠えてしまうのでカーテンを閉めておく飼い主さんが多くいらっしゃいます。
犬は人と比較すると視覚がすぐれていません。
犬ははっきりと物の姿を捉えているのではなく、シルエットで見ていると言われています。
色彩の感覚もあまり優れていないため、人のように鮮やかには見えていないようです。
特に赤が見えにくいため、赤いボールで遊ぼうとすると犬の反応が悪いと言われています。
犬がよく反応する例として、店頭に置いてある犬の置物やガラスに映る自分の姿などが挙げられます。
キャリーバックを引いている人を犬連れだと勘違いして反応することもあります。
これらの状況から判断しても、犬はシルエットで物を見ているのではないかと思われます。
犬種によっても異なりますが、犬は近視である場合が多いと言われています。
ラブラドールやドーベルマン、シェパードなどの狩猟犬は、遠視である場合が多いようです。
犬の警戒心
犬は警戒心の強さから、敵ではないものに対して勘違いして吠えたり攻撃的になる犬も少なくありません。
生き物ですらないキャリーバッグに反応してしまうところは、警戒心を持ち神経が過敏になっていることが多いと言えます。
警戒心が強く、臆病になり自分の縄張りを守ろうとする傾向にあります。
犬の警戒心が強い部分は元々生まれ持った性格にも関係ありますが、家での生活環境が影響している可能性もあります。
家の中でフリーで生活していて自由度が高い場合に、警戒心が強くなります。
出来るだけケージやクレートの中で生活をするようにすることをお勧めします。
ケージの中にいると人に守られていると感じることができて、警戒心を弱くすることができます。
自分自身でなんとかするのではなく人が守ってくれるという気持ちを持つことができるためです。
臆病な性格の犬は、鏡に映った自分の姿などに過度に反応してしまい怖がってしまうのです。
怖がって吠えるという行動をやめさせようとするのではなく、ワンちゃんが安心して生活をすることができる環境を作ってあげてください。
お散歩中も犬が先陣を切って歩かせると吠えたくなってしまうので、人が主導権を握ることで警戒心を和らげることができます。
ワンちゃんの不安要素は環境が原因であることが多いです。
もちろん犬の性格も関係しています。
犬の性格を変えることは難しいのですが、環境を変えることは人にもできます。
飼い主さんが環境を変えてあげて、警戒心を抑えてあげましょう。
犬の警戒心の原因
子犬は社会経験が未だあまりないため、様々な事や人などに対して不安を抱きます。
不安な気持ちから攻撃的になってしまい、警戒心が強くなる要因となります。
社会経験を積むことによって徐々に警戒心が弱くなっていくことが多いです。
また犬種や性格などによっても警戒心の強さは異なります。
警戒心の強さから吠えてしまうことが多くなると、ご近所トラブルに発展してしまう可能性があるため注意が必要です。
飼い主さんが一緒にいれば、安心できる環境を作ることで吠えをやめさせることが可能です。
鏡やガラスに映った自分の姿に警戒吠えをする場合には、カーテンや布で覆ってしまうことも一つの方法です。
お勧めしたいのは、今いる環境や対象物に対して警戒心を解いてあげることです。
自分自身で警戒しなくても飼い主さんが守ってくれるから警戒しなくても大丈夫だという安心感を与えてあげることが根本的な解決になるでしょう。
まとめ
わんちゃんが鏡に向かって吠える理由について解説しました。
犬は鏡や窓ガラスに映っている自分の姿を自分だと認識していないので、警戒して吠えてしまうのです。
もし自分の姿であるとわかっていれば、吠えることは無いでしょう。
自分ではない犬の姿が見えることに対して警戒して吠えているのです。
楽しくて吠える犬は、あまりいません。
お散歩中など歩いている時に犬が反応するものが多々あります。
シルエット的な部分に反応していることがほとんどです。
警戒心が芽生えると自分の身を守らなければならないと思い、自分の身を守る行動に出ます。
犬との生活の中で人が主導権を握るようにすれば、犬の警戒心は弱くなります。
愛犬の性格が怖がりである場合には、特に飼い主さんとの主従関係を意識して築くと楽に生活が出来るようになります。
愛犬が自分で自分の身を守るのではなく、飼い主さんが守ってくれると認識できれば安心して生活できるようになり吠えることも無くなるでしょう。