犬用のおむつ「マナーパンツ」を使用している方が増えています。
家の中を汚されることがないので、安心です。
でも、マナーパンツを使用するとトイレで排せつすることは出来ないのでしょうか?
マナーパンツの使用とトイレトレーニングの方法をプロドッグトレーナーが解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
LINE無料相談に頂いたコメントの内容
犬種:パグ
月齢:4ヵ月
性別:オス
お迎えしてから、マナーパンツを着用しているのですが、朝一起きたらすぐ外してゲージに入れコマンドを行っても中々シッコしてくれず、ゲージから出してマナーパンツを履かせたら、知らない間にしています。
たまに、朝一トイレトレーでオシッコする時もあるのですが。
昼間は、ほとんどマナーパンツ履かせていて、起きたらゲージに入れてコマンド言っているのですが、なかなかオシッコしてくれません。
マナーパンツを使うことはOK?NG?
マナーパンツ、マナーベルトとは、犬用のおむつのことです。
TVCMなどでもよく目にするようになったこともあり、愛犬にマナーパンツを利用している人も多いと思います。
犬用のおむつを使用することは、悪いことではありません。
トイレのしつけとしてではなく、家を汚されないために利用するのはどうでしょうか?とお話することはあります。
犬のしつけハグでは、トイレトレーニングとしてマナーパンツを利用することはありません。
マナーパンツを履かせていると、犬がいつ排せつをしたのかがわかりません。
マナーパンツを履かせるといつでも排せつをしてしまうので、管理をすることが難しくなるからです。
トイレの場所を設置して、マナーパンツを履いている状態でもトイレで排せつをしているようなポーズを取っていれば、トイレ認識はあるのではないかと思います。
トイレトレーニング中は、マナーパンツを着けさせない方が失敗を確認することが出来ます。
排せつ物で家を汚されないためのアイテムとしては、マナーパンツは有効だと思います。
トイレトレーニング中の吸水管理
犬のトイレトレーニングを行っている方からのよく「トイレのサイクルが把握出来ない」と言われます。
一日中、犬を向き合っていられる方はそう多くはないので、トイレのサイクルを把握することは少し難しいのかもしれません。
犬のしつけハグでも行っていることですが、まずはお水の管理をして頂きたいと思います。
1日の給水量は、体重×50~60ccくらいです。
この量は、一日に必要な最低量なのでそれ以上のお水を飲ませてあげて下さい。
多くの犬は、ご飯の時と運動の後などに吸水をします。
犬の喉が渇いているであろうタイミングで、飲み切れないくらいのたっぷりの水を与えて、更に飲んだ量を人が把握することが出来れば、排せつのタイミングと量を予測することが可能です。
ご飯の時(一日2~3回)、お散歩の後(1~2回)プラス家の内外問わず遊んだ後のタイミングを加えて、一日の吸水回数は5~6回程度になると思います。
ほどんどの方はエアコンが効いた室内で犬を飼っていると思うので、夏冬問わず一日5~6回程度の吸水が出来ていれば、脱水の可能性は低いと言えます。
おしっこの管理をするためには、お水の管理をすることがとても効果的です。
トイレトレーニングが成功して、決められた場所で排せつが出来るようになれば、水をいつでも飲める状態にしておいても問題ありません。
吸水管理は、トイレトレーニングの進捗状況に応じて犬の様子を見ながら行いましょう。
トイレのタイミング
トイレトレーニングの際には、トイレを我慢する時間とトイレに促す時間が必要です。
犬のしつけハグでは、クレートでの管理を推奨しています。
クレートの中はトイレを我慢する時間、クレートの外に出た時にトイレへ促して外で自由に過ごすという形を取っています。
ずっとフリーで管理している方やケージの中で管理している方が多いと思います。
犬をケージの中で管理していると、いつ排せつをしたのかが分かり難いです。
犬が排せつを済ませた後にケージの外に出してあげたいのですが、犬の排せつのタイミングと人が構えるタイミングが同じであるとは限りません。
人が構えるタイミングでケージの外に出してしまうと、犬の排せつの時間になっていることもあり、トイレの失敗に繋がってしまいます。
犬の排せつのタイミングに人が合わせることは難しいこともあります。
犬のトイレトレーニングは、成功した時に褒めて固めるという方法しかありません。
クレート管理の場合には、人のタイミングで外に出してトイレに促します。
トイレで排せつが出来たら、褒めてあげて外に出してあげるという行動を繰り返すとトイレの失敗が無くなります。
トイレ日記
犬のトイレ日記を着けて頂きたいと思います。
一日の記録の中でおしっことウンチの状況を書き留めて下さい。
犬は大体毎日同じくらいの時間に排せつをします。
特に犬の食事の時間やお散歩に行く時間などが大体同じ生活をしている場合には、排せつの時間もほぼ同じです。
1週間程度の期間、トイレ日記を付けて頂くとトイレの管理がしやすくなるので、トイレ日記をおすすめしています。
トイレの時間がわかると、トイレに促しやすくなりトイレの成功へ導くことが出来ます。
平日は仕事などで犬と一緒にいられる時間が短いという方は、お休みの日や犬と一日一緒にいられる時で構いません。
ご自分の生活スタイルに合わせて、トイレ日記を付けてみて下さい。
トイレトレーニング成功のポイント
トイレの回数を把握しましょう。
犬が一日に何回排せつをしているのかを認識することが最初に必要なことです。
次に、犬にある程度の時間トイレを我慢させて下さい。
犬のしつけハグではクレートでの管理を推奨しています。
クレートの中に入って大人しくしている時間は、トイレの我慢をする時間になります。
クレートの外に出した時に、トイレに導いてあげます。
最期に、水の管理をします。
最初は人がトイレに導いて上げて、排せつをさせます。
最終的には、犬が自らトイレへ行って排せつをすることです。
1週間から1ヶ月程度のトレーニングを行うと、成功することが多いです。
例えば、朝いちばんで排せつをする犬の場合、朝クレートの扉を開けると最初に自らトイレへ行き排せつをするようになります。
時々、先住犬がトイレの場所を教えてくれるという話を耳にすることがありますが、犬がトイレの場所を教えることはないとお考え下さい。
トイレ用のニオイスプレーがあります。
トイレにスプレーをすることで、トイレの場所を認識させるというものです。
ニオイでトイレの場所を覚えることは、難しいと思います。
ニオイがあることでトイレには行かないという犬もいるので、あまりおすすめは出来ません。
クレート管理の注意点
クレートの中にいる間はトイレの我慢をさせますが、あまり長時間中に入れてしまうと限界が来て漏らしてしまうことがあります。
最初は1~2時間程度の短い時間からトレーニングを初めてください。
月齢によっても異なります。
例えば、生後4ヵ月くらいの場合には5~6時間程度の我慢しか出来ないと思って下さい。
飼い主さんが仕事などで留守にする時間が8時間だからといって、ずっとクレートの中に入れたままにしてしまうと限界が来る可能性があるのでご注意ください。
まとめ
トイレを成功させるためには、
- トイレの回数を把握する
- ある程度のトイレの我慢をさせる
- 水の管理をする
ことが大切です。
犬がトイレに行くタイミングを把握して、導いてあげて下さい。
トイレが成功したら褒めてあげて固めてあげることは、トイレトレーニング成功への近道です。
また、トイレ日記を付けることもおすすめです。
トイレトレーニングは必ず成功することが出来るので、根気よく続けて下さい。
犬のおむつを使用することは悪いことではありませんが、トイレトレーニングに使用することは適していません。
排せつに失敗してしまい、家の中を汚されないためには良いでしょう。